三冬月マヨ

三冬月マヨ

何だかんだで不憫攻めが好きかも知れないと気付いた今日この頃。

『悪役にもハッピーエンドを』

『黒が正義です』

 我は魔王である。
 魔王であるから、我のこの世界を守らなければならないのである。

「あー、魔王は今日も可愛いなあ」

 こんな訳の解らない勇者の膝の上に乗せられて、髪の毛に頬をすりすりされてる場合ではないのである。
 こら、涎を垂らすな。
 我の毛髪を汚す不届き者め、滅ぶが良い!

 と、両手を伸ばして、突き飛ばそうと勇者の腹を押したら、流石勇者めっちゃ硬い腹である。

「あ、こら、我慢出来ないのか? しょうがないなあ」

 おい、こら。何でズボンのベルトを緩めるのだ。

「ほら、今日も俺の聖剣でピ――――――――」

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篤紀「………一話目からパトライトにピー音なのかよ…」

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 俺は極々平凡な何処にでも居る日本人だった。
 その筈だったのに。
 その日は出張の為に朝早くに家を出た。
 社用車を借り、出張先へと向かう。
 朝早い道路はまだ車の通りが少なく、先日の雪がまだ路面に残り、車のライトの光を反射していた。
 凍っているだろうから、気を付けなければ行けない。慎重にハンドルを捌いて行く。
 そして交差点が近付き、カーナビが『間もなく右折です』と告げる言葉に従い、ウィンカーを上げ右折ラインに入り、軽くブレーキを踏み…。

「うわっ!!」

 …見事に滑った。そして運の悪い事に、その先には信号待ちの大型トラックが。運ちゃんの驚く顔が目に入った。景気良くクラクションを鳴らす音も聞こえる。眩しいライトが視界を覆い尽くして行く。

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篤紀「…あれ…? 原作は真面目…? 勇者視点? 異世界転移もの? え? 何処をどうしてパトライトに?」

 篤紀はネットで公開されている原作に辿り着いていた! 

――――――――――――――――――――――――

ムーンでの短編での投稿の後書きに書いていた物なのですが…。
さて…どっちで書いた方が楽だろうか…(笑)
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登録日 2021.09.30 17:07

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