俺は 俺の 自転車をどっかに置いて来てしまったから俺は彷徨う。一旦、休憩するために高架下で佇みながら、冥土の土産にあれやこれや思いをめぐらせていると、いつの間にやら工場街に本社を構えるオフィスに迷い込んでいた。…あの沼津に戻りたいんですけど？なんつって、オフィスガールに掛け合い、…あの、具体的な道順を教えてもらわなくても、なんかシンボルになるようなものがあれば、それを教えてもらいさえすれば、それを目標に取り敢えずは するんで、よろしくお願いします！と、頼み込むのだけれども、なんか、バックヤードみたいなところに引っ込みお偉いさんを呼び出して来て、なんかおおごとになって来たな？おい！駐車場で帰り道についてレクチャーを受けていると、いつの間にか、ワゴン車のなかにいた。…いや、そのまえに、オフィス玄関の風除室みたいなところでなんか知らない番号から掛かって来たから、普段だったらそんな不審電話に出たりはしないのだけれども、強いて出るとするならば市内局番に限り、その際も予めネット検索してからであるもののそのときはなんの躊躇いもなくその電話に出ると西川の娘です！…て、あの西川？西川きよしの娘なのか？ずうっとお慕いもうしておりました！わたくし肉体関係を望んでおります！との旨、気後れしながらも神経細胞は素直に受け入れ、それからすぐに西川の娘と名乗る女は俺の眼前に現れて、周囲の眼も憚らずに抱き合いながら、ワゴン車に乗り込むのだけれども、俺は後部座席で、足を伸ばして進行方向とは垂直方向に寝そべるような体勢で西川の娘にだっこされるような形で乗っている。ふと気になり、自らの下半身を見やるとボクサーブリーフがずり落ちていておちんちん丸見えだった。それを知ってか知らずか？見てか見ずか？俺にベタ惚れ惚れ抜いてる骨抜かれてる俺の西川の娘は、まったくの無表情だった。それから同乗しているカップルと購入した歌舞伎のＤＶＤについて話をしたりしながら、、、