「人面獣心の器(うつわ)――愚者を演じた少年 小早川秀秋」あとがき
この物語を書き始めたとき、
私は「小早川秀秋」という名前に、ただ漠然とした違和感を抱いていました。
「本当に彼は“裏切り者”で、“愚者”だったのだろうか」
その問いが、ずっと頭から離れませんでした。
調べれば調べるほど、
彼の人生は“愚かさ”ではなく、まったく別のものに満ちていました。
彼が抱えていた孤独。
彼の行動の背景にあった苦しみ。
そして、彼が最後まで通しきった、たったひとつの“筋”。
大人たちの都合に振り回されながら、
それでも必死に生きようとした、
ひとりの若者の姿。
その姿は、歴史の中で語られてきた人物像とは、まるで別人でした。
この物語は、その少年に寄り添いたいという、
ただそれだけの気持ちから生まれました。
最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝します。
そして、ほんの少しでも彼の心を思い浮かべてくれたのなら、
それ以上の喜びはありません。
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登録日 2026.06.02 15:14
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