niko

niko

ご覧いただきありがとうございます。 ​日常のすき間にぽっかりと浮かぶような、どこか懐かしくてあたたかい物語を描いています。 どうぞごゆっくりお楽しみください。

真鍮のベルが鳴る時

どこか懐かしい街角に、ひっそりと佇む喫茶店がある。

​重厚な木製のドアを開ければ、カランと静かに響く真鍮のベルの音。

香ばしい珈琲の香りと、店主がゆっくりと淹れるアールグレイ。

​「うちにはね、時々……遠いところからお客様がやってくるんです」

​人生の足踏みに焦りを感じていた私が、偶然辿り着いたその場所。

そこは、日常のすき間にぽっかりと浮かんだ、時間を忘れるような空間だった。

​カウンター越しに交わされるマスターの静かな言葉と、営業終了後に飲む冷めた紅茶。

言葉少なな会話のなかで、強ばっていた心が少しずつ解けていく。

​「足踏みして見えてもね、靴底はちゃんとすり減っているんですよ」

​がんばりすぎてしまった日や、少しだけ立ち止まりたい夜に。

過去と現在が優しく交差する、静かな物語。

​どうぞ、扉をお開けください。
コメント 0件
登録日 2026.10.16 00:51

コメントを投稿する

1,000文字以内
この記事に関するコメントは承認制です

ログインするとコメントの投稿ができます。
ログイン   新規ユーザ登録

0 件