時野洋輔
「ゴルノヴァさんも探して一緒に来ようと思ったんですけど、どこにいるかわからなくて。すみません、僕の力不足で」
「悪いのは私です」
「マーレフィスさん、あまり自分を責めないでください。落書きはもう消していますので、ミミコさんに情状酌量を求めていますから」
「私はとても幸せです」
「そんな、当然のことですよ。マーレフィスさんは気にしないでください」
「悪いのは私です」
……あれ? 何か様子がおかしい?
そう思ったとき、ユーリシアさんが僕の肩に手を置いた。
「クルト、面会時間はもう終わりだ。規則だから帰るよ」
「え? もうそんな時間なんですか? わかりました。また今度面会に来ますからね」
「私はとても幸せです」
マーレフィスさんは、ずっと同じ笑みを浮かべたままそう言ってくれた。
その後、王都でリーゼさんへのお土産を買って帰ったんだけど、どういうわけか、その後再び面会の許可がなかなか下りなかった。
ただ、その話をしたとき、ユーリシアさんから「洗脳がまだ不安定」とかよくわからない言葉が聞こえた気がするけれど、多分気のせいだよね。