トトリアの兄の名前はキキトリヤ・パダグラム。

貿易都市ハインツの豪族パダグラム家の跡取りとして生まれるも、幼少の頃に父親が魔族の商人に騙され、家も財産も家名すらも奪われて、家族もろとも貧民街落ちとなった。

落胆する一家であったが、母の妊娠が発覚。
それを希望として、貧民街からやり直す決意をする両親であったが、キキトリヤは密かに自分達を陥れた魔族への復讐を誓う。

だが、妹のトトリアが生まれた事が転機となり復讐を忘れ、その分だけトトリアを溺愛した。

しかし、失踪事件により復讐心が再燃。
自分達が騙されてから失踪事件に至るまでが、一連の陰謀ではないかと疑いだす。

失踪事件から運良く逃れる事の出来た、自分と似た境遇の仲間を集めて情報ネットワークを構築し、真相を探ろうとするも、第2の失踪事件で仲間の大半を失い、失意と焦燥に駆られて「貧民街から抜け出す」事だけを考えるようになってしまう。

悲しむべきは、トトリアと違って冒険者の資質が全くなかった事。

享年21歳。

成長したトトリアの幸せな姿を見る事だけが唯一の楽しみだった。