2
件
白薔薇を愛する侯爵令嬢エミリアには、幼い頃から変わらずそばにいてくれる三人の大切な幼なじみがいた。
双子の兄ヴィルヘルム。そして、王太子アレクサンダーと、筆頭公爵家の嫡男フェリクス。
四人でお茶を囲み、笑い合う穏やかな時間は、これからもずっと続くのだとエミリアは信じていた。
けれど、彼女だけが知らなかった。
幼い日に小さな治癒魔法で傷を癒やしてもらったアレクサンダーが、あの日からずっと彼女を想い続けていることを。
そして、親友である二人を見守っていたはずのフェリクスの胸にも、いつしか友情だけでは説明できない想いが育っていたことを。
学院最後の一年。学院祭の準備、四人で囲む紅茶、王宮のお茶会、剣術大会で起きた事故――変わらないはずだった日々を重ねるうち、エミリアの中にも、まだ名前を持たない感情が静かに花ひらいていく。
やがて彼女に眠る特別な力が目覚めたとき、王宮と聖堂はエミリアを「聖女」として求め始める。
けれど、二人が愛したのは聖女ではない。
白薔薇に触れながら笑い、想いを込めた一杯のお茶で誰かを支えようとする、ただ一人のエミリアだった。
王太子と筆頭公爵家令息。親友同士である二人の、決して譲ることのできない恋。
これは、聖女と呼ばれる前から愛されていた少女が、自らの心でたった一人を選ぶまでの物語。
文字数 34,912
最終更新日 2026.07.19
登録日 2026.07.16
王宮結界の位相を感知できる、ただ一人の存在。
シュヴァルツフェルス公爵令嬢ブリュンヒルデは、水の位相を操る稀有な魔術師として王宮へ招かれるが、その力は王宮の深層に潜む“観測者”に気づかれてしまう。
彼女を守るために動いたのは、王太子レオンハルト・フォン・ゾンネンクローネ。
彼の結界は、王宮の中心であり、王国そのものを守る絶対防壁だった。
だが、敵の狙いは王宮ではなく――彼女自身。
なぜなら彼女は、王太子の結界と唯一重なる位相を持つ存在だったから。
守護のため、彼は彼女を自身の結界の中心へ迎え入れる。
それは王太子としての判断ではなく、
一人の男としての決断だった。
「君を守るためなら、私はすべてを敵に回す」
位相が重なった瞬間、
それは守護ではなく――誓いとなる。
これは、王太子がただ一人の花嫁を選び、
永遠を誓うまでの物語。
文字数 85,916
最終更新日 2026.02.14
登録日 2026.02.13
2
件