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「俺は君だけのものだ」と言う男と「お前は俺のものになる為に生まれて来た」と言う男――運命の男は二人いた。
「天孫降臨」と同じ頃。葦原中国――地上の人草たちはある「異形」の襲来を受けていた。
高天原の神は「人草の危機は人草で対応せよ」と、その「異形」に対抗する能力を持つ「人草」を地上に送り出した。
彼らは「天津人」と呼ばれ、現在に至るまで絶えず現れる「異形」と戦い続けていた。
この国が異形による「大災厄」に呑まれる時に現れるのが「鞘《さや》の処女《おとめ》」。
同じ天津人の益荒男《ますらお》「剣比古《つるぎひこ》」と番い「花鞘比売《はなさやひめ》」となり彼に与える「剣」を産む。
わかりやすく言うと、彼女は異形による大災厄に対抗するために「男とセックスして武器を産み与え最強の戦士にする」女である。
約九十年ぶりに現れた「鞘の処女」――「勝ち気で図太い」美貌の十七歳・高野原茉莉花はその素性を隠し、宮城県仙台市郊外の森の中で暮らしていた。
国の保護監視対象である「特別な務めを果たす少女」の日常は拍子抜けするほど地味で平穏、全くキラキラしていない。
まだ誰ともわからない「剣比古」――「王子様」と番うため、腹を括って処女を守っていた茉莉花だが、森の中の家で思いがけず恋に堕ちる――彼は自分と「結ばれることを許されない」男だった。
「王子様が迎えに来るまで、私の彼氏になって」と言う強欲彼女と「君は俺のものにならないけど、俺はずっと君のものだよ」と言う溺愛彼氏の「セックス以外」は有りの秘密の関係。
彼女を巡る男たち、お忍びのプリンス、突如牙を剥く激ヤバ執着男(と書いてラスボス)――異形による「大災厄」が迫る中、彼女は愛する男と番うため、選んだ男と「禁断」の契りを交わす。
好きな男と結ばれる。務めも果たす。両方とも絶対に諦めない――現代の献姫が死闘(と書いてロマンス)を繰り広げる「スキャンダラス」な現代伝奇日常ファンタジー。
※光属性の強気な女と幼馴染属性の犬系男の組み合わせが好きな人間が書いてます。二人ともスパダリに負けるな。お前らがスパダリになれ。
※主人公の日常生活を中心に進行するので展開はかなりゆっくりです。
※この物語はフィクションです。実在の地名、施設名等が出て来ますが一切関係ありません。
文字数 87,679
最終更新日 2025.12.12
登録日 2025.09.23
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