一方、ダンビー工法は、製管機を使用して「ストリップ」という塩ビの板状部材を既設管の内面にスパイラル状に巻いて、そこに板状部材を既設管にはめ合わせるための「SFジョイナー」という部材を装着。そのうえで、板状部材と既設管とのすき間に液状セメントを注入する工法である。EX工法と同じく部材などをマンホールから引き込むので地面を開削せず、レベル2地震動にも耐えられる耐震性を有するが、EX工法と違って空気駆動式の製管機を使用するため、下水を流しながら施工できる。
ダンビー工法について間野氏はこう付け加える。
「下水道は圧力をかけずに自然に流すが、粗度係数が小さくツルツルしている塩ビの板状部材を巻いて流れやすくしている。そして強度を保つためにセメントを注入している。SFジョイナーにはフレキシブルな部位があり、地震発生時には屈曲を吸収して耐震性を発揮するので、下水の流出を防げる」
耐震性が実証されたのは平成28年に発生した熊本地震である。「ダンビー工法で敷設された下水道管について、大がかりな修繕工事をしたという報告はない」(クボタケミックス特販営業部・石田健太郎部長)という。
しかし、EX工法もダンビー工法も既存管の中にもう一本の管を形成することから、管径が縮小され、下水の流れに支障が発生することはないのだろうか。だが現実はむしろ逆で、間野氏は「確かに管径は小さくなるが、塩ビは表面がツルツルしているので、コンクリート製の既存管よりも流れやすくなって、従来と同等以上の水量を確保できる」と明言する。土木工事の専門用語で「施工延長」と呼ぶ累計施工実績は、EX工法が622キロメートル、ダンビー工法が367キロメートルである。
今年に入ってから、下水道管だけでなく上水道管の破損にも起因する道路陥没や水の噴出が、相次いで報道されている。冒頭に触れた「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」は、この春頃に中間とりまとめ、 夏頃に最終とりまとめを行う予定だ。
(文=Business Journal編集部)