──実際にこれらのシステムを導入した結果、どのような効果があったのでしょうか。
お客様からは、「オーダー時や会計時に待たなくて済む」「席に着いてから商品が届くまでの時間が圧倒的に短くなった」「トッピングや追加のオーダーがしやすい」といった声をいただいています。
例えば従来の木製メニューだと、チーズバーグディッシュにはエッグなどがトッピングできないと思われていたんですね。しかしタブレットだと、「トッピングしますか」という表示が出るので、お客様も「そうか。トッピングできるんだ。じゃあ頼もう」ということになるのです。木製のメニューでは伝えきれなかったことが、デジタルの力を使えばより多くのことをお客様に伝えられる。そういった意味ではデジタルの力は本当に大きいですね。
また、タブレットオーダーシステムを導入した店舗では、従業員を呼ぶ「ピンポーン」というベルスターを一切なくしました。その結果、「落ち着いて食事ができるようになった」といった声もいただいています。
これらのシステムの導入効果により、お客様をお待たせしなくて済むようになりました。その結果、導入した店舗ではお客様の数が増えています。
──今後のDX戦略についてはどのように考えられていますか。
お客様の利便性を考えるとデジタル化の流れは不可欠なので、今後も積極的に進めていくことになると思います。その一方で、お客様からは「びっくりドンキー」に対して、「あたたかいおもてなし」も求められていると感じています。
ですので「デジタルによる効率化」と「人によるおもてなし」、それぞれの強みを活かすことが大事ですね。来店していただいたお客様に、「便利だよね」とか「来てよかったね」と思ってもらえるように、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供していきたいと考えています。そういった意味では、これからは人の部分がより一層重要になってくるのではないでしょうか。お客様の満足度を最大化するためには、やはり人の部分が非常に大きな役割を担うと思います。
──今後もハンバーグを中心とした商品展開をされていくのでしょうか。
1968年の創業以来、当社はずっとハンバーグにこだわり続けてきました。その結果、個性となったこの路線は今後も変わらないと思います。ただし、お客様がさらに利用しやすくなるように変化していく必要があると考えています。
具体的には商品の品揃えです。例えば、「びっくりドンキー」は昼や夜に利用されるイメージが強かったと思いますが、朝の時間帯も利用できるようにモーニングメニューを追加しました。少し前までは、「びっくりドンキーでモーニング?」と思われていましたが、ハンバーグだけでなくトーストや卵かけご飯などメニューの選択肢を増やすことで多くの方に利用していただいています。既に全体の約87%にあたる300店でモーニング営業を展開しています。
──今後の店舗拡大をどのように考えていますか。例えば海外展開などの構想はあるのでしょうか。
今後もより広く当社のサービスを提供していくために、これまではあまりなかった都市部への出店も進めているところです。昨年は新宿靖国通りと府中けやき通りに2店舗を出店しています。直近では、4月に大阪市内の京橋コムズガーデン店がオープンする予定です。
過去最高の店舗数(345店)となっていますが、当面は海外への出店は考えていません。「日本国内でより成長を目指したい、より多くのお客様に商品とサービスをお届けしたい」と考えています。今後も、「より豊かで便利な食をお届けする」という姿勢を守り、継続的な成長を目指していきます。
(文=伊藤伸幸/中小企業診断士、ライター)