銀座ソニーパーク、一等地なのに「テナントなし・空きスペースだらけ」の狙い

 実は旧ソニービルのコンセプトも「街に開かれた施設」。Ginza Sony Parkも、ソニー創業者のひとりである故・盛田昭夫氏の意向を継承していると永野社長は話す。地上1階部分も誰でも入れるオープンスペースとなっており、筆者が見た際は、アイスクリームを食べながらくつろぐカップルがベンチに座っていた。

イベント主催者から収益を得る

 土地・建物の所有者はソニー企業株式会社である。借りている物件ではないため商業化は必要ないという考え方もあるが、一等地ともあり、固定資産税は高そうだ。レストランや売店はあるが、数店舗程度。どのように収益化するのだろうか。

「ビル内でのイベント主催者から頂くスペースフィーや企画運営費が主な収入減です。ソニーグループのブランディングの一環として、関係会社がイベントを主催することもあるでしょう。門戸は開いているので、グループ外の他社や公共機関からのイベント開催も受け付けるスタンスです。もちろん、ソニー企業株式会社としては黒字化できます」(同)

 例えばグループの映画会社や音楽会社、エレクトロニクス企業からの依頼が想定されるという。建物の壁面が広告媒体になるため、広告収入も得られる。

ソニーグループのブランディング拠点に

 現在は「Sony Park展 2025」のPart 2が開催中だ。1月末から3月までの間はPart 1が開催され、Part 2は6月22日まで開催予定である。「Sony Park展 2025」ではソニーの6つの事業分野、「音楽」「半導体」「ファイナンス」「ゲーム」「エンタテインメントテクノロジー」「映画」のテーマに合わせたプログラムを各エリアで展開する。地下2階では「ゲームは、社交場だ。」をテーマとして、韓流グループBABYMONSTERの人気楽曲をモチーフにしたオリジナルゲームが設置されている。

「Sony Park展は以前、フラットな公園を開放していた際のファイナルイベントとして実施しました。3年間の経験から、『テーマ』と『テクノロジー』、『アーティスト』の3つを組み合わせると、体験満足度が高いということが分かり、その集大成です。現在では、多様な事業をもつソニーグループのブランディングを目的に開催しています」(同)

 取材を通じて「Ginza Sony Park」は建物自体が公園であり、イベント会場として機能することが分かった。主にソニーグループのブランディング拠点となるのだろう。今後どのように宣伝し、ソニーのブランド力に貢献できるか注目が集まる。

(文=山口伸/ライター)