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新しい護衛
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中庭に備えられた丸テーブルの上には、母様たちが持ち寄った珍しい菓子や、不思議な色をしたお茶などが沢山並んでいる。
一妃以外はみんな他国から嫁いできたというから、ここで行われる茶会はいつも異国情緒が漂い、わくわくする。
「ほら、これなんかお前が好きそうじゃないか。」
そう言って四妃が口に入れてくれたのは小さな七色の粒で、それぞれ味が違うそれらを舌で転がすと、あっと言う間にしゅわしゅわと消えていく。
「しゅわしゅわ!なんだこれ!」
「気に入ったか?」
「とっても!」
「後でユリウスに持たせてやろうな。」
うんうんと頷く間に、果実が練り込まれたチョコや、白くてふわふわのメレンゲ菓子を次々口に入れられていく。
どれも美味い。これもユリウスに持ってきてもらおう。
「ノアが来ると聞いて、用意してきたの。少し整えましょう。いらっしゃい。」
三妃がにっこりと鋏を取り出した。いつも髪を整えてくれるのはこの三妃だ。
もごもごと甘い菓子を口に入れたままの俺を呼び寄せ、小さな柔らかい手で少しずつ鋏を入れていく。
伸びっぱなしだった俺の髪はだいぶさっぱりとした。
「このくるくるした髪が自慢だったけど、艶々で真っ直ぐのこの黒髪も羨ましいわね。」
「そうか?俺はくるくる好きだぞ。」
「ノアにそう言ってもらえると嬉しいわ。」
三妃はくるくるとした薄桃色の髪を指に巻き取って、にっこりと微笑んだ。
「ユリウスとはうまくやっていけそうか?」
一妃がお茶を口にしながら尋ねてくる。
うまく?どうだろう。ユリウスはあまり話さないからな。
「うちの子の護衛にと思っていたのよねえ。でもやっぱり、ユリウスしかいなかったようね。」
ニ妃が呟くと、他の三人も頷いている。
「そなたたちもか?わたしもユリウスにと思っていたのだ。」
「あら、わたしも。」
「わたしもユリウスを子の護衛に推していた。」
おお、なんだかユリウスは母様たちに人気のようだ。
当の本人は涼しい顔をして、離れた所で控えている。
「ユリウスは、実はなんかすごい奴だったりするのか?」
まさかな。本人からは何も聞いていないぞ。
「ノアは聞いていないのか。ユリウスはこの国一の剣豪でな。剣技も目を見張る程素晴らしいものだ。」
「そうよう。惚れ惚れしちゃうのよ。あらやだ、陛下には内緒ね。」
「わたしの国にいたって、きっと1番ね。」
「わが母国でも、あれ程の太刀筋は見たことがない。」
え、そうなの?
剣豪?剣技?
「ユリウス、今の話しは本当なのかっ!」
全くそんな風には見えないけど。
「言い過ぎでございます。それほどのものではございません。」
ほらな!
「昨年の剣術大会で優勝したのもお前ではないか。もうすぐまた開催されるが、今回はどうするのだ?」
剣術大会だと!!!
めちゃくちゃ面白そうじゃないか!!!
「今回は参加する予定はございません。」
「なんでっ!!!絶対出ろ!!!そして、俺も観に行く!!!」
立ち上がって熱弁する俺を、みんなが目を丸くして見ている。
「それは…できかね…」
「そうじゃな。いいかもしれん。いつまでもこうしてノアを閉じ込めてばかりもいられんだろう。」
一妃!いいこと言うじゃないかっ!!!
「でもう、陛下は絶対にお許しにならないのでは?」
「絶対、許してくれないね。」
「許さないだろうな。」
他の三人は尻込みしているが、俺はやる気満々だ。
「父さんは俺が説得するから、ユリウスは絶対大会に出ろ!優勝してるんだろ!すごいじゃないか!そして俺も、絶対に観に行く!!!」
平凡そうに見えたユリウスにそんな才能があったなんて、なんだか小説みたいだ。
「大会が行われるのは、王宮内の闘技場だからな。わたしからも陛下に進言してみよう。」
一妃は正妃だ。一妃が進言したら、父さんも流石に無視はできないだろう。
これは、これは、チャンス!!!
興奮する俺の目の前で、母様たちから懇願されたユリウスが少しだけ剣術を披露してくれた。
剣術なんて観るのが初めての素人な俺でも、その流れるような剣のさばきに言葉を失った。
涼やかな表情のまま淡々と披露するユリウスは、平凡なんてとんでもない。
凄い、凄いじゃないか!!!
何で今まで教えてくれなかったんだ!!!
一妃以外はみんな他国から嫁いできたというから、ここで行われる茶会はいつも異国情緒が漂い、わくわくする。
「ほら、これなんかお前が好きそうじゃないか。」
そう言って四妃が口に入れてくれたのは小さな七色の粒で、それぞれ味が違うそれらを舌で転がすと、あっと言う間にしゅわしゅわと消えていく。
「しゅわしゅわ!なんだこれ!」
「気に入ったか?」
「とっても!」
「後でユリウスに持たせてやろうな。」
うんうんと頷く間に、果実が練り込まれたチョコや、白くてふわふわのメレンゲ菓子を次々口に入れられていく。
どれも美味い。これもユリウスに持ってきてもらおう。
「ノアが来ると聞いて、用意してきたの。少し整えましょう。いらっしゃい。」
三妃がにっこりと鋏を取り出した。いつも髪を整えてくれるのはこの三妃だ。
もごもごと甘い菓子を口に入れたままの俺を呼び寄せ、小さな柔らかい手で少しずつ鋏を入れていく。
伸びっぱなしだった俺の髪はだいぶさっぱりとした。
「このくるくるした髪が自慢だったけど、艶々で真っ直ぐのこの黒髪も羨ましいわね。」
「そうか?俺はくるくる好きだぞ。」
「ノアにそう言ってもらえると嬉しいわ。」
三妃はくるくるとした薄桃色の髪を指に巻き取って、にっこりと微笑んだ。
「ユリウスとはうまくやっていけそうか?」
一妃がお茶を口にしながら尋ねてくる。
うまく?どうだろう。ユリウスはあまり話さないからな。
「うちの子の護衛にと思っていたのよねえ。でもやっぱり、ユリウスしかいなかったようね。」
ニ妃が呟くと、他の三人も頷いている。
「そなたたちもか?わたしもユリウスにと思っていたのだ。」
「あら、わたしも。」
「わたしもユリウスを子の護衛に推していた。」
おお、なんだかユリウスは母様たちに人気のようだ。
当の本人は涼しい顔をして、離れた所で控えている。
「ユリウスは、実はなんかすごい奴だったりするのか?」
まさかな。本人からは何も聞いていないぞ。
「ノアは聞いていないのか。ユリウスはこの国一の剣豪でな。剣技も目を見張る程素晴らしいものだ。」
「そうよう。惚れ惚れしちゃうのよ。あらやだ、陛下には内緒ね。」
「わたしの国にいたって、きっと1番ね。」
「わが母国でも、あれ程の太刀筋は見たことがない。」
え、そうなの?
剣豪?剣技?
「ユリウス、今の話しは本当なのかっ!」
全くそんな風には見えないけど。
「言い過ぎでございます。それほどのものではございません。」
ほらな!
「昨年の剣術大会で優勝したのもお前ではないか。もうすぐまた開催されるが、今回はどうするのだ?」
剣術大会だと!!!
めちゃくちゃ面白そうじゃないか!!!
「今回は参加する予定はございません。」
「なんでっ!!!絶対出ろ!!!そして、俺も観に行く!!!」
立ち上がって熱弁する俺を、みんなが目を丸くして見ている。
「それは…できかね…」
「そうじゃな。いいかもしれん。いつまでもこうしてノアを閉じ込めてばかりもいられんだろう。」
一妃!いいこと言うじゃないかっ!!!
「でもう、陛下は絶対にお許しにならないのでは?」
「絶対、許してくれないね。」
「許さないだろうな。」
他の三人は尻込みしているが、俺はやる気満々だ。
「父さんは俺が説得するから、ユリウスは絶対大会に出ろ!優勝してるんだろ!すごいじゃないか!そして俺も、絶対に観に行く!!!」
平凡そうに見えたユリウスにそんな才能があったなんて、なんだか小説みたいだ。
「大会が行われるのは、王宮内の闘技場だからな。わたしからも陛下に進言してみよう。」
一妃は正妃だ。一妃が進言したら、父さんも流石に無視はできないだろう。
これは、これは、チャンス!!!
興奮する俺の目の前で、母様たちから懇願されたユリウスが少しだけ剣術を披露してくれた。
剣術なんて観るのが初めての素人な俺でも、その流れるような剣のさばきに言葉を失った。
涼やかな表情のまま淡々と披露するユリウスは、平凡なんてとんでもない。
凄い、凄いじゃないか!!!
何で今まで教えてくれなかったんだ!!!
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