94 / 102
最終章
92
しおりを挟む
一体どんな相手なのか、気にならないと言えば嘘になる。
相手について尋ねても父は何も答えてはくれないし、ルドルフやシオンの父である宰相でさえも首を振るだけで、何の情報もないまま、あっという間にその日がやってきた。
王宮の間には、母と母様たちも集められ、ルドルフとシオンが扉の前に控えている。
あの晩、父の静止を振り切って俺に付き従ったルドルフとシオンは、本来なら何かしらの処罰を受けるはずだったが、事態の収集には彼等の力が不可欠だった。
結果として、シオンと俺の婚約が白紙になっただけで済み、シオンは今や騎士団の団長にまでなった。
父の横で汗を拭う宰相は一段と小さくなり、また少し髪の毛は薄くなったようだ。
父の世話だけでも大変だろうに、色々気苦労をかけてすまなかったなと思う。
労いの意味を込めて視線を送るが、慌てて目を逸らされるので、やはり今でもよく思われていないのだろう。俺は仲良くなりたかったのに残念で仕方ない。
数刻が経っても相手はまだ現れない。
先に現れたのは、神殿の長だ。
迎え入れたルドルフとシオンも少し驚いたような表情を見せた。
こうして集められた人々を見回すと、相手は相当な人物なのかもしれない。
どんな相手なのか想像を巡らすが、思い浮かぶような人物は誰もいない。
神殿の長まで呼び出して、ここで父が認めてしまえば、もう逃げようがない。
しんと静まり返る王宮の間に、待ち人の到来を告げる騎士の声が響くと、ルドルフとシオンがゆっくりと扉を開き、その人物を招き入れた。
黒っぽい正装に身を包んだその人物が現れると、ルドルフとシオンの動きはぴたりと止まった。
緊張感が漂う張り詰めた空気の中、臆することなく正面に座る父と俺の前まで真っ直ぐに向かってくる。
ぴんと伸びた背筋に、涼しげな目元。少し伸びた薄茶の髪は流すようにして後ろにかき上げられている。
「お初にお目にかかります。今回お目通り下さったこと、感謝しております。」
低く通るその声に、朧げになっていた全ての記憶が蘇るような気がした。
「…やはり、偽名を使っていたのか。そのような戯言はよい。本当にお前だったとはな。」
「お久しぶりでございます、陛下。本名で申し立てしても、お会いして下さらないと思いましたので。」
跪いたままの人物は、臆することなく父に対峙した。
「この数年で新たに台頭してきた商人、その勢いは他国にまで及んでいると言うのだから、無視する訳にはいかないだろう。」
「このような一介の商人にお会い下さるとは思ってもおりませんでした。」
「その一介の商人ごときが、よくもこんな申し立てができたものだな。」
「約束しておりましたので。」
跪いて顔を下げたままでいたその人物が、すっと顔を上げる。
薄茶の瞳と目が合うと、その目は少しだけ緩く弧を描いた。
「ノア様、遅くなって申し訳ございませんでした。」
……ウス?
本当に、ユリウスなのか?
「お迎えにあがりました。」
「……ウス?」
「気が変わってしまわれましたか?」
「ユリウス、なのか?」
「ええ。困りましたね。ノア様の気が変わってしまわれても、わたしはノア様を連れ出すつもりでいましたが…」
緩く弧を描いていた瞳が、すっと細められると、ユリウスの纏う雰囲気は一変した。
「三年も経ったのだ。ノアも目が覚めたのだろう。なあ、ノア?」
隣から問いかけてくる父に首を振る。
「…待ちくたびれたんだ。」
「…ノア様。」
「お前の顔も、声も、迎えに来るって言ってくれたあの記憶も、全部幻だったんじゃないかって…」
「幻なんかではありません。」
「…本当に、本当に、待ちくたびれたぞ。」
「お待たせして、申し訳ございませんでした。」
そう、ずっと待って、待って、この時をどれだけ待ち望んでいたのか分からない。
それぐらいずっと、会いたいと願い続けていた相手は一人だけだ。
その相手が跪いて俺のことを見上げている。
無意識の内に高座から飛び降りるようにして、その胸の中に飛び込むと、逞しい腕はしっかりと俺を受け止めてくれた。
「ユリウスっ!」
ユリウスだ。本当にユリウスなんだ。
大好きだったあの匂いに包み込まれて、無我夢中でその身体にしがみつく。
ユリウスは突き放すことなく、そんな俺を宥めるようにずっと抱きしめていてくれた。
「わたしも不安だったのです。ノア様の気が変わっているかもしれないと。本当にこれで決心がつきました。」
抱きしめてくれるその腕に、ぎゅっと力が込められ、驚いて顔を上げるとその手が優しく頬に触れられた。
「最後にもう一度、確認させて下さい。ノア様、わたしとこれからの生涯を一生共にする覚悟はございますか?」
「一生共にいてくれるのか?」
「ええ、すでにわたしはそのつもりです。後はノア様の気持ち次第です。」
そんなの断る理由なんてない。
「ずっとユリウスといたい。ユリウスといられるなら、それだけでいい。」
何も言わずに、数回頬を撫でるようにすると、ユリウスは立ち上がって王座に向い直った。
「申し立てた通りです。お許しいただけますか?」
おそるおそる目を上げると、恐ろしいぐらい無表情の王が玉座から俺たちを見下ろしていた。
相手について尋ねても父は何も答えてはくれないし、ルドルフやシオンの父である宰相でさえも首を振るだけで、何の情報もないまま、あっという間にその日がやってきた。
王宮の間には、母と母様たちも集められ、ルドルフとシオンが扉の前に控えている。
あの晩、父の静止を振り切って俺に付き従ったルドルフとシオンは、本来なら何かしらの処罰を受けるはずだったが、事態の収集には彼等の力が不可欠だった。
結果として、シオンと俺の婚約が白紙になっただけで済み、シオンは今や騎士団の団長にまでなった。
父の横で汗を拭う宰相は一段と小さくなり、また少し髪の毛は薄くなったようだ。
父の世話だけでも大変だろうに、色々気苦労をかけてすまなかったなと思う。
労いの意味を込めて視線を送るが、慌てて目を逸らされるので、やはり今でもよく思われていないのだろう。俺は仲良くなりたかったのに残念で仕方ない。
数刻が経っても相手はまだ現れない。
先に現れたのは、神殿の長だ。
迎え入れたルドルフとシオンも少し驚いたような表情を見せた。
こうして集められた人々を見回すと、相手は相当な人物なのかもしれない。
どんな相手なのか想像を巡らすが、思い浮かぶような人物は誰もいない。
神殿の長まで呼び出して、ここで父が認めてしまえば、もう逃げようがない。
しんと静まり返る王宮の間に、待ち人の到来を告げる騎士の声が響くと、ルドルフとシオンがゆっくりと扉を開き、その人物を招き入れた。
黒っぽい正装に身を包んだその人物が現れると、ルドルフとシオンの動きはぴたりと止まった。
緊張感が漂う張り詰めた空気の中、臆することなく正面に座る父と俺の前まで真っ直ぐに向かってくる。
ぴんと伸びた背筋に、涼しげな目元。少し伸びた薄茶の髪は流すようにして後ろにかき上げられている。
「お初にお目にかかります。今回お目通り下さったこと、感謝しております。」
低く通るその声に、朧げになっていた全ての記憶が蘇るような気がした。
「…やはり、偽名を使っていたのか。そのような戯言はよい。本当にお前だったとはな。」
「お久しぶりでございます、陛下。本名で申し立てしても、お会いして下さらないと思いましたので。」
跪いたままの人物は、臆することなく父に対峙した。
「この数年で新たに台頭してきた商人、その勢いは他国にまで及んでいると言うのだから、無視する訳にはいかないだろう。」
「このような一介の商人にお会い下さるとは思ってもおりませんでした。」
「その一介の商人ごときが、よくもこんな申し立てができたものだな。」
「約束しておりましたので。」
跪いて顔を下げたままでいたその人物が、すっと顔を上げる。
薄茶の瞳と目が合うと、その目は少しだけ緩く弧を描いた。
「ノア様、遅くなって申し訳ございませんでした。」
……ウス?
本当に、ユリウスなのか?
「お迎えにあがりました。」
「……ウス?」
「気が変わってしまわれましたか?」
「ユリウス、なのか?」
「ええ。困りましたね。ノア様の気が変わってしまわれても、わたしはノア様を連れ出すつもりでいましたが…」
緩く弧を描いていた瞳が、すっと細められると、ユリウスの纏う雰囲気は一変した。
「三年も経ったのだ。ノアも目が覚めたのだろう。なあ、ノア?」
隣から問いかけてくる父に首を振る。
「…待ちくたびれたんだ。」
「…ノア様。」
「お前の顔も、声も、迎えに来るって言ってくれたあの記憶も、全部幻だったんじゃないかって…」
「幻なんかではありません。」
「…本当に、本当に、待ちくたびれたぞ。」
「お待たせして、申し訳ございませんでした。」
そう、ずっと待って、待って、この時をどれだけ待ち望んでいたのか分からない。
それぐらいずっと、会いたいと願い続けていた相手は一人だけだ。
その相手が跪いて俺のことを見上げている。
無意識の内に高座から飛び降りるようにして、その胸の中に飛び込むと、逞しい腕はしっかりと俺を受け止めてくれた。
「ユリウスっ!」
ユリウスだ。本当にユリウスなんだ。
大好きだったあの匂いに包み込まれて、無我夢中でその身体にしがみつく。
ユリウスは突き放すことなく、そんな俺を宥めるようにずっと抱きしめていてくれた。
「わたしも不安だったのです。ノア様の気が変わっているかもしれないと。本当にこれで決心がつきました。」
抱きしめてくれるその腕に、ぎゅっと力が込められ、驚いて顔を上げるとその手が優しく頬に触れられた。
「最後にもう一度、確認させて下さい。ノア様、わたしとこれからの生涯を一生共にする覚悟はございますか?」
「一生共にいてくれるのか?」
「ええ、すでにわたしはそのつもりです。後はノア様の気持ち次第です。」
そんなの断る理由なんてない。
「ずっとユリウスといたい。ユリウスといられるなら、それだけでいい。」
何も言わずに、数回頬を撫でるようにすると、ユリウスは立ち上がって王座に向い直った。
「申し立てた通りです。お許しいただけますか?」
おそるおそる目を上げると、恐ろしいぐらい無表情の王が玉座から俺たちを見下ろしていた。
241
あなたにおすすめの小説
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
婚約破棄された公爵令嬢アンジェはスキルひきこもりで、ざまあする!BLミッションをクリアするまで出られない空間で王子と側近のBL生活が始まる!
山田 バルス
BL
婚約破棄とスキル「ひきこもり」―二人だけの世界・BLバージョン!?
春の陽光の中、ベル=ナドッテ魔術学院の卒業式は華やかに幕を開けた。だが祝福の拍手を突き破るように、第二王子アーノルド=トロンハイムの声が講堂に響く。
「アンジェ=オスロベルゲン公爵令嬢。お前との婚約を破棄する!」
ざわめく生徒たち。銀髪の令嬢アンジェが静かに問い返す。
「理由を、うかがっても?」
「お前のスキルが“ひきこもり”だからだ! 怠け者の能力など王妃にはふさわしくない!」
隣で男爵令嬢アルタが嬉しげに王子の腕に絡みつき、挑発するように笑った。
「ひきこもりなんて、みっともないスキルですわね」
その一言に、アンジェの瞳が凛と光る。
「“ひきこもり”は、かつて帝国を滅ぼした力。あなたが望むなら……体験していただきましょう」
彼女が手を掲げた瞬間、白光が弾け――王子と宰相家の青年モルデ=リレハンメルの姿が消えた。
◇ ◇ ◇
目を開けた二人の前に広がっていたのは、真っ白な円形の部屋。ベッドが一つ、机が二つ。壁のモニターには、奇妙な文字が浮かんでいた。
『スキル《ひきこもり》へようこそ。二人だけの世界――BLバージョン♡』
「……は?」「……え?」
凍りつく二人。ドアはどこにも通じず、完全な密室。やがてモニターが再び光る。
『第一ミッション:以下のセリフを言ってキスをしてください。
アーノルド「モルデ、お前を愛している」
モルデ「ボクもお慕いしています」』
「き、キス!?」「アンジェ、正気か!?」
空腹を感じ始めた二人に、さらに追い打ち。
『成功すれば豪華ディナーをプレゼント♡』
ステーキとワインの映像に喉を鳴らし、ついに王子が観念する。
「……モルデ、お前を……愛している」
「……ボクも、アーノルド王子をお慕いしています」
顔を寄せた瞬間――ピコンッ!
『ミッション達成♡ おめでとうございます!』
テーブルに豪華な料理が現れるが、二人は真っ赤になったまま沈黙。
「……なんか負けた気がする」「……同感です」
モニターの隅では、紅茶を片手に微笑むアンジェの姿が。
『スキル《ひきこもり》――強制的に二人きりの世界を生成。解除条件は全ミッション制覇♡』
王子は頭を抱えて叫ぶ。
「アンジェぇぇぇぇぇっ!!」
天井スピーカーから甘い声が響いた。
『次のミッション、準備中です♡』
こうして、トロンハイム王国史上もっとも恥ずかしい“ひきこもり事件”が幕を開けた――。
噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。
春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。
新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。
___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。
ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。
しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。
常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___
「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」
ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。
寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。
髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる