98 / 102
最終章
96
しおりを挟む
俺と同じ黒い髪には糸くずが付いたまま。慌ててやって来たのか、はあはあと息を切らしている。
「…これ、返すよ。」
マホが差し出した袋をユリウスは首を振って受け取ろうとはしなかった。
「いつか必ず必要になる。返す必要はない。…真帆、ここでの居場所は見つかったか?」
薄らと目に涙を浮かべて、マホは何度も頷いた。
ここに現れた頃よりも、今のマホは本当に綺麗だ。
「…うん。妃様方がよくしてくれる。もうすぐ店を持つことができるかもしれない。支援してくれる人が現れたから。」
「そうか、居場所を見つけたのだな。今のお前は、とてもいい顔をしている。」
そう言ってマホの髪に付いた糸くずをユリウスが払うと、マホの目からはぽろりと一粒涙が溢れた。
「うん。大変なことも多いけど、毎日楽しいよ。店を構えられたら、一番初めに支援してくれた人のために、最高の服を届けたいんだ。だから、頑張る。」
ユリウスが頷くと、マホは泣きながら笑みを浮かべた。
「…マホ、綺麗だな。今なら本当に聖女みたいに見えるぞ。」
着飾っていないのに、マホは輝いて見える。
「は?聖女とかもううんざりだから。ぼくは、ぼくだし。」
マホは俺に対しては、少しつんとした表情を向けた。
「…ごめんな、マホ。俺、ユリウスと行く。」
「なんで君に謝られなきゃいけないの。ユリウスを振ったのは、ぼくだから!ほら、もう行きなよ!」
マホに急かされるようにして、その場を後にする。
ユリウスだけを縁のようにしていたマホの姿はもうない。
ユリウスがいなくても、マホはこの世界で渡り人として生きて行く術を自ら手に入れた。
「ありがとう、ユリウス!必ずいい服を作るから!だから、楽しみにしてて!隣の君にも特別に作ってあげるから!」
背後からマホの声がする。
ユリウスは振り返ることなく、ふっと笑った。
マホの支援者はきっと…
振り返ると、俺はマホに大きく手を振った。
マホは姿が見えなくなるまでずっと、俺たちを見送っていた。
そうして俺は、ユリウスに導かれ、長年住み慣れた王宮を後にした。
用意されていた馬車に乗って王都を進むと、街は多くの人で溢れかえっている。
至る所に出店があり、歌を歌っている人、楽器を鳴らしている人、その周りでくるくると踊っている人、街中とても賑やかだ。
「…祭りか?いいな、皆んなとても楽しそうだ。」
初めて目にする光景に心が躍る。
「ええ、年に数回行われる祭りです。」
馬車の中から食い入るように見つめていると、多くの人が仮面を付けているのが分かる。
「なんで仮面を?」
「祭りの間は身分関係なく、自由に楽しめるからです。多くの貴族たちが仮面をつけて紛れ込んでいます。」
「へえ……そうなのか。」
「行ってみましょうか?」
「え!?いいのか!?」
「構いませんよ。ノア様ならきっとそう仰ると思っていました。この仮面を付けて下さい。」
目元だけが隠れるように作られた仮面を二人で身につけると、なんだかワクワクして自然と笑みが込みあげる。
「あ、マントを被らないと。マントもあるか?」
「いいえ、必要ありません。そのままで構いませんよ。」
「…でも、」
停めさせた馬車から、恐る恐る外に出る。
黒髪が目立ちはしないだろうか。
マホを襲ったような奴らに目をつけられないだろうか。
ワクワクする気持ちとは裏腹に、少しだけ躊躇していると、ユリウスは手を取って寄り添ってくれた。
「心配ですか?」
「だって、この髪色は目立つんだろう?」
「…大丈夫です。さあ顔を上げて、ノア様は堂々としていれば良いのです。」
行き交う人々の群れの中で立ちすくむと、はっとした。
何人もの黒髪の人々がいたからだ。
「…珍しいんじゃ、ないのか?」
「ここのところ、髪色を黒く染めるのが流行しています。もって二、三日です。数年前に狼に乗った黒髪の女神が現れてから、人気を博しております。」
狼…
黒髪の女神…?
どこかで聞いたような話しだ。
「やはり本物の美しさには敵いません。だいぶ伸びましたね、ノア様。」
鎖骨あたりまで伸びた髪をユリウスの手に掬い上げられると、急に気恥ずかしさが込み上げ、視線を逸らしてしまう。
「どうされました?今になって、後悔が込み上げて来ましたか?」
ぶんぶんと首を横に振って否定する。
「…ユリウスが、」
「わたしが?」
「なんか変わったから。前と違うし、その、なんていうか…」
「…?」
「恥ずかしいんだよ。ユリウスに見つめられたり、触れられたりすると。」
「嫌ですか?」
「嫌とかじゃなくて、その…」
ぐいっと顎を引かれ、半ば強引に目を合わせられると、身体の奥底からじわりと熱が込み上げた。
最近感じていた熱っぽさなんて比じゃないぐらいの熱量だ。
「公の場であのような発言をされていたのに。ノア様はまだ、どのように子を成すのか、きっとご存知ないのでしょうね。」
なんのことかと首を傾げると、ユリウスはまた声を出して笑った。
ずっと見たかった、ユリウスの本当の笑顔だ。
「ゆっくりとノア様の心が決まるまで、それからで良いのです。ですが、これぐらいはお許しください。」
きょとんとしたままの俺に、人混みの雑踏に紛れて、ユリウスからそっと軽く、優しい口付けが落とされた。
「…これ、返すよ。」
マホが差し出した袋をユリウスは首を振って受け取ろうとはしなかった。
「いつか必ず必要になる。返す必要はない。…真帆、ここでの居場所は見つかったか?」
薄らと目に涙を浮かべて、マホは何度も頷いた。
ここに現れた頃よりも、今のマホは本当に綺麗だ。
「…うん。妃様方がよくしてくれる。もうすぐ店を持つことができるかもしれない。支援してくれる人が現れたから。」
「そうか、居場所を見つけたのだな。今のお前は、とてもいい顔をしている。」
そう言ってマホの髪に付いた糸くずをユリウスが払うと、マホの目からはぽろりと一粒涙が溢れた。
「うん。大変なことも多いけど、毎日楽しいよ。店を構えられたら、一番初めに支援してくれた人のために、最高の服を届けたいんだ。だから、頑張る。」
ユリウスが頷くと、マホは泣きながら笑みを浮かべた。
「…マホ、綺麗だな。今なら本当に聖女みたいに見えるぞ。」
着飾っていないのに、マホは輝いて見える。
「は?聖女とかもううんざりだから。ぼくは、ぼくだし。」
マホは俺に対しては、少しつんとした表情を向けた。
「…ごめんな、マホ。俺、ユリウスと行く。」
「なんで君に謝られなきゃいけないの。ユリウスを振ったのは、ぼくだから!ほら、もう行きなよ!」
マホに急かされるようにして、その場を後にする。
ユリウスだけを縁のようにしていたマホの姿はもうない。
ユリウスがいなくても、マホはこの世界で渡り人として生きて行く術を自ら手に入れた。
「ありがとう、ユリウス!必ずいい服を作るから!だから、楽しみにしてて!隣の君にも特別に作ってあげるから!」
背後からマホの声がする。
ユリウスは振り返ることなく、ふっと笑った。
マホの支援者はきっと…
振り返ると、俺はマホに大きく手を振った。
マホは姿が見えなくなるまでずっと、俺たちを見送っていた。
そうして俺は、ユリウスに導かれ、長年住み慣れた王宮を後にした。
用意されていた馬車に乗って王都を進むと、街は多くの人で溢れかえっている。
至る所に出店があり、歌を歌っている人、楽器を鳴らしている人、その周りでくるくると踊っている人、街中とても賑やかだ。
「…祭りか?いいな、皆んなとても楽しそうだ。」
初めて目にする光景に心が躍る。
「ええ、年に数回行われる祭りです。」
馬車の中から食い入るように見つめていると、多くの人が仮面を付けているのが分かる。
「なんで仮面を?」
「祭りの間は身分関係なく、自由に楽しめるからです。多くの貴族たちが仮面をつけて紛れ込んでいます。」
「へえ……そうなのか。」
「行ってみましょうか?」
「え!?いいのか!?」
「構いませんよ。ノア様ならきっとそう仰ると思っていました。この仮面を付けて下さい。」
目元だけが隠れるように作られた仮面を二人で身につけると、なんだかワクワクして自然と笑みが込みあげる。
「あ、マントを被らないと。マントもあるか?」
「いいえ、必要ありません。そのままで構いませんよ。」
「…でも、」
停めさせた馬車から、恐る恐る外に出る。
黒髪が目立ちはしないだろうか。
マホを襲ったような奴らに目をつけられないだろうか。
ワクワクする気持ちとは裏腹に、少しだけ躊躇していると、ユリウスは手を取って寄り添ってくれた。
「心配ですか?」
「だって、この髪色は目立つんだろう?」
「…大丈夫です。さあ顔を上げて、ノア様は堂々としていれば良いのです。」
行き交う人々の群れの中で立ちすくむと、はっとした。
何人もの黒髪の人々がいたからだ。
「…珍しいんじゃ、ないのか?」
「ここのところ、髪色を黒く染めるのが流行しています。もって二、三日です。数年前に狼に乗った黒髪の女神が現れてから、人気を博しております。」
狼…
黒髪の女神…?
どこかで聞いたような話しだ。
「やはり本物の美しさには敵いません。だいぶ伸びましたね、ノア様。」
鎖骨あたりまで伸びた髪をユリウスの手に掬い上げられると、急に気恥ずかしさが込み上げ、視線を逸らしてしまう。
「どうされました?今になって、後悔が込み上げて来ましたか?」
ぶんぶんと首を横に振って否定する。
「…ユリウスが、」
「わたしが?」
「なんか変わったから。前と違うし、その、なんていうか…」
「…?」
「恥ずかしいんだよ。ユリウスに見つめられたり、触れられたりすると。」
「嫌ですか?」
「嫌とかじゃなくて、その…」
ぐいっと顎を引かれ、半ば強引に目を合わせられると、身体の奥底からじわりと熱が込み上げた。
最近感じていた熱っぽさなんて比じゃないぐらいの熱量だ。
「公の場であのような発言をされていたのに。ノア様はまだ、どのように子を成すのか、きっとご存知ないのでしょうね。」
なんのことかと首を傾げると、ユリウスはまた声を出して笑った。
ずっと見たかった、ユリウスの本当の笑顔だ。
「ゆっくりとノア様の心が決まるまで、それからで良いのです。ですが、これぐらいはお許しください。」
きょとんとしたままの俺に、人混みの雑踏に紛れて、ユリウスからそっと軽く、優しい口付けが落とされた。
244
あなたにおすすめの小説
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
婚約破棄された公爵令嬢アンジェはスキルひきこもりで、ざまあする!BLミッションをクリアするまで出られない空間で王子と側近のBL生活が始まる!
山田 バルス
BL
婚約破棄とスキル「ひきこもり」―二人だけの世界・BLバージョン!?
春の陽光の中、ベル=ナドッテ魔術学院の卒業式は華やかに幕を開けた。だが祝福の拍手を突き破るように、第二王子アーノルド=トロンハイムの声が講堂に響く。
「アンジェ=オスロベルゲン公爵令嬢。お前との婚約を破棄する!」
ざわめく生徒たち。銀髪の令嬢アンジェが静かに問い返す。
「理由を、うかがっても?」
「お前のスキルが“ひきこもり”だからだ! 怠け者の能力など王妃にはふさわしくない!」
隣で男爵令嬢アルタが嬉しげに王子の腕に絡みつき、挑発するように笑った。
「ひきこもりなんて、みっともないスキルですわね」
その一言に、アンジェの瞳が凛と光る。
「“ひきこもり”は、かつて帝国を滅ぼした力。あなたが望むなら……体験していただきましょう」
彼女が手を掲げた瞬間、白光が弾け――王子と宰相家の青年モルデ=リレハンメルの姿が消えた。
◇ ◇ ◇
目を開けた二人の前に広がっていたのは、真っ白な円形の部屋。ベッドが一つ、机が二つ。壁のモニターには、奇妙な文字が浮かんでいた。
『スキル《ひきこもり》へようこそ。二人だけの世界――BLバージョン♡』
「……は?」「……え?」
凍りつく二人。ドアはどこにも通じず、完全な密室。やがてモニターが再び光る。
『第一ミッション:以下のセリフを言ってキスをしてください。
アーノルド「モルデ、お前を愛している」
モルデ「ボクもお慕いしています」』
「き、キス!?」「アンジェ、正気か!?」
空腹を感じ始めた二人に、さらに追い打ち。
『成功すれば豪華ディナーをプレゼント♡』
ステーキとワインの映像に喉を鳴らし、ついに王子が観念する。
「……モルデ、お前を……愛している」
「……ボクも、アーノルド王子をお慕いしています」
顔を寄せた瞬間――ピコンッ!
『ミッション達成♡ おめでとうございます!』
テーブルに豪華な料理が現れるが、二人は真っ赤になったまま沈黙。
「……なんか負けた気がする」「……同感です」
モニターの隅では、紅茶を片手に微笑むアンジェの姿が。
『スキル《ひきこもり》――強制的に二人きりの世界を生成。解除条件は全ミッション制覇♡』
王子は頭を抱えて叫ぶ。
「アンジェぇぇぇぇぇっ!!」
天井スピーカーから甘い声が響いた。
『次のミッション、準備中です♡』
こうして、トロンハイム王国史上もっとも恥ずかしい“ひきこもり事件”が幕を開けた――。
噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。
春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。
新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。
___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。
ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。
しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。
常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___
「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」
ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。
寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。
髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる