私はもう、あなたの所有物ではありません
「お前は地味で退屈、王家にとって何の役にも立たぬ女だ」
華やかな舞踏会の夜、伯爵令嬢リーゼは第二王子クラウスから衆目の前で婚約破棄を宣告された。王子の傍らで勝ち誇る愛人の男爵令嬢。実家からも見放され、リーゼに残された道は、北方辺境への追放同然の転居だけだった。
だが、彼女を招いたのは「氷の公爵」と恐れられるアルヴィン。無愛想で人嫌いと噂される彼は、七年前からリーゼに秘められた力──歴代最高クラスの聖女の資質に気づいていた唯一の人間だった。
「よく来た。──ずっと、待っていた」
厳しくも美しい北の大地で、リーゼは自分の本当の力に目覚めていく。温かい領民たち、不器用だけどまっすぐな公爵の想い。知らなかった「居場所」が、ここにあった。
一方、リーゼが去った王都では──結界が崩壊し、魔物が溢れ、国中が大混乱。
「聖女の代わりなら私が!」と名乗り出た王子の愛人は何の力もなく赤っ恥をさらし、追い詰められた王子は「戻ってこい」と命じてくる。
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