「お前との契約結婚は今日で終わりだ」と言った公爵が、離婚届の裏面を読んでいなかった件

「この契約結婚は終わりだ。愛人を正妻にする」——フェリクス公爵は離婚届を叩きつけた。
契約結婚の書面を起草したのはクラーラだ。三年前、持参金の代わりに「事業の全権」を譲渡する条項を第十七条に入れた。フェリクスは最後まで読まなかった。
「ご署名ありがとうございます。では第十七条に基づき、公爵領の鉱山経営権、港湾管理権、穀物取引権は本日をもって私に移転いたします」
前世で企業法務を十二年やった女が、異世界の貴族に「契約書は最後まで読め」を教える。
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