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1章 断罪回避
11 アナベルの処遇
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「……父上が生きていた頃、リリィがペンダントを使えるか試して、聖女に認定したんだって」
「うんうん、それで?」
「『国王が決定したことだから、すぐには覆せない』って。『議会でも審議したのに』って……」
「えっ、議会も?かなりしっかり審査するんだね」
その議会は、私をどうするつもりなのか。
そろそろ聞きたいけど、レオナルドの話はまだ止まらない。
「当然だよ……資質のない者がペンダントを使うと、精霊様が暴走するんだ」
「暴走?」
「うん……昔、騎士隊長が言ってた。コソ泥のせいで竜巻が出て、民家二十棟が崩壊したらしい」
「嘘っ、めちゃくちゃ危ないじゃない!」
私の背筋を冷や汗が伝う。
ゲーム通り、私が本物でよかった。
「だから、審査は厳正に行うんだけど……それを『間違いだったかもしれない』って、僕が指摘したら、議員たちが怒り出して……」
レオナルドは拳を握りしめ、声を絞り出した。
まだ顔色は戻っていない。
もう少し、気持ちを落ち着けてあげようか。
私は小さく咳払いをして、なるべく優しい声を作った。
「レオナルド……ごめん。『私が本物の聖女です』なんて、突然言われても困るよね」
「アナベル?」
「議員だってひどいよね。自分たちの間違いを認めないで、レオナルドに怒りをぶつけるなんて」
レオナルドは意外そうに瞬きをして、私を見つめてくる。
驚きもあってか、動揺は収まったらしい。
ソシャゲのトラブル回避方法が役立った。
学生時代、「ひとまず相手の気持ちを汲み取って」と教えてくれたギルドマスター、ありがとうございます。
「レオナルドは必死に頑張ってるのに。……私なんかが言っても、説得力はないだろうけど」
話しながら申し訳なくなってくる。
今までのアナベルは、彼をぞんざいに扱いすぎた。
晩餐会でレオナルドが馬鹿にされても、かばいもせずにリリィへ絡んでいた。
彼の婚約者として最低だ。
……胃が痛くなってきた。
思い出すのはやめよう。
これから支えてあげればいいんだ。
リリィもギデオンも、この国の全員まとめて助けよう。
私はレオナルドに向かって、一歩踏み出した。
勢い余って胸がぶつかりそうになる。
「ア、アナベル!近いって……」
やっぱり近かったか。
かといって、元の位置に戻るのも変な話だ。
このまま話を続けよう。
「でも、これからは私も頑張るから。私が魔物を一掃して、うるさい議員を黙らせてあげる。レオナルドやリリィも戦わなくて済むでしょ?」
私はレオナルドの手を取った。
この子も大変なんだよね。
八歳の時に母親が、十七歳で父親が魔物に殺された。
味方もほとんどいない中、一国の王になった。
そういえば、攻略対象の中で唯一泣き顔の立ち絵がなかったっけ。
我慢してるんだろうな……
かわいそうになって、思わず彼の手を握りしめる。
そこで、レオナルドの顔が赤いことに気付いた。
それにぼんやりしているような。
もしかして熱っぽいんだろうか。
顔が土気色だったのは、風邪の引き始めだったから?
それなら早く議会の決定を聞いて、休ませてあげないと。
「ところで、私の死刑は取り消せた?」
手を離して、レオナルドの頭をポンポンと叩いてみる。
彼はハッとして、すごい勢いで後ずさった。
「は、話すよ!話すから、そんなに簡単に触らないでくれ!」
彼は姿勢を正し、ゴホンと咳払いをした。
「処刑は……延期のままだ。でも、アナベルを試すことになった」
「試す?」
「ああ。君は、聖女のペンダントを奪おうとした大罪人だ。でも、本当に聖女なら処刑するのはまずい」
「そうだよ、まずいって。私を殺したら、魔王との戦いで騎士隊長の上半身がなくなるよ」
乙女ゲームのくせに、強烈な表現が山のように出てきた。
胸キュンだけを期待した人たちからは酷評されていた。
私は高難度のバトルも楽しかったから、全員のハッピーエンドを見たけど。
メンタルは辛かったけど、頑張った。
大変だったよ、本当に。
しみじみしているうちに、レオナルドの顔が引きつっていく。
そうだ、彼にとってはゲームじゃないんだ。
「ごめん、ごめん。怖がらせて。でも今は大丈夫!本物の聖女がここにいるからね」
「だからそれを確かめるんだよ……まずは二週間後、リリィの精霊集めに同行してもらう。そこで、君の資質を見ることになった」
「精霊集めで、私の資質を?」
心の中でガッツポーズを取った。
精霊が私に懐くところを見せられる。
聖女の力を示す大チャンスだ。
「次に会うのは地の精霊だよね」
「なんで知ってるんだ⁉︎」
レオナルドが叫んだ直後、ドアがノックされた。
「はい、どうぞー」
私が声をかけると、剣士姿の男性が入ってきた。
一瞬誰かと思ったけど、美しすぎる顔のおかげですぐ特定できた。
「あれ?イザークさん……なんでここに?」
「うんうん、それで?」
「『国王が決定したことだから、すぐには覆せない』って。『議会でも審議したのに』って……」
「えっ、議会も?かなりしっかり審査するんだね」
その議会は、私をどうするつもりなのか。
そろそろ聞きたいけど、レオナルドの話はまだ止まらない。
「当然だよ……資質のない者がペンダントを使うと、精霊様が暴走するんだ」
「暴走?」
「うん……昔、騎士隊長が言ってた。コソ泥のせいで竜巻が出て、民家二十棟が崩壊したらしい」
「嘘っ、めちゃくちゃ危ないじゃない!」
私の背筋を冷や汗が伝う。
ゲーム通り、私が本物でよかった。
「だから、審査は厳正に行うんだけど……それを『間違いだったかもしれない』って、僕が指摘したら、議員たちが怒り出して……」
レオナルドは拳を握りしめ、声を絞り出した。
まだ顔色は戻っていない。
もう少し、気持ちを落ち着けてあげようか。
私は小さく咳払いをして、なるべく優しい声を作った。
「レオナルド……ごめん。『私が本物の聖女です』なんて、突然言われても困るよね」
「アナベル?」
「議員だってひどいよね。自分たちの間違いを認めないで、レオナルドに怒りをぶつけるなんて」
レオナルドは意外そうに瞬きをして、私を見つめてくる。
驚きもあってか、動揺は収まったらしい。
ソシャゲのトラブル回避方法が役立った。
学生時代、「ひとまず相手の気持ちを汲み取って」と教えてくれたギルドマスター、ありがとうございます。
「レオナルドは必死に頑張ってるのに。……私なんかが言っても、説得力はないだろうけど」
話しながら申し訳なくなってくる。
今までのアナベルは、彼をぞんざいに扱いすぎた。
晩餐会でレオナルドが馬鹿にされても、かばいもせずにリリィへ絡んでいた。
彼の婚約者として最低だ。
……胃が痛くなってきた。
思い出すのはやめよう。
これから支えてあげればいいんだ。
リリィもギデオンも、この国の全員まとめて助けよう。
私はレオナルドに向かって、一歩踏み出した。
勢い余って胸がぶつかりそうになる。
「ア、アナベル!近いって……」
やっぱり近かったか。
かといって、元の位置に戻るのも変な話だ。
このまま話を続けよう。
「でも、これからは私も頑張るから。私が魔物を一掃して、うるさい議員を黙らせてあげる。レオナルドやリリィも戦わなくて済むでしょ?」
私はレオナルドの手を取った。
この子も大変なんだよね。
八歳の時に母親が、十七歳で父親が魔物に殺された。
味方もほとんどいない中、一国の王になった。
そういえば、攻略対象の中で唯一泣き顔の立ち絵がなかったっけ。
我慢してるんだろうな……
かわいそうになって、思わず彼の手を握りしめる。
そこで、レオナルドの顔が赤いことに気付いた。
それにぼんやりしているような。
もしかして熱っぽいんだろうか。
顔が土気色だったのは、風邪の引き始めだったから?
それなら早く議会の決定を聞いて、休ませてあげないと。
「ところで、私の死刑は取り消せた?」
手を離して、レオナルドの頭をポンポンと叩いてみる。
彼はハッとして、すごい勢いで後ずさった。
「は、話すよ!話すから、そんなに簡単に触らないでくれ!」
彼は姿勢を正し、ゴホンと咳払いをした。
「処刑は……延期のままだ。でも、アナベルを試すことになった」
「試す?」
「ああ。君は、聖女のペンダントを奪おうとした大罪人だ。でも、本当に聖女なら処刑するのはまずい」
「そうだよ、まずいって。私を殺したら、魔王との戦いで騎士隊長の上半身がなくなるよ」
乙女ゲームのくせに、強烈な表現が山のように出てきた。
胸キュンだけを期待した人たちからは酷評されていた。
私は高難度のバトルも楽しかったから、全員のハッピーエンドを見たけど。
メンタルは辛かったけど、頑張った。
大変だったよ、本当に。
しみじみしているうちに、レオナルドの顔が引きつっていく。
そうだ、彼にとってはゲームじゃないんだ。
「ごめん、ごめん。怖がらせて。でも今は大丈夫!本物の聖女がここにいるからね」
「だからそれを確かめるんだよ……まずは二週間後、リリィの精霊集めに同行してもらう。そこで、君の資質を見ることになった」
「精霊集めで、私の資質を?」
心の中でガッツポーズを取った。
精霊が私に懐くところを見せられる。
聖女の力を示す大チャンスだ。
「次に会うのは地の精霊だよね」
「なんで知ってるんだ⁉︎」
レオナルドが叫んだ直後、ドアがノックされた。
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