君のうた、海に響く
和泉式部を偏愛する宮原がある日託したのは、クラスメイト・中谷葉月への分厚い資料と一首の和歌、そして「訳してほしい」という奇妙な依頼だった。
やがて鳴海は、言葉の行間に潜む千年前の想いに触れ、和歌を通して誰かを深く知る喜びを知っていく。潮が引くほどの涙とは? 鳴海と中谷はそれぞれに答えを探し始める──。
恋とは、祈りとは、言葉とは。
重なり合う「うた」と「和歌」が、まだ見ぬ未来へ静かに響いていく、春の季節の青春小説。
拝読いたしました!
和泉式部の和歌をめぐって進んでいく青春ストーリーが、とても美しかったです。
文体や描写も綺麗で、鳴神くんの心情表現が痛いほど伝わってきました。
「好きを好きと認められない」
「周りから落胆されるのが怖い」
そうした気持ちは誰しもが経験するものだと思います。だからこそ、鳴神くんが一歩を踏み出した成長は、とても心に残りました。
特に、鳴神くんの背中を不器用ながらも後押ししてくれた宮原先生が大好きです。無気力そうに見えて、実はしっかり生徒に向き合ってくれる。こんな先生のもとで学校生活を送りたかったなと思いました。
素敵な物語を読ませていただき、ありがとうございました!
タイトルも文章もテーマも好みの素敵な作品で、こちらで出会えて良かったです
YAも児童文学もわりと読んでる方だと思うのですが、ここまで好みにぴたっとはまるのもなかなかないのでコメントさせてもらいました
言葉足らずですみません。作家活動、応援しています!
穏やかな青春物語ですね
とても面白いなと思うのは、実のところ、最後まで答え合わせがなされないところです。
彼からは彼らなりに、「先生はこういう意図ではないか」「つまり、答えはこうなのではないか」と考えます。
ですが、実際それが当たっているのかは、不明なところのまま。先生がわざわざこのようにした意図も不明です。
ですが、だからこそ、2人の間でだけ共有された答えで繋がっている構造は、美しく思います。
答え合わせがされてしまえば、2人だけのものではなくなってしまうからですね。
今の季節にあった海を見たくなる物語でした。さざ波に耳を傾けながら、一首、詠んでみたいものです。
拝読しました。
後味のよい終わり方で、深い歌を楽しめた時のような余韻と余白を残してくれました。
しばらく波間を漂うような読後感の中、奏多くんの青春がこれからのように、明るい明日を夢みてみたくなります。
一つの歌に込められた言葉の多重奏。
その音をそれぞれが聴いて、感じ、新たな解釈に辿り着いていく過程がとても青春してて素敵でした。
素敵な物語をありがと御座いました。
今後も陰ながら応援させて頂けたらと存じます。