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第5話 回想 ディオンとの出会い(4)完全版
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「おはよう。その様子なら、もう大丈夫なようだね」
「…………え? あれ……? わたしはどうして、お姫様抱っこをされて――ぁっ! すっ、すみませんっ!! 先ほどはありがとうございました……!!」
意識が鮮明になるや慌てて降り、深々と頭を下げました。
覚醒した途端に、全部思い出しましたっ。私は横切った人が原因でパニックに陥って、この方に助けられたということを。
「わっ、私は隣国『ラング』に属するエリナス伯爵家の長女、クリステルと申しますっ。貴方様が居てくださらなければ、きっとこうしてはいられませんでした。心から感謝いたします……っ」
「どういたしまして。だけど、困っている人を助けるのは当然のことだよね? 俺は当たり前の事をしただけだから、これ以上のお礼は不要だよ」
彼は爽やかに口元を緩めてくれて、それが済むと一歩下がって一礼。お手本のような礼を行い、お返しに自己紹介をしてくださった。
「俺はこの国に属するライフェルン伯爵家の長男、ディオンと申します。年齢は貴方と同じ、17歳だよ」
なんとあれから、1時間近くも眠ってしまっていた。しかも私は、ディオンさんのお洋服を掴んだまま離さなかったらしくって……。
そのためお父様がパニックの経緯を説明し、その際に私の事を把握されたそうです。
「ディオン殿は予定より早く職務が済み、息抜きとしてココにいらっしゃられていたんだよ。我々は、本当に運が良かった」
「お父様の仰る通りです。この場所の名前通りのことが、起きました」
ベルラトの畑。これはベルランコントルからきていて、これは『素敵な出会い』を表す言葉。この出来事はまさに、それでした。
「そう言ってもらえて、光栄だよ。到着してみたら黒山があって、駆け付けたら危ない状態だった。間に合ってよかったよ」
ディオン様は振り返って一度頷き、それが終わると――。傍にいらっしゃった従者の方が、「お時間です」と仰った。
「ライフェルン卿、クリステル様、俺はそろそろ失礼します。国境付近は天候が悪くなる予報が出ていますので、お気をつけてお帰りください」
「何から何まで、ありがとございました。ディオン殿も、どうぞお気をつけて」
「あっ、ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
そうして私達は改めてお辞儀をしてお見送りをして、その直後でした。
「あの、ディオン様っ!」
そんな、私の声が――。自分でもビックリしてしまう、無意識的に出た私の声が響いたのでした。
皆様。昨日(さくじつ)は、本当に申し訳ございませんでした。
一日休ませていただいたおかげで、まだ熱はあるものの、体調はよくなってきておりまして。明日はほぼ間違いなく、いつも通りの時間に、1話分しっかりと投稿をさせていただきます。
「…………え? あれ……? わたしはどうして、お姫様抱っこをされて――ぁっ! すっ、すみませんっ!! 先ほどはありがとうございました……!!」
意識が鮮明になるや慌てて降り、深々と頭を下げました。
覚醒した途端に、全部思い出しましたっ。私は横切った人が原因でパニックに陥って、この方に助けられたということを。
「わっ、私は隣国『ラング』に属するエリナス伯爵家の長女、クリステルと申しますっ。貴方様が居てくださらなければ、きっとこうしてはいられませんでした。心から感謝いたします……っ」
「どういたしまして。だけど、困っている人を助けるのは当然のことだよね? 俺は当たり前の事をしただけだから、これ以上のお礼は不要だよ」
彼は爽やかに口元を緩めてくれて、それが済むと一歩下がって一礼。お手本のような礼を行い、お返しに自己紹介をしてくださった。
「俺はこの国に属するライフェルン伯爵家の長男、ディオンと申します。年齢は貴方と同じ、17歳だよ」
なんとあれから、1時間近くも眠ってしまっていた。しかも私は、ディオンさんのお洋服を掴んだまま離さなかったらしくって……。
そのためお父様がパニックの経緯を説明し、その際に私の事を把握されたそうです。
「ディオン殿は予定より早く職務が済み、息抜きとしてココにいらっしゃられていたんだよ。我々は、本当に運が良かった」
「お父様の仰る通りです。この場所の名前通りのことが、起きました」
ベルラトの畑。これはベルランコントルからきていて、これは『素敵な出会い』を表す言葉。この出来事はまさに、それでした。
「そう言ってもらえて、光栄だよ。到着してみたら黒山があって、駆け付けたら危ない状態だった。間に合ってよかったよ」
ディオン様は振り返って一度頷き、それが終わると――。傍にいらっしゃった従者の方が、「お時間です」と仰った。
「ライフェルン卿、クリステル様、俺はそろそろ失礼します。国境付近は天候が悪くなる予報が出ていますので、お気をつけてお帰りください」
「何から何まで、ありがとございました。ディオン殿も、どうぞお気をつけて」
「あっ、ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
そうして私達は改めてお辞儀をしてお見送りをして、その直後でした。
「あの、ディオン様っ!」
そんな、私の声が――。自分でもビックリしてしまう、無意識的に出た私の声が響いたのでした。
皆様。昨日(さくじつ)は、本当に申し訳ございませんでした。
一日休ませていただいたおかげで、まだ熱はあるものの、体調はよくなってきておりまして。明日はほぼ間違いなく、いつも通りの時間に、1話分しっかりと投稿をさせていただきます。
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