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74.出奔
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『もう会えない』とエドにこっ酷く振られてから一ヶ月が経った。
落ち込んで仕事が手につかないのがこの場合正解かも知れないが、私はそうはならなかった。だって落ち込んでいるだけでは何も解決しない。前に進むのが大切なんだ。
いつも以上に元気よく働き、今まで関わり合いがなかった部署にも顔を出して色々な人と楽しく交流し、よく笑い御飯も残さず食べた。
その様は王宮一元気な人だと胸を張って言える。
我ながら健気よね、…ぐっすん。
周りからも『アンちゃん張り切っているな。ほらこれ食べな、ご褒美だよ』となぜか行く先々でみんなからお菓子を貰っていた。別にお菓子欲しさに色々な場所に顔を出していたわけではなかったけど美味しいお菓子に罪はない。
毎回有り難くパクパクといただいていた。
うん、美味しい!
でも、お菓子狙いじゃないって今度言っておこう。 これじゃ、ただの食いしん坊だと思われている気がする。
…でもやっぱり言うのはやめようかな…。
べ、別に食べたい訳じゃないけどね。
毎日元気に働き、時々真剣に悩む。本当に充実した日々を過ごしている私は、初恋の人に振られた乙女にはみえないはずだ。
だが一部の人達からはその元気過ぎる様子がカラ元気のように見えていたらしくかなり心配をされてしまった。
「つ‥、アン。どうしたのですか?最近よく働いてくれますが、少し働き過ぎというか…。
なんかあったのですか、…その誰かと仲違いでも?
困った事があったら話を聞きますから一人で抱え込んで頑張り過ぎないようにしなさい」
侍女長様は相変わらず優しかった。下っ端の私を常に気に掛け、母のように接してくれる。本当に理想的な上司だ、これで毎回名前を呼び間違えなければ完璧なのだろう。
まあ、好物と私の名を間違えるとこが可愛いんだけどね。
今度実家に帰ったら有名なつぶあんのお菓子をお土産に買ってきてあげよう。
特に相談したいことはなかったので、『はい、大丈夫です!』と元気にしていると侍女長は少しがっかりしたような顔をしてから『いつでも頼ってくださいね』と言ってから去っていった。
大丈夫、すべて順調にいっている。あと少しだ、だから頑張らなくては…。
うん、頑張ろう。
でもあと少しのところで進まないんだよな…。
うーん、どうしたらいいかな?
一人になって寮の部屋で頭を抱えながら考えているとふと田舎の父との約束を思い出した。
『困ったことがあったら一人で我慢せずに家族を頼ること』
そうだ、これってまさに今だよね…。
よし、家に帰ってみよう。善は急げだ!
本当は侍女長様に直接許可を取って有給休暇を取るべきだが今は夜だからそれをするのは明日の朝以降になってしまう。
でも明日の朝一の乗り合い馬車に乗って家族の元に向かいたい。
どうしようかと一瞬迷ったが、時間が惜しいので寮に置手紙を残して朝一の乗合馬車に乗ることに決めた。
『侍女長様へ 一身上の都合により実家に帰らせていただきます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんがよろしくお願い致します。 アンより』
これで良し!
ちょっと有給休暇を貰いますね。
必要最低限のことだけを書いて手紙を机に置き急いで荷物を纏める。そしてまだ早朝の暗いうちに一人で王宮にある寮からみなの眠りを妨げないようにこっそりと出て行った。
まさかこれが有給休暇と扱われないとは夢にも思わず、足取り軽く実家へと向かったのである。
落ち込んで仕事が手につかないのがこの場合正解かも知れないが、私はそうはならなかった。だって落ち込んでいるだけでは何も解決しない。前に進むのが大切なんだ。
いつも以上に元気よく働き、今まで関わり合いがなかった部署にも顔を出して色々な人と楽しく交流し、よく笑い御飯も残さず食べた。
その様は王宮一元気な人だと胸を張って言える。
我ながら健気よね、…ぐっすん。
周りからも『アンちゃん張り切っているな。ほらこれ食べな、ご褒美だよ』となぜか行く先々でみんなからお菓子を貰っていた。別にお菓子欲しさに色々な場所に顔を出していたわけではなかったけど美味しいお菓子に罪はない。
毎回有り難くパクパクといただいていた。
うん、美味しい!
でも、お菓子狙いじゃないって今度言っておこう。 これじゃ、ただの食いしん坊だと思われている気がする。
…でもやっぱり言うのはやめようかな…。
べ、別に食べたい訳じゃないけどね。
毎日元気に働き、時々真剣に悩む。本当に充実した日々を過ごしている私は、初恋の人に振られた乙女にはみえないはずだ。
だが一部の人達からはその元気過ぎる様子がカラ元気のように見えていたらしくかなり心配をされてしまった。
「つ‥、アン。どうしたのですか?最近よく働いてくれますが、少し働き過ぎというか…。
なんかあったのですか、…その誰かと仲違いでも?
困った事があったら話を聞きますから一人で抱え込んで頑張り過ぎないようにしなさい」
侍女長様は相変わらず優しかった。下っ端の私を常に気に掛け、母のように接してくれる。本当に理想的な上司だ、これで毎回名前を呼び間違えなければ完璧なのだろう。
まあ、好物と私の名を間違えるとこが可愛いんだけどね。
今度実家に帰ったら有名なつぶあんのお菓子をお土産に買ってきてあげよう。
特に相談したいことはなかったので、『はい、大丈夫です!』と元気にしていると侍女長は少しがっかりしたような顔をしてから『いつでも頼ってくださいね』と言ってから去っていった。
大丈夫、すべて順調にいっている。あと少しだ、だから頑張らなくては…。
うん、頑張ろう。
でもあと少しのところで進まないんだよな…。
うーん、どうしたらいいかな?
一人になって寮の部屋で頭を抱えながら考えているとふと田舎の父との約束を思い出した。
『困ったことがあったら一人で我慢せずに家族を頼ること』
そうだ、これってまさに今だよね…。
よし、家に帰ってみよう。善は急げだ!
本当は侍女長様に直接許可を取って有給休暇を取るべきだが今は夜だからそれをするのは明日の朝以降になってしまう。
でも明日の朝一の乗り合い馬車に乗って家族の元に向かいたい。
どうしようかと一瞬迷ったが、時間が惜しいので寮に置手紙を残して朝一の乗合馬車に乗ることに決めた。
『侍女長様へ 一身上の都合により実家に帰らせていただきます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんがよろしくお願い致します。 アンより』
これで良し!
ちょっと有給休暇を貰いますね。
必要最低限のことだけを書いて手紙を机に置き急いで荷物を纏める。そしてまだ早朝の暗いうちに一人で王宮にある寮からみなの眠りを妨げないようにこっそりと出て行った。
まさかこれが有給休暇と扱われないとは夢にも思わず、足取り軽く実家へと向かったのである。
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