死亡予定者リストに娘の名前があったので、俺は世界を書き換えることにした

給料が減った。


家族には言えなかった。


だから俺は、深夜のデータ入力バイトを始めた。


仕事内容は、送られてくる名前や数字を入力するだけ。


在宅可。

未経験歓迎。

高報酬。


怪しいとは思った。


けれど、住宅ローンも、子供の習い事も、妻がスーパーで黙って棚に戻した牛肉も、俺には見なかったことにできなかった。

ある夜、入力画面に奇妙な項目が現れる。

【死亡予定時刻】


【死亡原因】


【修正可否】

悪趣味な冗談だと思った。


だが、リストに載っていた人間が、翌朝のニュースで本当に死んだ。

そして数日後。


俺は、死亡予定者リストの中に娘の名前を見つける。

【佐藤美月 十歳】


【死亡予定時刻:明日十五時四十二分】


【死亡原因:第七級異界災害による巻き込み】


【修正可否:条件付き可】

俺は英雄じゃない。


世界を救いたいわけでもない。


ただ、娘の名前を死亡欄から消したかっただけだ。

これは、会社で無能扱いされていた四十二歳の社畜が、深夜バイトで手に入れた《修正入力》の力で、死亡予定者リストを書き換えていく物語。

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