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12.変化
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空は雲ひとつない快晴で、気持ちの良い風が街道を吹き抜ける。木々の緑も民家の赤いレンガ屋根も真っ青な空も、昨日の大雨に洗われたように真新しくピカピカに光って見えた。
景色に魅入っていると、宿の馬屋から馬を引き取ってきたクレイドが戻ってきた。
「さあリオン様、乗ってください」
先に馬に跨ったクレイドが手を差し伸べてくれる。その手を掴むと、クレイドがもう片方の手をするっとリオンの腰に回した。
まるで壊れ物を扱うような優しい手つきで抱え上げられ、そっとクレイドの前に跨がされる。
(――えっ)
リオンは驚きに目を見張った。
昨日までは馬に乗るときは手を引っ張ってもらうくらいで、こんなに丁寧に腰を支えられたり抱き上げられたりしなかったはずだ。
(なんか、クレイド、優しい――?)
それまでのクレイドが優しくなかったわけでは決してないが、今日のクレイドはまるで淑女をエスコートするかのような丁寧さだ。
そういえば今朝の朝食のときも、皿に取り分けてくれたりコップに水を注いでくれたり、すごく優しかったような気がする。気のせいかと思ったけど、気のせいじゃないかもしれない。
驚きに目をぱちぱちさせながら後ろを振り向くと、クレイドと目が合った。
「どうかしましたか?」
少し首を傾げ目を細めながら聞かれ、リオンは慌てて「なっ、なんでもない!」と前に向きなおった。
「そうですか?……変なリオン様ですね」
クレイドは小さく笑って言った。その声色の優しさにまた動揺してしまう。
(え? え? 何? なんか変だよ――)
クレイドの声が、砂糖をまぶしたように甘く感じてしまうのはどうしてだろう。背中から伝わるクレイドの鼓動が、昨日よりもほんの少し早いように感じるのは――?
「出発してもよろしいですか?」
「あぅ、う、うんっ、お願い、します」
どきどきしすぎて声が裏返ってしまった。羞恥で縮こまるように身体を固くしていると、するっと肩を撫でられる。
「ほら、そんなに身を固くしていると落ちてしまいますよ? もっとリラックスして私に寄りかかって?」
「は、は、はい……っ」
こんな会話のやりとりも昨日とまったく同じなのに、クレイドが昨日とは全く違う人のように感じて緊張してしまう。
鞍の縁を掴む手が一気に汗ばんできて、リオンは何度も手のひらを自分のズボンで拭った。
どうしてクレイドはこんなに優しいのだろう。やっぱり自分の気持ちがバレているのだろうか。でも……だったらクレイドのこの態度はどういうことだろう?
(もしかしてクレイドも僕のことを……? いやいや、そんなわけないでしょう!)
リオンが困惑しつつ胸を高鳴らせている間も馬は快調に進み、やがて昨日通った一面の麦畑に差し掛かった。ここまで来れば王宮はもう目と鼻の先だ。
どきどきしすぎて心臓が壊れたらどうしよう――などと本気で考えていたけど、終わってしまうと思うと寂しい。そんなことを考えていると、ふいに馬が止まった。
リオンが驚いて背後を振り返ると、クレイドは驚いた顔でじっと麦畑を見つめている。
「クレイド……? どうかしたの?」
「いえ……。昨日もここを通りましたが、一日でこんなに色が変わったのかと驚いてしまいまして……」
「麦畑のこと?」
「ええ……」
リオンも風で揺れる麦を見つめた。確かに昨日よりも少し黄色みが強くなっているような気がするが、それほどの変化でもないように思える。クレイドの目にはどう見えているのだろう。そう思ったら面白くなってきた。
「ふふ、クレイドってば、自分で『麦は日ごとに色を変えて、明日には違う色になる』って言ってたじゃない」
くすくすと笑いながらそう言うと、クレイドがこちらに視線を向けた。
目が合い、そして視線が絡み合う。
(あ……)
リオンは静かな驚きで身動きができなかった。まるで磁力で引き寄せられるように、じっと見つめてくるクレイドの灰色の瞳から目が離せないのだ。
クレイドは食い入るような強いまなざしで見つめながら、右手でそっとリオンの頬に触れた。
「リオン様、私は――」
息が漏れるような掠れ声で呟き、クレイドは切なそうに目を細める。
節だった男らしい指に頬や耳のあたりを優しく擦られ、リオンは息を詰めた。まるで恋人か想い人にするような甘い仕草に、信じられないほどに気持ちが高揚する。
(嬉しい……クレイドに触ってもらうの気持ちいい……)
あまりの心地良さに身体が震えたとき、クレイドが慌てたように手を引いた。
「すみません」
「え……?」
リオンもはっと我に返った。かあっと体温が上がり、汗が噴き出してきた。
いつもと様子の違うクレイドに釣られて変な気分になり、すごく間抜けな顔を晒してしまった気がする。
(どうしよう……。変な顔してるってクレイドに引かれたかな……)
恥ずかしいやら心配やらでクレイドの顔を伺うと、驚くことに彼の表情は一変していた。険しく固い顔で唇を噛みしめている。
(え? クレイドどうしたの……?)
さっきまでのどこか甘い雰囲気は霧消し、クレイドの纏う空気は澱んだように重い。
訳が分からずリオンはうろたえていると、クレイドがポツリと言った。
「きっと王宮ではオースティンが待っています。帰りましょう」
(あ……)
オースティンという名前を聞いた途端、急に現実が戻ってきた。『夢の時間は終わった』とでも言われたような気分になる。
そうか……、とリオンはようやく思い至った。今までのクレイドの様子が変だったのは、きっと旅の解放感に浮かれていただけだ。旅の一時の魔法のようなものだろう。
そう理解してしまうと、ひとりで馬鹿みたいに心を乱していた自分が恥ずかしくなってきた。(もしかしてクレイドも自分のことを――)なんて少しでも思ってしまった自分が馬鹿みたいだ。
虚しい気持ちでリオンはうつむき、言葉を絞り出した。
「うん、そうだね。帰らないといけないよね」
リオンの言葉にクレイドは黙り込んだ。
重い雰囲気のまま馬は石畳の街道を粛々と進み、やがて王都の中心にたどり着く。
その異変に気が付いたのは王城の門に近づいたときだった。門のあたりを慌ただしく騎士たちや馬が行き交っている。
「何だ?」
クレイドが小さな声で呟き、リオンも眉を寄せた。もしかして何かあったのだろうか。嫌な予感がする。
「クレイド隊長!」
クレイドの姿を見つけた第一騎士団の騎士が駆け寄ってきた。
「どうした? 何があったんだ?」
「ヴァルハルトとの国境沿いに詰めていた小部隊が、負傷して帰ってきたんです!」
「何……?」
クレイドの顔色が変わった。
景色に魅入っていると、宿の馬屋から馬を引き取ってきたクレイドが戻ってきた。
「さあリオン様、乗ってください」
先に馬に跨ったクレイドが手を差し伸べてくれる。その手を掴むと、クレイドがもう片方の手をするっとリオンの腰に回した。
まるで壊れ物を扱うような優しい手つきで抱え上げられ、そっとクレイドの前に跨がされる。
(――えっ)
リオンは驚きに目を見張った。
昨日までは馬に乗るときは手を引っ張ってもらうくらいで、こんなに丁寧に腰を支えられたり抱き上げられたりしなかったはずだ。
(なんか、クレイド、優しい――?)
それまでのクレイドが優しくなかったわけでは決してないが、今日のクレイドはまるで淑女をエスコートするかのような丁寧さだ。
そういえば今朝の朝食のときも、皿に取り分けてくれたりコップに水を注いでくれたり、すごく優しかったような気がする。気のせいかと思ったけど、気のせいじゃないかもしれない。
驚きに目をぱちぱちさせながら後ろを振り向くと、クレイドと目が合った。
「どうかしましたか?」
少し首を傾げ目を細めながら聞かれ、リオンは慌てて「なっ、なんでもない!」と前に向きなおった。
「そうですか?……変なリオン様ですね」
クレイドは小さく笑って言った。その声色の優しさにまた動揺してしまう。
(え? え? 何? なんか変だよ――)
クレイドの声が、砂糖をまぶしたように甘く感じてしまうのはどうしてだろう。背中から伝わるクレイドの鼓動が、昨日よりもほんの少し早いように感じるのは――?
「出発してもよろしいですか?」
「あぅ、う、うんっ、お願い、します」
どきどきしすぎて声が裏返ってしまった。羞恥で縮こまるように身体を固くしていると、するっと肩を撫でられる。
「ほら、そんなに身を固くしていると落ちてしまいますよ? もっとリラックスして私に寄りかかって?」
「は、は、はい……っ」
こんな会話のやりとりも昨日とまったく同じなのに、クレイドが昨日とは全く違う人のように感じて緊張してしまう。
鞍の縁を掴む手が一気に汗ばんできて、リオンは何度も手のひらを自分のズボンで拭った。
どうしてクレイドはこんなに優しいのだろう。やっぱり自分の気持ちがバレているのだろうか。でも……だったらクレイドのこの態度はどういうことだろう?
(もしかしてクレイドも僕のことを……? いやいや、そんなわけないでしょう!)
リオンが困惑しつつ胸を高鳴らせている間も馬は快調に進み、やがて昨日通った一面の麦畑に差し掛かった。ここまで来れば王宮はもう目と鼻の先だ。
どきどきしすぎて心臓が壊れたらどうしよう――などと本気で考えていたけど、終わってしまうと思うと寂しい。そんなことを考えていると、ふいに馬が止まった。
リオンが驚いて背後を振り返ると、クレイドは驚いた顔でじっと麦畑を見つめている。
「クレイド……? どうかしたの?」
「いえ……。昨日もここを通りましたが、一日でこんなに色が変わったのかと驚いてしまいまして……」
「麦畑のこと?」
「ええ……」
リオンも風で揺れる麦を見つめた。確かに昨日よりも少し黄色みが強くなっているような気がするが、それほどの変化でもないように思える。クレイドの目にはどう見えているのだろう。そう思ったら面白くなってきた。
「ふふ、クレイドってば、自分で『麦は日ごとに色を変えて、明日には違う色になる』って言ってたじゃない」
くすくすと笑いながらそう言うと、クレイドがこちらに視線を向けた。
目が合い、そして視線が絡み合う。
(あ……)
リオンは静かな驚きで身動きができなかった。まるで磁力で引き寄せられるように、じっと見つめてくるクレイドの灰色の瞳から目が離せないのだ。
クレイドは食い入るような強いまなざしで見つめながら、右手でそっとリオンの頬に触れた。
「リオン様、私は――」
息が漏れるような掠れ声で呟き、クレイドは切なそうに目を細める。
節だった男らしい指に頬や耳のあたりを優しく擦られ、リオンは息を詰めた。まるで恋人か想い人にするような甘い仕草に、信じられないほどに気持ちが高揚する。
(嬉しい……クレイドに触ってもらうの気持ちいい……)
あまりの心地良さに身体が震えたとき、クレイドが慌てたように手を引いた。
「すみません」
「え……?」
リオンもはっと我に返った。かあっと体温が上がり、汗が噴き出してきた。
いつもと様子の違うクレイドに釣られて変な気分になり、すごく間抜けな顔を晒してしまった気がする。
(どうしよう……。変な顔してるってクレイドに引かれたかな……)
恥ずかしいやら心配やらでクレイドの顔を伺うと、驚くことに彼の表情は一変していた。険しく固い顔で唇を噛みしめている。
(え? クレイドどうしたの……?)
さっきまでのどこか甘い雰囲気は霧消し、クレイドの纏う空気は澱んだように重い。
訳が分からずリオンはうろたえていると、クレイドがポツリと言った。
「きっと王宮ではオースティンが待っています。帰りましょう」
(あ……)
オースティンという名前を聞いた途端、急に現実が戻ってきた。『夢の時間は終わった』とでも言われたような気分になる。
そうか……、とリオンはようやく思い至った。今までのクレイドの様子が変だったのは、きっと旅の解放感に浮かれていただけだ。旅の一時の魔法のようなものだろう。
そう理解してしまうと、ひとりで馬鹿みたいに心を乱していた自分が恥ずかしくなってきた。(もしかしてクレイドも自分のことを――)なんて少しでも思ってしまった自分が馬鹿みたいだ。
虚しい気持ちでリオンはうつむき、言葉を絞り出した。
「うん、そうだね。帰らないといけないよね」
リオンの言葉にクレイドは黙り込んだ。
重い雰囲気のまま馬は石畳の街道を粛々と進み、やがて王都の中心にたどり着く。
その異変に気が付いたのは王城の門に近づいたときだった。門のあたりを慌ただしく騎士たちや馬が行き交っている。
「何だ?」
クレイドが小さな声で呟き、リオンも眉を寄せた。もしかして何かあったのだろうか。嫌な予感がする。
「クレイド隊長!」
クレイドの姿を見つけた第一騎士団の騎士が駆け寄ってきた。
「どうした? 何があったんだ?」
「ヴァルハルトとの国境沿いに詰めていた小部隊が、負傷して帰ってきたんです!」
「何……?」
クレイドの顔色が変わった。
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