あなたと妹がキモ……恐いので、婚約破棄でOKです。あ、あと慰謝料ください。
「えっ? あ……」
婚約中のティボー伯爵令息マルク・バゼーヌが、結婚準備も兼ねた食事会を中座した。
理由は、出戻りした妹フェリシエンヌの涙の乱入。
それからというもの、まったく音沙汰ナシよ。
結婚予定日が迫り連絡してみたら、もう、最悪。
「君には良き姉としてフェリシエンヌを支えてほしい。婿探しを手伝ってくれ」
「お兄様のように素敵な方なんて、この世にいるわけがないわ」
「えっ? あ……ええっ!?」
私はシドニー伯爵令嬢ルイゾン・ジュアン。
婚約者とその妹の仲が良すぎて、若干の悪寒に震えている。
そして。
「あなたなんかにお兄様は渡さないわ!」
「無責任だな。妹の婿候補を連れて来られないなら、君との婚約は破棄させてもらう」
「あー……それで、結構です」
まったく、馬鹿にされたものだわ!
私はフェリシエンヌにあらぬ噂を流され、有責者として婚約を破棄された。
「お兄様を誘惑し、私を侮辱した罪は、すっごく重いんだからね!」
なんと、まさかの慰謝料請求される側。
困った私は、幼馴染のラモー伯爵令息リシャール・サヴァチエに助けを求めた。
彼は宮廷で執政官補佐を務めているから、法律に詳しいはず……
苦労してやっと嫁に出せたが、頭がおかしい娘がやっぱりやらかした!
直ちに娘の嫁ぎ先だった伯爵家に赴き、謝罪や賠償をしなければ、我が家の立場が!と、常識のある両親が留守をしている間に!
兄の婚約者やその家とも揉め、罪は捏造するわ、大金は請求するわで、やりたい放題な兄妹!
この勢いだと、妹の婚家にも、同じようなことしてそうです。
帰宅後、兄妹から自慢げに訴え内容を聞いた両親。可愛そうすぎますね。
真っ当な貴族令嬢に対してありえないレベルでの名誉毀損により、大恥で大負け決定な裁判なんてものがひらかれる前に、なんとしてでも許してもらわないと!というティボー伯爵夫妻の必死さが伝わってきます。
訴えるぞ!ってな感じで脅しておいて、示談金払えば訴えを取りやめるよ?争うとなると金も時間もかかるから、多少お金がかかっても、示談金払えば縁切れますよ?ってな感じで主人公側に金を払わせる策略かなとも思ったんですが。
本当にただの馬鹿だったんですね。
示談で終わらせるのならともかく、大事にまでするのなら徹底的に調べられるだろうに。
相手は主人公の行動を把握しているんでしょうかね?
金をたかろうとする馬鹿は多いから、計画的犯行ならともかく言いがかりで裁判起こして勝つのは難しいですよね。
馬車でしか外出しないような貴族令嬢の主人公が、どういうキッカケで男と出会い、二人だけの時間を作れたのか。
金を握らせて嘘の証言させるにしても、性的暴行を妹(貴族)相手にしてしまったのなら、平民なら即死刑。貴族の子息でもかなりの重罪でしょうから、そんな罰を自ら進んで引き受けた証人達も気になります。
穴しかない状態でどんな裁判を起こすのか、とても興味深いですね!
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