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7.エリザ・ベイリー侯爵夫人
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ヒューゴ様が私の家に来てから数日後
彼はなかなか部屋から出てこない。
食事は部屋に運ばせているから大丈夫だと思う。
(…今は1人で過ごすのがいいんでしょうけれど)
これから私がやる事はやっぱり余計なお世話に他ならないし本当なら時間をかけてゆっくりとお互いを知っていくべきだ。
それでも…知りたい。
「お久しぶりですエリザ様」
「お久しぶりイヴァちゃん」
優しげに微笑む銀髪ロングに金色の瞳の美しい女性。
彼女こそベイリー侯爵夫人である。
エリザ・ベイリー侯爵夫人。
社交界で絶対的な存在。
そんな彼女にちゃん付けされているなんてどういう事?と思われている方もいらっしゃるだろう。
まぁ答えは簡単だ。
彼女は家の商会の常連客であり様々な家との交流の場を繋いでくれた恩人なのである。
「急に話がしたいなんてどうしたの?って言いたい所だけど何となく用は分かってるわ…ガンダー公爵家の事ね?」
「流石エリザ様…お見通しですか」
エリザ様ならば私の目的なんてすぐ分かるだろうとは思っていた。
「確かガンダー公爵家の嫡男…だったはずの子と婚約する事になったのよね?」
「はいそうなんですが彼の話を聞いて…その気になった事が多々あって
でもご本人に聞く勇気が出ずガンダー公爵とお話できるような立場でもありませんし…それでエリザ様なら、と」
簡単にこれまでの経緯を話して彼女の反応をみる。
「なるほど事情は分かったわ
そうね。まずは貴方が1番気になっているであろうガンダー公爵の事ね」
彼女は一呼吸置いてから話し出した。
「彼は確かに無敗の男でこの国にとって重要な人間なのは知っての通りだけれど…はっきり言って人としては最低としか言いようがないのよ」
何の躊躇もなくそう言い捨てる。
(公爵って侯爵より上に爵位なのでは?流石エリザ様)
「人としては…」
「ええそもそも亡くなられた奥様に対しての態度が酷くてね。そんな彼女に似たヒューゴ様に対しても似たような態度で…その上で自分に似たオーウェン様を溺愛するなんて…最低としか言いようがないでしょう?」
言葉を続けながら目付きを鋭くした。
エリザ様には息子と娘が1人ずついる。
私は娘であるレイラ様と仲良くさせてもらっていた。
「もしかして…私との婚約自体ガンダー公爵の嫌がらせ?」
「イヴァちゃんには悪いけれどその可能性は高いわね」
どうやら私の予感は当たっていると見ていい様子。
世間的に守銭奴令嬢と噂されている私の所に婿入りなんて公爵家の嫡男だった人間にする事ではない。
改めて自分はとんでもない令嬢だと認識されていたのだと感じる。
「落ち込まないでちょうだいイヴァちゃん。貴女がとっても良い子だって私は知ってるわ何度も噂を消そうとしているんだけれど…何故か上手くいかないの申し訳ないわ」「い、いえ!エリザ様が謝る事ではありません!」
本当に申し訳なさそうに謝られてつい大きな声を出してしまった。
「ただね…1つ気になる事があるのよ」
「気になる事?」
私と目を合わせ急に声を潜める。
「ヒューゴ様の弟のオーウェン様の事よ。彼、ガンダー公爵に溺愛されてる割に父親を慕ってる様子がないの」
「…えっ?」
それは初めて知った事だった。
オーウェン様は溺愛してくる父親を慕っていない。
(てっきりガンダー公爵に甘やかされて育てられて父親に対してYESマンだと思ってたけどそうじゃなさげ?)
「オーウェン様は基本的にガンダー公爵似ではあるんだけれどね。割と考え方自体はヒューゴ様と似てるのよ」
「そう、なんですか」
やはりエリザ様に話をして良かった。
1番知りたい事は知れたと思う。
彼はなかなか部屋から出てこない。
食事は部屋に運ばせているから大丈夫だと思う。
(…今は1人で過ごすのがいいんでしょうけれど)
これから私がやる事はやっぱり余計なお世話に他ならないし本当なら時間をかけてゆっくりとお互いを知っていくべきだ。
それでも…知りたい。
「お久しぶりですエリザ様」
「お久しぶりイヴァちゃん」
優しげに微笑む銀髪ロングに金色の瞳の美しい女性。
彼女こそベイリー侯爵夫人である。
エリザ・ベイリー侯爵夫人。
社交界で絶対的な存在。
そんな彼女にちゃん付けされているなんてどういう事?と思われている方もいらっしゃるだろう。
まぁ答えは簡単だ。
彼女は家の商会の常連客であり様々な家との交流の場を繋いでくれた恩人なのである。
「急に話がしたいなんてどうしたの?って言いたい所だけど何となく用は分かってるわ…ガンダー公爵家の事ね?」
「流石エリザ様…お見通しですか」
エリザ様ならば私の目的なんてすぐ分かるだろうとは思っていた。
「確かガンダー公爵家の嫡男…だったはずの子と婚約する事になったのよね?」
「はいそうなんですが彼の話を聞いて…その気になった事が多々あって
でもご本人に聞く勇気が出ずガンダー公爵とお話できるような立場でもありませんし…それでエリザ様なら、と」
簡単にこれまでの経緯を話して彼女の反応をみる。
「なるほど事情は分かったわ
そうね。まずは貴方が1番気になっているであろうガンダー公爵の事ね」
彼女は一呼吸置いてから話し出した。
「彼は確かに無敗の男でこの国にとって重要な人間なのは知っての通りだけれど…はっきり言って人としては最低としか言いようがないのよ」
何の躊躇もなくそう言い捨てる。
(公爵って侯爵より上に爵位なのでは?流石エリザ様)
「人としては…」
「ええそもそも亡くなられた奥様に対しての態度が酷くてね。そんな彼女に似たヒューゴ様に対しても似たような態度で…その上で自分に似たオーウェン様を溺愛するなんて…最低としか言いようがないでしょう?」
言葉を続けながら目付きを鋭くした。
エリザ様には息子と娘が1人ずついる。
私は娘であるレイラ様と仲良くさせてもらっていた。
「もしかして…私との婚約自体ガンダー公爵の嫌がらせ?」
「イヴァちゃんには悪いけれどその可能性は高いわね」
どうやら私の予感は当たっていると見ていい様子。
世間的に守銭奴令嬢と噂されている私の所に婿入りなんて公爵家の嫡男だった人間にする事ではない。
改めて自分はとんでもない令嬢だと認識されていたのだと感じる。
「落ち込まないでちょうだいイヴァちゃん。貴女がとっても良い子だって私は知ってるわ何度も噂を消そうとしているんだけれど…何故か上手くいかないの申し訳ないわ」「い、いえ!エリザ様が謝る事ではありません!」
本当に申し訳なさそうに謝られてつい大きな声を出してしまった。
「ただね…1つ気になる事があるのよ」
「気になる事?」
私と目を合わせ急に声を潜める。
「ヒューゴ様の弟のオーウェン様の事よ。彼、ガンダー公爵に溺愛されてる割に父親を慕ってる様子がないの」
「…えっ?」
それは初めて知った事だった。
オーウェン様は溺愛してくる父親を慕っていない。
(てっきりガンダー公爵に甘やかされて育てられて父親に対してYESマンだと思ってたけどそうじゃなさげ?)
「オーウェン様は基本的にガンダー公爵似ではあるんだけれどね。割と考え方自体はヒューゴ様と似てるのよ」
「そう、なんですか」
やはりエリザ様に話をして良かった。
1番知りたい事は知れたと思う。
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