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52.婚約者から
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父親との最後の会話の後ヒューゴ様は何か重荷が降りたような顔をしていた。
漸く本当の意味で父親の呪縛が外れたのかもしれない。
(少しでも彼の心の傷が癒えたのなら…良かった本当に)
今までの一連の事件は真犯人が捕まり本当に全てが終息し久しぶりの平穏な日々を送っている。
そんな私の側には当然のようにヒューゴ様がいてすっかりこのクレマー家に馴染んで商人として修行中だ。
父曰くなかなか腕が良いとの事、彼は頭が良いし頭の回転も早い。
全容を理解し何度か成功を経験すればあっという間に凄腕の商人になるだろう。
「どうですか?商人の仕事は」
「とてもやり甲斐があって楽しいよ」
頬をほんのり赤く染めながら興奮気味に言う姿はどこか幼く見えた。
もしかしたら褒めてもらえなかった認めてもらえなかった幼少期の分を今、少しでも埋めようとしているのかもしれない。
本人はきっと無自覚だろう。
けれどそれでいい、わざわざ指摘する程の事でもない。
「今度は私も同行致しますね」
「っ!あぁ!一緒にやろう!」
約束をして微笑み合った。
そうして少しずつ2人だけで仕事をするようになりそれにも慣れてきた頃。
「イヴァ」
「はいヒューゴ様」
「俺は君を誰よりも愛してる」
「ふふふっ私も愛しておりますわ」
「だからどうか…俺と結婚してほしい」
「…はい喜んでっ」
私達は婚約者から夫婦となる為に行動を始めた。
まずは私の両親に正式に結婚する事を伝えそれから結婚式の準備も進める。
式場の予約、招待客のリスト化、料理のメニュー、ドレスとタキシード選びなどなど。
(た、大変過ぎる…結婚式の準備ってこんなに大変なのね)
疲労困憊になりながらも1つ1つ片付けていった。
「イヴァ…大丈夫か?」
「ヒューゴ様も…顔色がよろしくないですわ」
お互いげっそりした顔を見合わせる。
そっと頬を触れられてピクリと体が跳ねた。
「少し、休もう。
俺達は頑張ってるからな」
いつもならば根を詰めるのはヒューゴ様の方でそれを止めるのが私だったけど今回は逆になっている。
「そう…ですね」
私達は早めに切り上げて泥のように眠り次の日のお昼近くまで眠ってしまった。
「だいぶ寝過ごしてしまいました…」
「久しぶりにぐっすり寝たな」
2人共ある程度寝不足が解消されて顔色が良くなっていて安心する。
体力が回復したのでドレス選びに向かった。
「やっぱり私にプリンセスラインは似合いませんね」
「そんな事はないぞ?だがそうだな俺としては、このエンパイアライン?というのがよく似合うと思う」
彼が指差したドレスはとても綺麗で似合うと言われても本当に自分に似合うのか些か疑問である。
「こ、こんな素敵なドレスが私に?」
「絶対に似合う!」
ヒューゴ様の押しに負けて私はそのドレスを試着してみる事にした。
「ど、どうでしょうか」
「…とても、とてもよく似合っている」
何の裏もない賞賛の言葉に照れてしまう。
「ん?色も選べるようだぞ」
「えっウェディングドレスなら白…ホワイト、オフホワイト、アイボリーですかなるほど白にも種類があるんですね」
(なんか今更だけど現代日本の結婚式とそんな違い無さそう…流石ファンタジー世界という事にしときましょう)
「イヴァはホワイトが1番似合いそうだ」
「そうですね」
ホワイトのエンパイアラインドレスを注文しに店員さんと話すとフリルやレースなど装飾を増やせるらしい。
「それなら…」
ドレスを選び終わりヒューゴ様のタキシードも選んで私達は帰路に着いた。
後もう少しで結婚式だ。
漸く本当の意味で父親の呪縛が外れたのかもしれない。
(少しでも彼の心の傷が癒えたのなら…良かった本当に)
今までの一連の事件は真犯人が捕まり本当に全てが終息し久しぶりの平穏な日々を送っている。
そんな私の側には当然のようにヒューゴ様がいてすっかりこのクレマー家に馴染んで商人として修行中だ。
父曰くなかなか腕が良いとの事、彼は頭が良いし頭の回転も早い。
全容を理解し何度か成功を経験すればあっという間に凄腕の商人になるだろう。
「どうですか?商人の仕事は」
「とてもやり甲斐があって楽しいよ」
頬をほんのり赤く染めながら興奮気味に言う姿はどこか幼く見えた。
もしかしたら褒めてもらえなかった認めてもらえなかった幼少期の分を今、少しでも埋めようとしているのかもしれない。
本人はきっと無自覚だろう。
けれどそれでいい、わざわざ指摘する程の事でもない。
「今度は私も同行致しますね」
「っ!あぁ!一緒にやろう!」
約束をして微笑み合った。
そうして少しずつ2人だけで仕事をするようになりそれにも慣れてきた頃。
「イヴァ」
「はいヒューゴ様」
「俺は君を誰よりも愛してる」
「ふふふっ私も愛しておりますわ」
「だからどうか…俺と結婚してほしい」
「…はい喜んでっ」
私達は婚約者から夫婦となる為に行動を始めた。
まずは私の両親に正式に結婚する事を伝えそれから結婚式の準備も進める。
式場の予約、招待客のリスト化、料理のメニュー、ドレスとタキシード選びなどなど。
(た、大変過ぎる…結婚式の準備ってこんなに大変なのね)
疲労困憊になりながらも1つ1つ片付けていった。
「イヴァ…大丈夫か?」
「ヒューゴ様も…顔色がよろしくないですわ」
お互いげっそりした顔を見合わせる。
そっと頬を触れられてピクリと体が跳ねた。
「少し、休もう。
俺達は頑張ってるからな」
いつもならば根を詰めるのはヒューゴ様の方でそれを止めるのが私だったけど今回は逆になっている。
「そう…ですね」
私達は早めに切り上げて泥のように眠り次の日のお昼近くまで眠ってしまった。
「だいぶ寝過ごしてしまいました…」
「久しぶりにぐっすり寝たな」
2人共ある程度寝不足が解消されて顔色が良くなっていて安心する。
体力が回復したのでドレス選びに向かった。
「やっぱり私にプリンセスラインは似合いませんね」
「そんな事はないぞ?だがそうだな俺としては、このエンパイアライン?というのがよく似合うと思う」
彼が指差したドレスはとても綺麗で似合うと言われても本当に自分に似合うのか些か疑問である。
「こ、こんな素敵なドレスが私に?」
「絶対に似合う!」
ヒューゴ様の押しに負けて私はそのドレスを試着してみる事にした。
「ど、どうでしょうか」
「…とても、とてもよく似合っている」
何の裏もない賞賛の言葉に照れてしまう。
「ん?色も選べるようだぞ」
「えっウェディングドレスなら白…ホワイト、オフホワイト、アイボリーですかなるほど白にも種類があるんですね」
(なんか今更だけど現代日本の結婚式とそんな違い無さそう…流石ファンタジー世界という事にしときましょう)
「イヴァはホワイトが1番似合いそうだ」
「そうですね」
ホワイトのエンパイアラインドレスを注文しに店員さんと話すとフリルやレースなど装飾を増やせるらしい。
「それなら…」
ドレスを選び終わりヒューゴ様のタキシードも選んで私達は帰路に着いた。
後もう少しで結婚式だ。
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