追放されたデバフ使いが実は対ボス最終兵器でした〜「雑魚にすら効かない」という理由で捨てられたけど、竜も魔王も無力化できます〜

「お前の弱体化は雑魚モンスターにすら効かない。足手纏いだ」

勇者マルセルにそう告げられ、俺アクセルは5年間共に戦った仲間から追放された。

確かに、俺のデバフ魔法はゴブリンやスライムといった低級モンスターには効果が薄い。それどころか、ほとんど無意味だった。パーティは俺を庇いながら戦い続け、やがて「無能」の烙印を押されたのだ。

だが、誰も気づいていなかった。

俺たちのパーティは、5年間ずっと雑魚狩りしかしていなかったという事実に。

追放された翌日、森で偶然出会ったS級冒険者たちが、レベル50のボス級モンスター「オーガロード」と苦戦していた。

迷ったが、俺は助けることを決意した。

「弱体化!」

その瞬間オーガロードの全能力が70%も減少した。

『対象レベルが高いほど効果増大』

それが、俺のスキルの真の性質だったのだ。

「...何が起きた?」「あいつの動きが...!」

S級冒険者たちは驚愕し、あっという間にオーガロードを撃破。そして俺に告げた。

「私たちのパーティに来ない?」

美貌の女剣士クリス、豪快な戦士ダリウス、明るい魔法使いミラ。彼らは俺を対等な仲間として迎え入れてくれた。

そして俺は知った。自分の真の価値を。

古代遺跡のストーンゴーレム、地下迷宮のボスモンスター――次々と討伐成功。俺のデバフがあれば、どんな強敵も「ただの的」になる。

A級冒険者に昇格し、やがて古代竜討伐の依頼まで舞い込んできた。

一方、元勇者パーティは――

「くそっ...アクセルの弱体化があれば...!」

ボス戦で完敗を喫し、評判は地に落ちていた。

ある日、マルセルが俺の前に現れた。

「頼む...戻ってきてくれ!お前がいないとボスが倒せないんだ!」

土下座するかつてのリーダー。

だが、俺は冷たく告げた。

「今更もう遅い。俺には新しい仲間がいる」

無能と蔑まれた男が、竜を倒し、魔王をも脅かす最強デバッファーへ。

これは、追放された補助職が真の力を開花させる物語。
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