【完結】シロツメ草の花冠

彩華(あやはな)

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17.アルト視点

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 次の日学園に行くと、街で仕入れたあの女の話を殿下に報告した。

「そうか。ありがとう、アルト。これからももう少し情報を仕入れてきてくれ」
「わかりました」
「他にも何かありそうか?」

 どうしよう。ミリアのことを聞くべきか・・・。
 そう思っていると、バードが部屋に入ってきた。
 その顔は土色をしている。

「バード??」
「殿下・・・」
「何があった?」
「ミリアが・・・」
「ミリア嬢がどうした」

 倒れそうなバードを殿下が座らせ、僕はお茶を差し出す。
 彼はぐっと飲み干すとゆっくりと語り出した。

「ミリアのことがあるので屋敷に帰ったら、執事から気になることがあると言われて・・・」

 要約すれば、ミリアにかかる資金が急に減っていて、しかも屋敷の金も使い込みしているようだがというものだった。
 ミリアに問いただして聞こうにも、しばらく旅行に出かけたために帰ってこないらしい。
 ならばと、彼女のいない間に調べてみると、用途不明でかなりの額がなくなっていた。知っていそうな者に聞いても教会に寄付したと言っていたが、あまりにも多額なため怪しい。
 バードの父親は城に泊り何やら忙しいようで母親も領地に帰っていて詳しく聞けていないようだ。

「ミリアが・・・。あのミリアが・・・」

 バードが一番ショックを受けているのは彼女のことがわからないからだろう。

 僕だってそうなのだから、実の兄であるバードにとっては特にだ。

 挙動不審なバードを横目に殿下は何やら考えこんでいる。

「一度教会を調べるべきか・・・」
「殿下?」
「バード・・・。ミリアが隣国の王太子妃になるつもりという噂を知ってるか」
「はぁ??」
「アルト!?」

 もう、わからない。
 だからこそ意を決してバードに問いかける。カフェで令嬢たちが噂をしていたことを語ってみせる。

「ミリアが欲深いわけない」
「そうだぞ。ミリア嬢がお前を裏切るわけ・・・ないだろう」

 そう思いたい。
 でも、今の彼女は・・・。

 殿下もバードも口に出したものの、今のミリアを見て本当にそう言い切れるのか不安な表情になっていた。

「もう少し調べるべきだな」
「そうですね。両親にも探りをいれます」
「僕も、調べてみます」
「ああ、教会内部の方はわたしが探りをいれる。メリアーナたちにもお願いしておく」


 こうして僕らはあの女なこと、ミリアのことを探ることにした。

 不安だ。
 信じたいのに信じ切ることができない自分が嫌いになりそうだった。
 少しでもいい。ミリアの笑った顔が見れたなら安心できるのに。
 不安とミリアの不信だけが増すだけだった。
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