漫画家へGO プロ漫画家インタビュー

No. 5
異世界を制御魔法で切り開け!
藤沢真行先生
平兵士は過去を夢見る
鈴木イゾ先生

わたしの履歴書 わたしの履歴書

第1回 結婚して今年で13年目、漫画家夫婦がたどった日々に迫る

それぞれにゲームのアンソロジー執筆に励んだ新人時代

――そしておふたりとも、いよいよ商業デビューです。

イゾ

私は「アトリエ」シリーズ(ガスト)のアンソロジーコミックでした。たしか、1997年だったと思います。さとう先生のアシスタントを離れてからは、フリーでプロのアシスタントをしていて、その空き時間に同人誌を作ったり、アンソロジーを描かせていただく生活が続いて……。少しずつ商業漫画家の世界に食い込んでいった感じです(笑)

なお

自分はイゾより少しあとのデビューで、「テイルズ オブ ファンタジア」(バンダイナムコエンターテイメント)のアンソロジーコミックでした。その後もアンソロジーつながりで人脈が増え、継続的にオファーをいただけるようになったので、とにかくアンソロジーをたくさん描きましたね。

――印象に残っているアンソロジーのお仕事は?

なお

「スーパーロボット大戦」シリーズ(バンダイナムコエンターテイメント)です。率先して請けていたので、多くの作品に関わらせていただきました。ロボットを描くのが楽しかったし、資料にゲームソフトをいただけるので、じっくりクリアしてから描いていましたね(笑)

イゾ

私のほうはBLゲーム系のアンソロジーです。結婚した2004年以降、月刊連載みたいなペースで描かせていただいた時期がありました。月産のページ数を合計すると38ページとか! でもおかげさまで「学園ヘヴン」(Spray)や「咎狗の血」(Nitro+CHiRAL)のアンソロジーは、後々になって個人集という形で単行本にしていただけました。

なお

今でも基本的なスタンスは大きく変わりませんが、当時――10年くらい前までは、ふたりとも何かしらのアンソロジーのお仕事があれば編集さんから呼ばれ、少しでも時間があればなんでも請けていた感じです。

イゾ

一度、なおさんだけでなく私のほうにも「スーパーロボット大戦」のアンソロジーの依頼があったんです。編集さんに「すみません、ロボットは描けません」と言ったら、「ロボットだったら、なおさんが描いてくれるから!」って説得されたこともありました(笑)

なお

あー! たしかに俺、イゾのロボットを描いた記憶が……。あの時は驚きました(笑)

――おふたりでお仕事を協力し合うこともあるのですか?

なお

そうですね。まず前提として各々がそれぞれの責任でお仕事を請けますし、請けた者が責任をもって完成させます。あくまでサポートの範囲内であれば、協力し合うことはふつうにありますよ。

イゾ

相手のほうが得意だったり苦手だったりするものは、お互いにわかっていますからね。構成やネームで迷ったら見せ合って意見を交換しますし、作画で苦手な部分はお互いが手伝ったりしています。

なお

とはいえコンビの漫画家ではないので、決まった作業分担はありません。意見を言うだけだったり、デザインは手伝っても実際の作画にはノータッチだったり、部分的に作画を請け負ったり、どこまで協力し合うかはその時どきですね。

――それでも、プロの漫画家同士がサポートし合っているとは豪華ですね! ちなみに相手の方が得意だと思っているのはどのあたりですか?

イゾ

ファンタジー作品でいうなら……モンスターやクリーチャー系の作画は、なおさんのほうが得意ですね。お城や都市、廃墟のような建造物もなおさんです。

なお

逆に柔らかいもの――たとえば貴族や女の子の衣装はイゾですね。それに「金田一少年の事件簿」の基礎があるから、洋館の内装みたいなものも強い。ゴージャスな部屋とかで、よく事件が起きるから(笑)

「制御魔法」第6話から、暴れまわるオウガ軍団。モンスターのデザインや作画、アクションの構成は、なお先生のほうが得意。
こちらは「平兵士」第6話から、主人公・ジョンとタロス村の仲間たち。服などの柔らかいものとともに、生き生きとした子供たちを描くのはイゾ先生のほうが得意。
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