――では続いて、なお先生の機材をみせていただきます。噂のツルツルした板タブとはどういったものですか?
なおIntuos Proです。その上から透明の下敷きを貼って抵抗力を打ち消し、ツルツル感を増しました(笑)。ペンの勢いが止まらないように!
イゾなおさんの作業を見ていると、本当に速いんですよ。すごい勢いで、ビャー、ビャーーと、なんの抵抗感もなくペンを走らせていて。……板タブを作るメーカーさんは紙の描き心地に近づけるため、あえてザラザラにしてくれているのに(笑)
――ビャー……とは、確かに速そうですね(笑)。それではペンの設定はいかがですか?
なお基本設定にある、Gペンツールです。これまでのアナログの描き味どおりに細かく設定していくよりは、なるべく新しいソフトに自分の身体を慣らしていくようにしています。パソコンはイゾと同じものですね。作画に関するソフトも同じです。
――他にお仕事で使っている道具はありますか?
なおアクションシーンを描く際の確認用に、関節可動フィギュアを使っています。棚の上にあるモデル用フィギュア「S.H.Figuarts ボディくん」「S.H.Figuarts ボディちゃん」(ともにバンダイ)は、現在「制御魔法」のエヴァンとセラフィナ仕様になっています。
――なるほど、ボディくんは剣を装備していますね。…ボディちゃんが持っているのは?
イゾ竹串です(笑)。女性ボディはセラフィナちゃんで、槍代わりに竹串を持たせているんです。セロテープを巻いて落ちないようにするという、ひと工夫もしています。
――アクションを描く時は、こういうものがあった方が便利ですか?
なおほとんどのポーズは想像で描けるんですけど、角度によっては確認したい部分が出てくるんですよ。例えば相手に槍を突いた時、柄の部分がどう見えるか? 刀や槍の角度はこれで適切なのか? そういう時はフィギュアにポーズをとらせてシミュレーションをします。初めてアクションを描くような人は、これがあると便利だと思いますよ。
イゾこの関節可動フィギュアが出るまでは、仮面ライダーの玩具でなんとかしていたんですよ。
なお棚に置いてある仮面ライダーたちは、そうやって使いこんできたやつです。この中のひとつは、外見がシンプルなので素体として優秀でした。ガチャガチャ動かしていたので、よく関節が壊れたりしましたね (笑)
2016.01.06
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