7 / 25
第1章
日本は朝から元気
しおりを挟む
男の娘くんを抱えて、保健室まで到着する。
しかし、僕はその扉を開けられずに居た。
「朝からお盛んなことだね」
もう少し、時と場所をわきまえた方がいいと思うけど。
保健室からは──ベッドの軋むような音と水音が響き渡っていた。時々聞こえる吐息や声が、何をしているのかは容易に想像ができた。
「どうしようかなぁ」
男の娘くんを置いていったらきっと巻き込まれちゃうよねぇ。
正直、この子がどうなろうと僕の知った事じゃ無いんだけど、今は学生だからね。同じ学園の生徒として助け合わないと。
それに、この学園の理事長は楓鵺さん。実質僕がこの学園を牛耳ってる様なものだし。
······ところで──
「ぐ腐腐、まじ最高っ! 保健医×チワワ良いっ!」
「··············やっぱり君は覗きが趣味だったんだね、覗き魔くん」
「へ?·········うわっ、なんでここに居るの!?」
「こっちが聞きたいよ」
保健室の前でカメラを構えてる覗き魔くん。
人の情事を盗撮するのは良くないと思うよ。覗きに盗撮······この子の将来が心配になってきた。
「覗き魔くん、見た目と中身のギャップすごいね」
「あ、あはは······良く言われまふ」
「無視出来ない程酷いもん」
あ、しまった。つい本音が···。
「笑顔で言うのやめてっ!」
覗き魔くんが大声で叫ぶ。
「そんなに大きな声出したら中の人に──」
バレちゃうよ、と言葉を続けようとしたその時、勢い良く保健室の扉が開く。
「おい、盗み見とはいい度胸だな」
「ひえっ······!?」
「あーあ、だから言ったのに」
扉から出てきたのは、汗びしょびしょ、服ははだけた状態のイケメンさんだった。
多分このイケメンさんが保健医さんだよね。どうせなら男の娘くん見てもらおうかな。巻き込まれても僕には関係ないし。
「はじめまして、保健医さん。僕は本日からこの学園に通わせて頂くことになりました秋月 琉翔と申します。お楽しみのところすみません」
イケメンさんに笑顔を向ける。
「あ、あぁ、俺は保健医の桐生 一颯だ。それで、なんの用だ」
後半の方は覗き魔くんを見て保健医さんが言う。
「この子が突然倒れてしまったので、見て頂けませんか?」
「そういう事か。分かった、入れ。そこのお前もな」
「え、俺も?!」
こっそり逃げようとしていた覗き魔くんを、保健医さんが睨みつける。
「これで何回目だと思ってる」
「······てへっ」
「··············」
「ちょっ、先生乱暴っ!」
無表情の保健医さんに覗き魔くんが引きずり込まれている。
これはこれは。覗き魔くんも加わるのかな? さっきは血走った目で見てたし──覗き魔くん、混ざれて良かったね。
僕はおめでとうっと、覗き魔くんに微笑みかける。
「ち、ちょっと! た、助けてよ·····」
「うん、頑張ってね。邪魔しちゃいけないから僕はここでおいとまさせていただくよ。はい、この子よろしく」
「えっ、ちょっと待ってっ! 助け──ぎゃあああああ!!!」
男の娘くんを預けて保健室を後にする。
何か悲鳴が聞こえた気がするけど気のせい気のせい。
しかし、僕はその扉を開けられずに居た。
「朝からお盛んなことだね」
もう少し、時と場所をわきまえた方がいいと思うけど。
保健室からは──ベッドの軋むような音と水音が響き渡っていた。時々聞こえる吐息や声が、何をしているのかは容易に想像ができた。
「どうしようかなぁ」
男の娘くんを置いていったらきっと巻き込まれちゃうよねぇ。
正直、この子がどうなろうと僕の知った事じゃ無いんだけど、今は学生だからね。同じ学園の生徒として助け合わないと。
それに、この学園の理事長は楓鵺さん。実質僕がこの学園を牛耳ってる様なものだし。
······ところで──
「ぐ腐腐、まじ最高っ! 保健医×チワワ良いっ!」
「··············やっぱり君は覗きが趣味だったんだね、覗き魔くん」
「へ?·········うわっ、なんでここに居るの!?」
「こっちが聞きたいよ」
保健室の前でカメラを構えてる覗き魔くん。
人の情事を盗撮するのは良くないと思うよ。覗きに盗撮······この子の将来が心配になってきた。
「覗き魔くん、見た目と中身のギャップすごいね」
「あ、あはは······良く言われまふ」
「無視出来ない程酷いもん」
あ、しまった。つい本音が···。
「笑顔で言うのやめてっ!」
覗き魔くんが大声で叫ぶ。
「そんなに大きな声出したら中の人に──」
バレちゃうよ、と言葉を続けようとしたその時、勢い良く保健室の扉が開く。
「おい、盗み見とはいい度胸だな」
「ひえっ······!?」
「あーあ、だから言ったのに」
扉から出てきたのは、汗びしょびしょ、服ははだけた状態のイケメンさんだった。
多分このイケメンさんが保健医さんだよね。どうせなら男の娘くん見てもらおうかな。巻き込まれても僕には関係ないし。
「はじめまして、保健医さん。僕は本日からこの学園に通わせて頂くことになりました秋月 琉翔と申します。お楽しみのところすみません」
イケメンさんに笑顔を向ける。
「あ、あぁ、俺は保健医の桐生 一颯だ。それで、なんの用だ」
後半の方は覗き魔くんを見て保健医さんが言う。
「この子が突然倒れてしまったので、見て頂けませんか?」
「そういう事か。分かった、入れ。そこのお前もな」
「え、俺も?!」
こっそり逃げようとしていた覗き魔くんを、保健医さんが睨みつける。
「これで何回目だと思ってる」
「······てへっ」
「··············」
「ちょっ、先生乱暴っ!」
無表情の保健医さんに覗き魔くんが引きずり込まれている。
これはこれは。覗き魔くんも加わるのかな? さっきは血走った目で見てたし──覗き魔くん、混ざれて良かったね。
僕はおめでとうっと、覗き魔くんに微笑みかける。
「ち、ちょっと! た、助けてよ·····」
「うん、頑張ってね。邪魔しちゃいけないから僕はここでおいとまさせていただくよ。はい、この子よろしく」
「えっ、ちょっと待ってっ! 助け──ぎゃあああああ!!!」
男の娘くんを預けて保健室を後にする。
何か悲鳴が聞こえた気がするけど気のせい気のせい。
11
あなたにおすすめの小説
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる