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第1章
愉快犯
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「シロくん、出てきていいよ」
「ガゥ!」
声を掛けると、廊下の角からシロくんが飛び込んでくる。
純粋なシロくんにあんな音聞かせる訳には行かないからね。覗き魔くんが犠牲になってくれて良かった良かった。
さて、これからどうしようか。
流石にさっきのあれを聞いて、すぐに何かを食べる気は起きない。寮から校舎までは結構距離があるから、戻るのもめんどくさいし。
「よし、シロくん」
「ガゥ!」
2人で顔を合わせて頷く。
やっぱりこれで決めるしかないよね。
僕はズボンの内側に隠していた『アレ』を取り出す。そして、それに火を付け投げて──
「シロくん逃げるよっ」
「ガゥッ!!」
僕とシロくんは走り出した。
保健室のベッドの上。雷斗は人生最大のピンチを迎えていた。
「せ、先生! セクハラですよ! 俺は隅っこで見てるので、チワワくんとイチャコラしてろっ!」
「あぁ? そんな事言って、お前も混ざりたかったんだろ?」
雷斗の腹部に跨る一颯がニヤリと笑う。
「いえ、全く! 俺は傍観者なの! 腐男子たるもの当事者にならないっ! これ絶対」
「ほぉ~、なら俺が後ろの良さ教えてやるよ」
「いいぃぃやああぁぁぁ!!!」
一颯が片手で、雷斗の頭上に両手を押さえ付ける。
まずいまずいまずい、なんで俺がこんな目にっ! 俺の始めてが奪われてしまうぅぅ!!! 美男子許すまじ! 美男子なんて総受けになっちゃえっ! 誰かヘルプぅぅぅ~!!
「ひゃっ······ッ····」
抵抗していると、雷斗の服の中に、一颯の手が入り込んでくる。
美男子カモーン! 助けて! BL本あげるから助けてぇ~!!!
雷斗の心の叫びも虚しく、再び一颯の手が動き出す。
そして、その手が下に向かおうとしたその時──大きな爆発音と共に、ベッドが崩れ落ちた。
「へ?」
「シロくん、成功だよ」
中庭のベンチに座り、シロくんとハイタッチをする。
ふぅ、ちょっと威力凄くてびっくりしたけど、楽しかったからいっか。次はもう少し改良が必要かな。
「覗き魔くん大丈夫かなぁ~」
チャンスを作ってあげた訳だし、逃げられたよね。
僕がさっき投げたのは爆弾だ。もちろん人が死なない様に改良してあるよ。
僕は困った時、爆弾を投げて集まってきた人達から逃げて、行き先を決める。
そして今回も想定通り、風紀委員さん達が集まってきたので逃げていたら、中庭に行き着いたのだった。
「景色綺麗だなぁ」
目の前に広がる光景を見て、思わず呟く。
お金持ち達が通う学園なだけあって、中庭は凄く美しかった。
これって楓鵺さんの趣味なのかな? もしそうなら少し意外だ。今度少しお花貰えないか聞いてみよっと。
そんな事を考えながら、しばらくお花達を眺めていると、隣に1つの気配が近ずいてくる。
はて? 誰だろう。上手く巻いたつもりだったんだけど。
「だれ···見ない顔······」
僕の隣に座り、話しかけて来たのは、眠そうな顔をした、身長の高いイケメンくんだった。
──イケメン率すごいな···。
この学園は同性愛者が多いらしいし、ハーレムでも作っているのかもしれない。
「ガゥ!」
声を掛けると、廊下の角からシロくんが飛び込んでくる。
純粋なシロくんにあんな音聞かせる訳には行かないからね。覗き魔くんが犠牲になってくれて良かった良かった。
さて、これからどうしようか。
流石にさっきのあれを聞いて、すぐに何かを食べる気は起きない。寮から校舎までは結構距離があるから、戻るのもめんどくさいし。
「よし、シロくん」
「ガゥ!」
2人で顔を合わせて頷く。
やっぱりこれで決めるしかないよね。
僕はズボンの内側に隠していた『アレ』を取り出す。そして、それに火を付け投げて──
「シロくん逃げるよっ」
「ガゥッ!!」
僕とシロくんは走り出した。
保健室のベッドの上。雷斗は人生最大のピンチを迎えていた。
「せ、先生! セクハラですよ! 俺は隅っこで見てるので、チワワくんとイチャコラしてろっ!」
「あぁ? そんな事言って、お前も混ざりたかったんだろ?」
雷斗の腹部に跨る一颯がニヤリと笑う。
「いえ、全く! 俺は傍観者なの! 腐男子たるもの当事者にならないっ! これ絶対」
「ほぉ~、なら俺が後ろの良さ教えてやるよ」
「いいぃぃやああぁぁぁ!!!」
一颯が片手で、雷斗の頭上に両手を押さえ付ける。
まずいまずいまずい、なんで俺がこんな目にっ! 俺の始めてが奪われてしまうぅぅ!!! 美男子許すまじ! 美男子なんて総受けになっちゃえっ! 誰かヘルプぅぅぅ~!!
「ひゃっ······ッ····」
抵抗していると、雷斗の服の中に、一颯の手が入り込んでくる。
美男子カモーン! 助けて! BL本あげるから助けてぇ~!!!
雷斗の心の叫びも虚しく、再び一颯の手が動き出す。
そして、その手が下に向かおうとしたその時──大きな爆発音と共に、ベッドが崩れ落ちた。
「へ?」
「シロくん、成功だよ」
中庭のベンチに座り、シロくんとハイタッチをする。
ふぅ、ちょっと威力凄くてびっくりしたけど、楽しかったからいっか。次はもう少し改良が必要かな。
「覗き魔くん大丈夫かなぁ~」
チャンスを作ってあげた訳だし、逃げられたよね。
僕がさっき投げたのは爆弾だ。もちろん人が死なない様に改良してあるよ。
僕は困った時、爆弾を投げて集まってきた人達から逃げて、行き先を決める。
そして今回も想定通り、風紀委員さん達が集まってきたので逃げていたら、中庭に行き着いたのだった。
「景色綺麗だなぁ」
目の前に広がる光景を見て、思わず呟く。
お金持ち達が通う学園なだけあって、中庭は凄く美しかった。
これって楓鵺さんの趣味なのかな? もしそうなら少し意外だ。今度少しお花貰えないか聞いてみよっと。
そんな事を考えながら、しばらくお花達を眺めていると、隣に1つの気配が近ずいてくる。
はて? 誰だろう。上手く巻いたつもりだったんだけど。
「だれ···見ない顔······」
僕の隣に座り、話しかけて来たのは、眠そうな顔をした、身長の高いイケメンくんだった。
──イケメン率すごいな···。
この学園は同性愛者が多いらしいし、ハーレムでも作っているのかもしれない。
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