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仮面を着ければ
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「よっ、よかったわねケイト」
「うっ、うん。ありがとうございますナンシーさん」
獲得方法には多少の問題は有りましたが、こうしてケイトも欲しかったクマのぬいぐるみを手に入れる事が出来ました。
「さて、屋台も一通り覗いたのでそろそろ私達の屋台に戻りましょう」
「はい、ナンシーさん」
「でもちょっと待って下さい。あっちが何だか賑やかですよ」
シンシアが素直に返事をするのに対してケイトは遠くの人だかりに気が付いた様です。
「あの人だかりは何でしょう?」
「私、見てきます!」
ケイトは好奇心が旺盛ですね。でもそれでゴブリンの罠にはまってシンシアが腕を切り落とされたのですから、もう少しは思慮深くなってもらわないと困ります。
◯▲△ ジョージ視点です。
この収穫祭も一通り楽しんだ。後は今夜の宿に向かうだけか。
「かめんぶとうかい、参加者募集中だよ~!」
何やら祭りの役員だと思われる男が頻りに呼びかけている。
「仮面舞踏会? こんな田舎の収穫祭でか?」
「参加されますか?」
そんなつもりは毛頭ない。この収穫祭で仮面舞踏会だなんてたかが知れている。
「優勝者には賞金も出るぞ!」
舞踏会で優勝賞金?
どういう事だ?
金に困っている訳では無いが折角ここまで来たんだ。話の種に面白いかも知れん。
◯▲△ ナンシー視点です
仮面舞踏会ですか。思えば私自身とは無縁でしたね。
「私は踊れません。でも2人が出たいなら止めませんから、2人でどうぞ」
「いえナンシーさん、舞踏会ではなくて、武闘会です!」
「仮面武闘会?」
何でしょうか、それ?
「収穫祭の役員である網元さんが居たので聞いてきたのですけれども、飲酒しながらの打ち合わせで決まったそうです!」
「何でも高額賞金なので、後腐れが無いように仮面を着けるそうですよ」
「高額賞金?」
「はい、100万サートゥルです!」
「100万サートゥル!」
私はそれっきり絶句してしまった。それだけ有れば経営が厳しくなっている『一角竜』は随分と助かる。
そして私は若女将には笑顔で居て頂きたいと願っている。
「仮面を着けるのね?」
「はい。武器は何を使っても構わないそうですし、エントリーも偽名で構わないそうです」
益々好条件ですね。
「私が出ます。エントリーに行くわよ!」
「「はっ、はい」」
失礼ながら言わせて頂きますと、この村の殿方でしたら全員を相手にしたとしても左手1本で勝てると思います。
私にとっては100万サートゥルが只で頂けるに等しい状態です。
◯▲△ ジョージ視点です
「仮面武闘会か。出てみるか?」
「ですが恐らくはジョージ様が優勝なされます。相手は庶民、それも他国です。それは如何な物かと」
「俺が優勝? 何を言っている、お前も出るんだ。決勝は俺達になるだろう。遠慮なく本気でやるぞ! 優勝賞金はそうだな、どっちが勝っても村に寄付しよう。でなければスカーレットの情報提供の懸賞金にでもすれば村人のひんしゅくを買う事は無いだろう」
「仰せのままに」
俺はオリバーを伴って受付会場へと向かった。
◯▲△ ナンシー視点です
仮面は貸して頂けるとの事でしたから顔全体を覆うタイプにしました。視界と呼吸がかなり遮られますけれども、知り合いの方に『一角竜』のナンシーであると覚られる訳にはいきませんからね。
更に言えば服も全身をマントで覆い、男か女かさえも判らない様にします。
これは女である事を隠すと同時に、対戦相手への配慮の意味も有ります。やはり殿方が女に負けたとあっては、名誉や自尊心を傷付ける事になりますからね。
さぁ、始まる様です。
「うっ、うん。ありがとうございますナンシーさん」
獲得方法には多少の問題は有りましたが、こうしてケイトも欲しかったクマのぬいぐるみを手に入れる事が出来ました。
「さて、屋台も一通り覗いたのでそろそろ私達の屋台に戻りましょう」
「はい、ナンシーさん」
「でもちょっと待って下さい。あっちが何だか賑やかですよ」
シンシアが素直に返事をするのに対してケイトは遠くの人だかりに気が付いた様です。
「あの人だかりは何でしょう?」
「私、見てきます!」
ケイトは好奇心が旺盛ですね。でもそれでゴブリンの罠にはまってシンシアが腕を切り落とされたのですから、もう少しは思慮深くなってもらわないと困ります。
◯▲△ ジョージ視点です。
この収穫祭も一通り楽しんだ。後は今夜の宿に向かうだけか。
「かめんぶとうかい、参加者募集中だよ~!」
何やら祭りの役員だと思われる男が頻りに呼びかけている。
「仮面舞踏会? こんな田舎の収穫祭でか?」
「参加されますか?」
そんなつもりは毛頭ない。この収穫祭で仮面舞踏会だなんてたかが知れている。
「優勝者には賞金も出るぞ!」
舞踏会で優勝賞金?
どういう事だ?
金に困っている訳では無いが折角ここまで来たんだ。話の種に面白いかも知れん。
◯▲△ ナンシー視点です
仮面舞踏会ですか。思えば私自身とは無縁でしたね。
「私は踊れません。でも2人が出たいなら止めませんから、2人でどうぞ」
「いえナンシーさん、舞踏会ではなくて、武闘会です!」
「仮面武闘会?」
何でしょうか、それ?
「収穫祭の役員である網元さんが居たので聞いてきたのですけれども、飲酒しながらの打ち合わせで決まったそうです!」
「何でも高額賞金なので、後腐れが無いように仮面を着けるそうですよ」
「高額賞金?」
「はい、100万サートゥルです!」
「100万サートゥル!」
私はそれっきり絶句してしまった。それだけ有れば経営が厳しくなっている『一角竜』は随分と助かる。
そして私は若女将には笑顔で居て頂きたいと願っている。
「仮面を着けるのね?」
「はい。武器は何を使っても構わないそうですし、エントリーも偽名で構わないそうです」
益々好条件ですね。
「私が出ます。エントリーに行くわよ!」
「「はっ、はい」」
失礼ながら言わせて頂きますと、この村の殿方でしたら全員を相手にしたとしても左手1本で勝てると思います。
私にとっては100万サートゥルが只で頂けるに等しい状態です。
◯▲△ ジョージ視点です
「仮面武闘会か。出てみるか?」
「ですが恐らくはジョージ様が優勝なされます。相手は庶民、それも他国です。それは如何な物かと」
「俺が優勝? 何を言っている、お前も出るんだ。決勝は俺達になるだろう。遠慮なく本気でやるぞ! 優勝賞金はそうだな、どっちが勝っても村に寄付しよう。でなければスカーレットの情報提供の懸賞金にでもすれば村人のひんしゅくを買う事は無いだろう」
「仰せのままに」
俺はオリバーを伴って受付会場へと向かった。
◯▲△ ナンシー視点です
仮面は貸して頂けるとの事でしたから顔全体を覆うタイプにしました。視界と呼吸がかなり遮られますけれども、知り合いの方に『一角竜』のナンシーであると覚られる訳にはいきませんからね。
更に言えば服も全身をマントで覆い、男か女かさえも判らない様にします。
これは女である事を隠すと同時に、対戦相手への配慮の意味も有ります。やはり殿方が女に負けたとあっては、名誉や自尊心を傷付ける事になりますからね。
さぁ、始まる様です。
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