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再び武闘会
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ジョージ視点です。
さて決勝トーナメントも準決勝だ。ここまで勝ち残った4人の中に俺とオリバーは当然勝ち残っている。このまま順調に決勝で当たるだろう。
そのオリバーと準決勝で当たるのは旅の冒険者風の男か。まぁオリバーの敵ではないだろう。
そして俺の相手はあのマントで全身を覆った男か。あの男の試合はよそ見をしている内に終わってしまって見ていない。
どうもここまでは素人相手とは言え数秒で圧勝だったらしい。念の為に多少は警戒するか。
「私の試合の方が先の様です」
「そうか、相手に怪我をさせるなよ」
「その心配は御無用かと」
オリバーはヒュンダルン王国随一の武門を誇るハーディング家の嫡男だ。決して間違った事を言ってはいない筈だが。
「あの男、冒険者を装っていますが騎士です。それもかなり訓練された。動きを見れば判ります」
「騎士だと? そんな鍛えられた騎士が何故こんな田舎の祭りの余興に出ている?」
おかしな話だが訓練された騎士が出ているとなると何か裏が有ると睨んだ方が良いだろう。
「その理由は判りませんが、騎士が動いたという事は恐らくここの領主が絡んでいる物かと思われます」
「領主か。確か破格の賞金を出すのも領主だったな」
「はい。運営に確認しましたので間違い無いかと」
俺とオリバーは予選を突破した時に賞金の支払いについて運営に確認しておいた。どう考えても変だからな。
しかしそれによると「領主様が出すと仰っている」との事だったのだがこうなって来るとやはり変だ。本当に領主がこんな物に賞金を出すのならば領主の狙いは何だ?
「それでは準決勝を始める。第1試合の両者は前に!」
「行って参ります」
「お前が遅れを取るとは思わんが、くれぐれも油断はするな」
「肝に命じます」
試合に臨むオリバーと短いやり取りを交わす。俄に祭りの余興に過ぎないこの武闘会の裏が怪しくなってきたからな。弱みは見せない様にしなければ。
「始め!」
審判の合図でオリバーと領主の差し向けた騎士の試合が始まった。
「来い!」
お互いにこう言っているが、両者共に間合いを取って序盤は相手の出方を伺っている。
オリバー相手に中々やるな。この騎士、かなりの実力者と見た。
◯▲△
「おい、いい加減に攻めろよ!」
「何時まで見合っているんだ?」
試合開始からどれだけの時間が経ったのか、遂には見物客から野次が飛び始めるとオリバーが痺れを切らして仕掛けた!
「行くぞ!」
「ぬっ!」
この一撃は騎士に防がれた。だがこれはオリバーの渾身の一撃と言う訳ではない。飽くまでも相手の力量を計るのと同時に、膠着状態に陥ったこの試合の流れを変えるためだ。
コン! コン! コォーン!
木剣と木剣がぶつかる乾いた音が響き続ける様になると先程まで野次を飛ばしていた連中も水を打った様に静まり返る。
この2人の迫力は素人でも感じられる筈だ。眼の前でこれだけの打ち合いが繰り広げられたのだから当然と言えば当然か。
尤も打ち合いと言ってもオリバーが一方的に打ち込んでいて、騎士の方は防戦一方なのだが。
「やるな!」
「そちらこそ!」
あの2人はそれぞれ納得している様だ。それはそれで構わないのだが相手は完全に守りに入って隙が無い。
実力差が有っても守りに徹した相手は厄介だな。この試合は何時まで続くのだ?
さて決勝トーナメントも準決勝だ。ここまで勝ち残った4人の中に俺とオリバーは当然勝ち残っている。このまま順調に決勝で当たるだろう。
そのオリバーと準決勝で当たるのは旅の冒険者風の男か。まぁオリバーの敵ではないだろう。
そして俺の相手はあのマントで全身を覆った男か。あの男の試合はよそ見をしている内に終わってしまって見ていない。
どうもここまでは素人相手とは言え数秒で圧勝だったらしい。念の為に多少は警戒するか。
「私の試合の方が先の様です」
「そうか、相手に怪我をさせるなよ」
「その心配は御無用かと」
オリバーはヒュンダルン王国随一の武門を誇るハーディング家の嫡男だ。決して間違った事を言ってはいない筈だが。
「あの男、冒険者を装っていますが騎士です。それもかなり訓練された。動きを見れば判ります」
「騎士だと? そんな鍛えられた騎士が何故こんな田舎の祭りの余興に出ている?」
おかしな話だが訓練された騎士が出ているとなると何か裏が有ると睨んだ方が良いだろう。
「その理由は判りませんが、騎士が動いたという事は恐らくここの領主が絡んでいる物かと思われます」
「領主か。確か破格の賞金を出すのも領主だったな」
「はい。運営に確認しましたので間違い無いかと」
俺とオリバーは予選を突破した時に賞金の支払いについて運営に確認しておいた。どう考えても変だからな。
しかしそれによると「領主様が出すと仰っている」との事だったのだがこうなって来るとやはり変だ。本当に領主がこんな物に賞金を出すのならば領主の狙いは何だ?
「それでは準決勝を始める。第1試合の両者は前に!」
「行って参ります」
「お前が遅れを取るとは思わんが、くれぐれも油断はするな」
「肝に命じます」
試合に臨むオリバーと短いやり取りを交わす。俄に祭りの余興に過ぎないこの武闘会の裏が怪しくなってきたからな。弱みは見せない様にしなければ。
「始め!」
審判の合図でオリバーと領主の差し向けた騎士の試合が始まった。
「来い!」
お互いにこう言っているが、両者共に間合いを取って序盤は相手の出方を伺っている。
オリバー相手に中々やるな。この騎士、かなりの実力者と見た。
◯▲△
「おい、いい加減に攻めろよ!」
「何時まで見合っているんだ?」
試合開始からどれだけの時間が経ったのか、遂には見物客から野次が飛び始めるとオリバーが痺れを切らして仕掛けた!
「行くぞ!」
「ぬっ!」
この一撃は騎士に防がれた。だがこれはオリバーの渾身の一撃と言う訳ではない。飽くまでも相手の力量を計るのと同時に、膠着状態に陥ったこの試合の流れを変えるためだ。
コン! コン! コォーン!
木剣と木剣がぶつかる乾いた音が響き続ける様になると先程まで野次を飛ばしていた連中も水を打った様に静まり返る。
この2人の迫力は素人でも感じられる筈だ。眼の前でこれだけの打ち合いが繰り広げられたのだから当然と言えば当然か。
尤も打ち合いと言ってもオリバーが一方的に打ち込んでいて、騎士の方は防戦一方なのだが。
「やるな!」
「そちらこそ!」
あの2人はそれぞれ納得している様だ。それはそれで構わないのだが相手は完全に守りに入って隙が無い。
実力差が有っても守りに徹した相手は厄介だな。この試合は何時まで続くのだ?
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