ダブルヒーロー

Tsumitake

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異世界転生!?

仲間②-3

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学校内の灯りは粗方点け終わった。
自分が炎属性で本当に良かったと思う程、全体が明るくなり、数少ない子ども達に笑顔が戻った。

「後は1階だけだね!」
「はい!倒壊してない道を案内しますね!」

明るい声でフィンが先導する。
いつの間にかギャラリーも増え、子ども達も後をついてきている。
雛乃サイドでも各部屋で勇者に対するこの世界の住人の不信感や恨み言を聞かされたが、同じくらい聞こえてきた「有難う」の言葉に、この世界は悪い世界じゃないな。という印象を受けていた。
現に、もう子ども達は懐いているし、親達もそれを阻んだりしない。
ちょっと警戒心が足りないんじゃないかと思う程だ。

それが、一階はえらく違った。
雛乃を見るなり飛び上がりそうな程驚く女性、震えて縮こまった老人…
何が起きてるのか。
危険かもしれないので、フィンと子ども達を空き教室に留まらせ、先に様子を見に行く。

さっきのトロールハーフの学生(?)の様に、暴れている者が居るのか、もしくは魔物が入り込んでいるのか。
色々な可能性を考え困惑する雛乃がシャワー室のドアを開けると、原因がわかった。

何か鋭いもので貫かれた、格好からして恐らく元勇者だろう男達が遺体安置所みたいに並べられていた。
人数で言えば50人程。
よく見れば女性も何人か混じっている。

触ってみたが、身体は異様に冷たく、脈も辛うじてある者と素人だからか読み取れない者と半々くらい。

「誰がこんな事を…。」

呟きながらも、嫌な予感が胸を騒がせていた。
とりあえず炎の魔法で遺体かもしれない人達を温め、フィン達を呼んで介抱を頼む。

廊下の灯りも点そうとシャワー室から足を踏み出した時、人の走る音と短い悲鳴の様な音が聞こえ、雛乃は直感的にその音の方へ走り出していた。
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