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逃げるわけにはいかない
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陛下は予定があるので退席して宰相はすぐに戻るからと執務室には私とルカの二人となった。
会話のない時間が流れた。
ハンド―ラ国が怪しくてたまらない。おじい様が毒殺されたかもと思うと三十年前で私が生まれる前だとしても心穏やかではいられない。正直何かにあたりたい気分だ。
「アンドレア!アンドレア!」
「どうしたルカ?」
「落ち着け。顔が険しいぞ。分かっているか?」
「ああ、そんな顔していたか」
「そうだ、顔でも洗ってから自分の顔見てこい」
やはりだが、気にしているようだ。陛下はそれを承知でこの場を設けたはずだ。では何を期待している?考えすぎか?いや、考えて悪いことはない。心が病むほど考えたことは今までない。ルカはどうだ?
「ルカはどう思う?各国の真実を聞くことができて、正直怖いと正直に思う」
「でも俺たちも十七歳の誕生日が近い。大人になることから逃げるわけにはいかないよな」
「、、、まったくだ。大人も皇太子も逃げるわけにはいかない。でも、今は感情のコントロールが効いていない。本当にむかつく、仕返ししたい気持ちが暴走しそうな嫌な気分だ」
「それをどう折り合っていくかが陛下と宰相から俺たちへの宿題じゃないのか?」
「ルカ、時間をかけながらいこう」
宰相が戻り陛下からの伝言を聞いた。
「お二人には今日の話を存分に語りあってもらいたい。深く掘り下げるも良いし分析するのもいいだろう。また一週間後に時間をとる。楽しみにしている」
いつでも相談にのるからと宰相は言い残しこの執務室を今日はもう使わないから自由にしなさいと。
「ルカ、ハンド―ラは悪い国か?」
「そうだな、悪いって決めつけるのはおかしいのじゃないか?」
「でも聞いた話が本当ならハンド―ラがボールドにもフルナールにも工作をしているように思えるが?」
「聞いただけならそうだよな。でもそれだけじゃ判断材料が足りないのじゃないか?」
「確かに多方面から情報を集めなければ精度の高い分析にはならないな」
「でも俺達にはそんな伝手はないよな。」
次の日の寝覚めはかなり悪かった。寝つきが悪かったのはショッキングな話を聞いたせいもあるだろうが、かなり心に刺さったのだろう。そんな気分では朝食も進まない。
今日は陛下の謁見に立ち合い空いた時間は図書室にこもり歴史を調べていた。ハンド―ラが他国への妨害工作などを行うならず者国家にはどうしても思えなくて、なにか払拭できる材料を探していた。雲をもつかむ探し物では気分ものらないしルカを誘う気もしない。
ルカは家族に今後の公務のための説明をして父親に承諾をもらうのだと張り切っていた。世間一般でいえば出世だからな。でも家族の理解が一番だ。
3日後、フルナールからは返事をだした親書の回答が、ハンド―ラでは事件が起きた。
会話のない時間が流れた。
ハンド―ラ国が怪しくてたまらない。おじい様が毒殺されたかもと思うと三十年前で私が生まれる前だとしても心穏やかではいられない。正直何かにあたりたい気分だ。
「アンドレア!アンドレア!」
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「落ち着け。顔が険しいぞ。分かっているか?」
「ああ、そんな顔していたか」
「そうだ、顔でも洗ってから自分の顔見てこい」
やはりだが、気にしているようだ。陛下はそれを承知でこの場を設けたはずだ。では何を期待している?考えすぎか?いや、考えて悪いことはない。心が病むほど考えたことは今までない。ルカはどうだ?
「ルカはどう思う?各国の真実を聞くことができて、正直怖いと正直に思う」
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「、、、まったくだ。大人も皇太子も逃げるわけにはいかない。でも、今は感情のコントロールが効いていない。本当にむかつく、仕返ししたい気持ちが暴走しそうな嫌な気分だ」
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「ルカ、時間をかけながらいこう」
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「お二人には今日の話を存分に語りあってもらいたい。深く掘り下げるも良いし分析するのもいいだろう。また一週間後に時間をとる。楽しみにしている」
いつでも相談にのるからと宰相は言い残しこの執務室を今日はもう使わないから自由にしなさいと。
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「そうだな、悪いって決めつけるのはおかしいのじゃないか?」
「でも聞いた話が本当ならハンド―ラがボールドにもフルナールにも工作をしているように思えるが?」
「聞いただけならそうだよな。でもそれだけじゃ判断材料が足りないのじゃないか?」
「確かに多方面から情報を集めなければ精度の高い分析にはならないな」
「でも俺達にはそんな伝手はないよな。」
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