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マブダチ

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世間的には一番の問題が政略結婚であったはずだ。だが、そこは最初にクリアしている。すべてがスムーズに進んでいるこの国をあげての会議の秘訣はそこにあった。陛下からの指示であらゆる角度からシミュレーションを進めていた結果だ。最高の結果には最高の準備が必要と陛下からのスローガンによって今日の日を迎えた。


・ボールド皇太子とフルナール第一王女の結婚 終了
・小麦と農業技術者と農業用水の件 終了
・小麦の共同開発 明日の日程


会議一日目はこのように終了した。どこかで揉めると予測して望んだ両国だが今のところお互いに想定内で進んでいる。晩餐は両国が一緒に並んでとなった。ボールドの宰相マッティアの挨拶に次いでフルナールの宰相アンドレの挨拶が終わりボールドとフルナールの宮廷料理をアレンジした特製のフルコースが運ばれてくる。美味しい料理には笑顔がついてくる。賑やかな晩餐会となりコース終了と同時に隣の部屋では自由参加の歓談会が用意してある。



宰相同士がお酒を片手に語り合っている。その他の大臣クラスもあちこちで挨拶をして賑やかになってきた。私はルカとのんびりしながらフルナールの皇太子を探していた。


「殿下、お時間よろしいでしょうか?」
「はい。ボールドの殿下、お声がけ頂いて」
「先ほどはどうも、ご紹介したい人物がおりましてこちらが一緒に公務をしております学生時代からの友人のルカと申します」
「ご紹介ありがとうございます。ルカ様。フルナールの第一王子ノアと申します」
「皇太子殿下、はじめましてルカと申します」
「殿下、ルカはこの会議の準備に最初から私と一緒に取り組んでおりまして今日の日を迎えてホッとしているのです」
「本当にお疲れ様でした。我が国の陛下、私の父親ですが二週間で返事が来るだろうと予想していました。私見ながら難しいだろうと思っていました。ですが、二週間と二日で届きボールドの陛下からの親書も同時に届きました。その親書には返信を作成したお二人のことが書いてあり陛下との納期は守ることができたと書いてあったそうです。僕は手紙を見ることができませんが父親からはそのように聞いております」



「ありがとうございます。こちらの陛下からはその話は聞いていませんでした。その頃は書き上げてからルカと一日以上寝ていて記憶もないのですが・・・」
「その話を聞いて僕もこの会議に参加したいと思ったわけです」
「でももう二度とやりたくないが本音ですよ」
「内緒のほうがいいですよ」
「そうですね」
笑顔になったあと雑談に華が咲いた。ルカは隣で聞いていた。身分の差があるので口を挟まずにいてくれるのだ。家族の事や友人の事、学園の事情など。手紙でやり取りをしませんかとどちらかということもなく自然に約束した。



翌日の午前中には小麦の共同開発の拠点や人員などが決まり最後の議案が完了となった。午後はせっかくの機会ですので今後の打ち合わせをして明日の午前は一緒に観光をしませんかと宰相同士からの提案があったので一同拍手で賛成した。
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