ボールド国年代記 史上初3D作戦誕生で世界は平和になる?

虎徹周磨

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反ハンド―ラの人物

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王宮からの早馬がイートスの駐屯地に到着した。王宮からはサイモン将軍の情報を送ってきた。多分旧メリピ国のサイモン将軍だった人物ではないだろうかと。それ以外にこれだけ見事に駐屯部隊を手玉にとれる人物はいないだろうとの分析だった。リッキー隊長とザカライア隊長も同じ意見のようだ。


サイモンと思われる人物の目的は何か?早馬の手紙にはハンド―ラ国内はあっさりとイートスの町を諦めている。ハンド―ラ国ではなくてボールド国に向かうのではないかと書かれていた。今現在旧メリピ国は分割されハンド―ラ国とボールド国に編入されている。その旧メリピの町に向かう可能性があると。



ボールド国の王宮に魔法使いの斥候部隊が報告に来ている。王宮軍の隊長アロルドの元にハンド―ラから国境を超えてきた男たちの報告だ。アロルドは斥候部隊を引き連れて宰相に報告する。


「宰相殿、ノマキの北の国境地帯のハンド―ラからの男が数十名入り込んだ模様。直ちに捕獲に向かいたいので許可をお願い致します」
「了解した。手荒な真似はしたくないが相手が武装していれば構わん。ただし数人は生かしておいてくれ」
「首都ホーストと近くのヘワケリカと国境のノマキから兵を集め捕獲に参ります」
「斥候の魔法使い部隊も存分に使え。成功すればもっと予算が下りるゆえ」
「御意」



自称メリピ解放軍はボールド国内に入り込んでいた。暗闇に数十人の男が集まってなにやら準備に忙しい。
「野郎ども。次の目標はノマキの駐屯部隊を押さえハンド―ラの旗を立てること。旗は多いほうがいい。俺たちはハンド―ラから命令されてボールドに攻め込んでいる演技をする。分かったか!」
「ボールドはどう出てくるでしょうか?」
「わからん。でもどうでてきても対応はできる。ハンド―ラはどう動くか楽しみだ。旗は一人二本以上作ってもっていけ」
「おう!!」



翌朝、日の出前にノマキの町で自称メリピ解放軍は行動を開始した。駐屯部隊の見張りを確保する。見張りも増やしていたが交代で減るタイミングを狙われた。捕虜が三人取られ駐屯部隊は押さえられてしまった。そしてハンド―ラの旗が立つ。日の出とともにノマキの町は騒然となった。


「ハンド―ラが攻めてきた。あんたすぐに逃げるよ」
「着の身着のまま首都ホーストへ行くよ」
「隣の家も起こしてきな。みんなで逃げるよ」



しかしながら、歓迎する人々もいる。理由は後にわかる。




ハンド―ラのノマキ侵攻を王宮はその日の夜に知ることとなる。陛下は怒り、宰相はリッキー隊長が追いつけなかったことを悔やんでいた。俺は昨日のクリスティーとの時間を思い出して今後の手紙とプレゼントを考え込んでいた人生はじめての高揚感がたった一つの報告で吹き飛んでしまった。


深刻な表情の陛下に宰相に各大臣たちの集まる作戦会議室に俺も入る。現在の状況が大きな用紙に書き込まれている。宰相からはじまり王宮軍副隊長へと説明が続く。
「事実を述べるがハンド―ラ国のノマキの町にハンド―ラ国の軍の旗が立てられノマキの駐屯部隊は捕虜になっている」
「皆の者に伝えるがこれはハンド―ラの正式な作戦ではない。今のハンド―ラは国内を整備し安定させること。国外に侵略することは考えていない。これは宰相と各大臣との共有事項である」
「陛下のおっしゃる通りである。私も大臣もこの方針で進めてきたのだ」



「しかし陛下・・・」
「宰相、事実は事実だ。誰の目にもハンド―ラがボールドに侵攻したと映るだろう。国王として謝罪をすることも覚悟はしている。その時は皆の者一緒に来てくれ、頼む」
「承知いたしました。陛下」
「ではこの侵攻もどきをやめさせなればいけないが、どうする?」
「陛下、リッキー隊長には新作戦の許可は出しました。間に合わなかったのが残念ですが」
「そうか。よくやった。アーロ、精鋭を五人率いてイートスに向かいリッキーに合流しろ」
「御意」



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