ボールド国年代記 史上初3D作戦誕生で世界は平和になる?

虎徹周磨

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もぬけの殻

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反乱軍が移動したあとのイートスの町に王宮軍の先発隊が到着した。戦闘も覚悟しての情報収集だったが捕虜の駐屯部隊に合流すると今日の午後から反乱軍がいなくなっているとの新たな情報を得た。慎重に駐屯部隊の解放をする。確かに反乱軍はいなくなっていた。


翌日に王宮軍が応援も合わせてイータスの町に到着した。リッキー隊長が不審に思いあちこちに偵察を出した。反乱軍は何をしたかったのだ?目的がわからん。駐屯部隊隊長とも情報交換するが分かったことは少ない。反乱軍は見張りの兵士二人を同時に捕虜にして部隊長との交渉に入り駐屯兵の見張りと反乱軍が入れ替わった。駐屯兵が全員捕虜になると食べ物と飲み物を差し入れしたという。その後は何もなく翌日の午後には反乱軍はいなくなっていた。


偵察部隊も帰ってくる。南に向かったまでの目撃情報は取れたがそれ以降がまったく不明だ。どこかで騒ぎを起こせばこちらの探知の網にもかかるが、相手は何も足跡を残さなかった。現状を王宮に早馬で報告する。



駐屯地で部下と駐屯部隊隊長のザカライアとその部下と作戦会議をはじめる。
「改めてだが王宮軍隊長リッキーと申す。この度のイートスでの反乱軍の鎮圧を陛下から命を受けて参った」
「駆けつけて頂いて駐屯部隊一同お礼を申し上げます。イートス駐屯部隊隊長のザカライアと申します」
「確認だが階級のトップが会議は進めるようにとのルール故、私リッキーが司会進行を務める。よろしく頼む」
「リッキー隊長、早速ですが反乱軍の目的も首謀者もメンバーも情報が集まりません」
「その通りだ。念のためにボールド国との国境ぎりぎりまで偵察は飛ばしている。あとは王宮の書庫になにか手がかりがないか早馬を出した」
「それ以上のできることはないように私は思います」
一同頷く。



「ザカライア隊長、見張りは王宮の応援部隊で担当する。駐屯部隊は交代で休憩を取らせてくれ」
「はっ!ありがとうございます。では見張りは三箇所でここに置いてください」
「了解。隊長は一番初めに休んでくれ」
「お気遣いいただきありがとうございます」




翌日のハンド―ラ国の王宮では貴賓室にシェリンガム公爵夫妻と令嬢が陛下との面会を待つ。令嬢は顔が強張っている様だ、無理もない。
「公爵に夫人、ご令嬢も遠路はるばるご足労かけたな。座ってくれ」
「ありがとうございます。陛下。失礼いたします」
ご令嬢はクリスティーナ・シェリンガム嬢で俺の一つ下にあたる。気品のある顔立ちだが多少青く見えるのは緊張のせいだろう。ふわっとした金髪に白い肌につい目がいってしまう。では性格は?打ち解けないとわからないな。


「先日のオータスでの面会予定はあのようになってしまって許してくれ」
「陛下、滅相もない。お顔をお上げください。でも私も妻も娘も陛下と殿下の無事がわかるまでは生きた心地がしませんでした」
「心配かけたな。反乱軍の尻尾と掴むまでは人質にしておく必要があったのでな。令嬢にはアーロの婚約者ゆえ不安にさせたな」
「ありがとうございます。陛下。しかしながら殿下の隣にいるための覚悟ができました」
「これは頼もしいな。アーロ。肝が座っている令嬢はまれだぞ」
「シェリンガム令嬢。はじめましてアーロと申します。今日はお会いできて嬉しいです」
「殿下、クリスティーナ・シェリンガムと申します。私もお会いできて嬉しいです」
「今日は婚約者二人の顔合わせのため。二人は庭の四阿に移動してお茶にするがよい。大人はこちらで積もる話がある」



一緒に移動するが心臓が跳ねて居るのがわかる。手をつないで移動したいが、軽い男と思われるのもダメかな。俺がエスコートするのだから手をつなぐのは当然か。おそるおそる手を伸ばしてみる。なにか言わなければ。
「、、あの、、王宮は広く迷子になりやすいので手をつないで行きませんか?」
「、、、はい、、王宮に入ったとたんに緊張して方角もわかりません。ありがとうございます」
「よく言われます。父上に子供の頃に伺ったのですが、方角が分かりにくくしてるのはわざとなんだそうです」
「何故ですか?」
「もしもですが、王宮まで敵が侵入したときに迷わせるためだそうです」
「本当ですか?」
屈託なく笑う顔にドキッとした。しかも手が汗をかいてきている。でも手は離せない。



建物から庭に進むと気持ちの良い風が吹いてきた。遠くに見える四阿には侍女たちがお茶の用意をしている。つないだ手の汗が乾くような乾燥した心地の良い風がクリスティーナ嬢のほほにあたり白い肌がうっすら赤くなっている。なんか綺麗だ。
「殿下、どうかなさいましたか?」
ジッと見つめてしまった。いけない、いけない。
「婚約者ですから名前で呼ぶようにしませんか?私の事はアーロと」
「ありがとうございます。アーロ様ではいけませんか?」
「いいですよ。ではクリスティーナ嬢でいいですか?」
「殿下から嬢と呼ばれるのはいけません。クリスティーかクリスで読んでください」
「クリスティーと呼ぶことにします。二人のときだけにしましょう」
「人前では恥ずかしくて呼ぶことはできません」



四阿に座りお茶と菓子を勧め、菓子の評判を話、兄弟や両親や王宮のことなど話していた。クリスティーからも色んな話を聞かせてもらって質問もあれこれと飛んできた。気がつけば午前中の自由時間は終わりになっていた。呼びに来た侍女に貴賓室に戻るように伝えられクリスティーの手を取って建物に戻る。自然に手をつなぎ王宮内へ歩いていく。すれ違う侍女たちが頭を下げながら微笑んでいる。貴賓室についてしまった。




ボールド国の魔法使いの一人がハンド―ラ国とボールド国の国境付近にテントを張って自炊するいくつもの集団で行動する男どもを発見した。山中に入ってくる時期ではないはずだが、報告の伝書バトを飛ばす。



反乱軍の首謀者はサイモン。旧メリピ国のサイモン将軍だった人物である。サイモン以下はメリピ決起軍と自称している。今日はボールド国との国境近くまで移動だ。明日の予定に備えて。
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