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伯爵令嬢の涙
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僕の思う理想のレオノール嬢を泣かせてしまった。なにかミスったのかと後悔が心に残る。先を歩くモンテ伯爵の背を追いかけながら言葉を発することも躊躇してしまう。
階段を一階分上がりぐるりと二階をまわって部屋に案内された。
「事前に説明もなくご一緒していただいて申し訳ございません。娘の涙の理由をご説明させていただきます」
「お願いします」
「レオナールにも縁談はいくつか来ておりまして保留にしております。理由はあるお方から縁談が来ないかとずっと待っておりました。その思い人が殿下です。女性から求婚するわけにはいけませんから。学園に通う学生の頃からの恋だったそうです」
「嬉しい限りです。公爵家の二男とも仲が良かったのでそちらの可能性が高いと思い僕も用意ができ次第急いで来ました」
「公爵家の二男は兄弟同士での交流があり、あの子が三歳からの顔見知りです。ずっと殿下だけを想ってきたと先月妻とワインを飲むイベントがありはじめて聞いた次第です。父親への耳には届かないものです」
モンテ伯爵と伯爵家についての話をしていただいた。レオノール嬢の子供の頃のエピソードなど興味をそそられる話に心踊りながらに聞いていた。
部屋にノック音が響く。伯爵が扉を開けるとレオノール嬢と夫人が立っていた。緊張が一気に押し寄せる。レオノールの唇が動くのが見える。
「殿下、先ほどの話謹んでお受けいたします。泣き出してしまい申し訳ありませんでした」
「・・ありがとう。レオノール嬢」
気の利いたこと一つも言えないが、これが精一杯だ。
モンテ伯爵夫妻は退室して二人だけになった。学園時代の昔話をして共通の友人などの話題を振り、会話を続けていた。この貴重な時間は何事にも代えがたい時間なのだろう。まだ恥ずかしくて手も握れない相手だがとにかく一緒にいたい気持ちは初めてだった。これが恋愛の気持ちなのか?マチアスに今聞いてみたい。
紅茶とお茶菓子のお替わりが届いて時間の経過を感じた。でもまだ話はつきない。もっとレオノールのことを聞きたい、話ししたい。レオノールの表情が豊かになってきている。先ほどの大粒の涙はどこかにいき笑顔が続くようになった。白い肌が笑顔でピンクに染まっていく表情に引き込まれていく。僕も笑顔になっているのだろうか?ずっとこのままで時間よ。頼むから進むな。
終わりの時間はきた。ノックとともに夕暮れになっていることに気がついた。帰らなければならない。慌てて次の約束を取りつける。
帰りの馬車でこの半日を振り返る。一人でにやけていると執事からいかがでしたか?と問われた。恥ずかしいが承諾をもらったと。おめでとうございます殿下、良い報告ができますなと聞いて余計に恥ずかしくなった。馬車の中ではこの会話が最後となった。
王宮に戻り宰相に報告をする。宰相は手をたたいて喜んでくれた。陛下に報告してくるのであとから来るように僕に指示をだしてから早足で移動していく。
陛下の執務室に向かうと母上も呼ばれていたのだ。人の数だけの笑顔で迎えられた。後ろからピエールとアンナにも”おめでとう!兄上”の連呼、連呼。ありがとうと答えながら気がついた。恋愛感情はありませんと宰相に宣言していったがそうは受け取られていないなとわかった。みんなにバレてるよね。恥ずかしいいいい!
「一人でモンテ伯爵家と話ししてノアの人生で大きなことを一人でやり切ったのね。本当に母として嬉しいわ。ノア、成長を感じます。大人の仲間入りね」
母上に褒められて抱きしめられたとき、あまりに緊張したあとのせいか涙がでてしまった。ピエールもアンナも抱きついてきた。この家族のひとりに生まれて本当によかった。
ハンド―ラ国王サイラス三世が国境の町セントアイに到着した。国王自ら謝罪するため。有言実行の男だ。
階段を一階分上がりぐるりと二階をまわって部屋に案内された。
「事前に説明もなくご一緒していただいて申し訳ございません。娘の涙の理由をご説明させていただきます」
「お願いします」
「レオナールにも縁談はいくつか来ておりまして保留にしております。理由はあるお方から縁談が来ないかとずっと待っておりました。その思い人が殿下です。女性から求婚するわけにはいけませんから。学園に通う学生の頃からの恋だったそうです」
「嬉しい限りです。公爵家の二男とも仲が良かったのでそちらの可能性が高いと思い僕も用意ができ次第急いで来ました」
「公爵家の二男は兄弟同士での交流があり、あの子が三歳からの顔見知りです。ずっと殿下だけを想ってきたと先月妻とワインを飲むイベントがありはじめて聞いた次第です。父親への耳には届かないものです」
モンテ伯爵と伯爵家についての話をしていただいた。レオノール嬢の子供の頃のエピソードなど興味をそそられる話に心踊りながらに聞いていた。
部屋にノック音が響く。伯爵が扉を開けるとレオノール嬢と夫人が立っていた。緊張が一気に押し寄せる。レオノールの唇が動くのが見える。
「殿下、先ほどの話謹んでお受けいたします。泣き出してしまい申し訳ありませんでした」
「・・ありがとう。レオノール嬢」
気の利いたこと一つも言えないが、これが精一杯だ。
モンテ伯爵夫妻は退室して二人だけになった。学園時代の昔話をして共通の友人などの話題を振り、会話を続けていた。この貴重な時間は何事にも代えがたい時間なのだろう。まだ恥ずかしくて手も握れない相手だがとにかく一緒にいたい気持ちは初めてだった。これが恋愛の気持ちなのか?マチアスに今聞いてみたい。
紅茶とお茶菓子のお替わりが届いて時間の経過を感じた。でもまだ話はつきない。もっとレオノールのことを聞きたい、話ししたい。レオノールの表情が豊かになってきている。先ほどの大粒の涙はどこかにいき笑顔が続くようになった。白い肌が笑顔でピンクに染まっていく表情に引き込まれていく。僕も笑顔になっているのだろうか?ずっとこのままで時間よ。頼むから進むな。
終わりの時間はきた。ノックとともに夕暮れになっていることに気がついた。帰らなければならない。慌てて次の約束を取りつける。
帰りの馬車でこの半日を振り返る。一人でにやけていると執事からいかがでしたか?と問われた。恥ずかしいが承諾をもらったと。おめでとうございます殿下、良い報告ができますなと聞いて余計に恥ずかしくなった。馬車の中ではこの会話が最後となった。
王宮に戻り宰相に報告をする。宰相は手をたたいて喜んでくれた。陛下に報告してくるのであとから来るように僕に指示をだしてから早足で移動していく。
陛下の執務室に向かうと母上も呼ばれていたのだ。人の数だけの笑顔で迎えられた。後ろからピエールとアンナにも”おめでとう!兄上”の連呼、連呼。ありがとうと答えながら気がついた。恋愛感情はありませんと宰相に宣言していったがそうは受け取られていないなとわかった。みんなにバレてるよね。恥ずかしいいいい!
「一人でモンテ伯爵家と話ししてノアの人生で大きなことを一人でやり切ったのね。本当に母として嬉しいわ。ノア、成長を感じます。大人の仲間入りね」
母上に褒められて抱きしめられたとき、あまりに緊張したあとのせいか涙がでてしまった。ピエールもアンナも抱きついてきた。この家族のひとりに生まれて本当によかった。
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