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覚醒のアンドレアとルカ
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ハンド―ラの国王はお詫びの内容を親書にして持参していた。用意がいいとも言えるが、絶対に断らない自信の表れか勝手に勧めていくようなタイプかもしれない。隣に座る皇太子は相槌を打つか驚きの表情を時折浮かべる。
陛下が親書を開封して確認する。サイラス三世の名で記されており、五つの魔法とその組み合わせでの軍の指南書を渡すことと一緒に戦闘訓練をすることが書かれていた。陛下は正式に受け取ることを決めたようだ。
「サイラス三世陛下、こちらの内容でお受けいたします」
「アレッサンドロ陛下、ありがとう。半月後にセントアイの駐屯地でいかがですか?」
「十分に時間があるので大丈夫ですな。アンドレアを派遣します。ではよろしく頼みます」
「アーロを行かせます。皇太子同士よろしく頼む」
国王と皇太子はお互いに握手をして終わりとなった。
首都ホーストに戻り報告を兼ねての議会を招集した。宰相と大臣たちに親書の内容を伝えると一斉に拍手が沸き起こった。
「これでハンド―ラとの差が縮まる」
「フルナールに追いつけるかも」
「国民にどう知らせますか?」
皆いろんな思いを声にだしていた。国を思う気持ちは一緒で私の気持ちが明るくなる。
「しかしながら陛下、これだけのことを用意するハンド―ラ国王の狙いはいかが思われますか?」
「狙いはわからんが、親書の内容は国王のサインが入っているので間違いない。裏があるように思えるが今は先読みしないで様子を見よう」
「承知いたしました」
私は王宮軍隊長アロルドとルカとセントアイでの戦闘訓練に向けて打ち合わせをしていた。精鋭を何人行かせるか?魔法使い部隊ウィードも同じことで守備部隊は残しておくが、手の内をあまり明かしたくない。アロルドと二人苦戦していた。各部隊の小隊長たちは純粋に喜んでいた。強くなれるのが嬉しいようだが、ハンド―ラの訓練は厳しいと噂があるので少しだけ緊張もしているようだ。
宰相にも相談して今検証中のこと以外はハンド―ラに伝えていく方針に決まった。ハンド―ラの国王には一緒の戦闘訓練で何か狙いがあるだろうと宰相は読んでいる。準備に追われているともう明日の朝には出発だ。ルカ、もう寝るぞ!もう変わらなくてはいけない。私もルカもボールドも!このタイミングで・・・
翌朝は予定より早く起きることとなった。ルカに先を越されたのだ。わずか一分ではあるが。
「アンドレア。俺のアンドレアへの同級生と親友も今日で終わりにしないか?これまで通り俺はお前を親友と思っている。一緒に公務をさせてもらっている。給金も十分にもらっている。だが、お前は国王に俺は臣下になるのだ!はっきりしよう」
寝起きに厳しい意見だが・・・私の親友はお前だけだよ・・・
「寝起きの一杯の水を飲もう。一緒に。ルカの気持ちはいつもわかっている。つもりだ」
私もルカも一杯の寝起きの水を飲んで眼がさめた。ルカは今日の出発前にはこの話をしたかったのだろう。心も腹も決めて行こうか!
「ルカ、これまでも現在もこれからも私の親友はルカだけだと信じてほしい。だが、近い日に私は国王を継ぐことになる。ルカは宰相かボールドを担う大臣になることは間違いないと信じている。ただ私からポジションの推薦はしない。わかってくれ。私の口添えが必要なルカではない」
「アンドレア。こう呼べる日はもうすぐ終わりだと思っている。ああ、言葉使いも直さないといけませんね。・・・変な感じだ(^^)/」
「半人前が一人前の大人になる日の直前の儀式かもね。今日だけ?今日まではタメ口で行こう!!!」
「腑抜けのアンドレア!!!女子から言われていたぞ!!優しいだけじゃ国も家族も守れないのだぞ・・・分かっていんのか!お前のファンの女子からの応援の言葉だ!!!」
「私にファンっていたの?」
「だから、女子たちから腑抜けのアンドレアって言われているのだよ!お前は優しいだけじゃないだろう。誰にも気を使える。いつでも誰かの役に立つように行動している。それって女子だけではなく老若男女にも人気がでることって思えないか?だからファンはいるのだよ。気がつかないのは天然でお前らしいけど」
「・・・変わりたいって思っている。父上のように強くボールド国の舵取りが私の役目だ。たった一年でもほんの少しでも変わりたいのが本音だ!」
陛下が親書を開封して確認する。サイラス三世の名で記されており、五つの魔法とその組み合わせでの軍の指南書を渡すことと一緒に戦闘訓練をすることが書かれていた。陛下は正式に受け取ることを決めたようだ。
「サイラス三世陛下、こちらの内容でお受けいたします」
「アレッサンドロ陛下、ありがとう。半月後にセントアイの駐屯地でいかがですか?」
「十分に時間があるので大丈夫ですな。アンドレアを派遣します。ではよろしく頼みます」
「アーロを行かせます。皇太子同士よろしく頼む」
国王と皇太子はお互いに握手をして終わりとなった。
首都ホーストに戻り報告を兼ねての議会を招集した。宰相と大臣たちに親書の内容を伝えると一斉に拍手が沸き起こった。
「これでハンド―ラとの差が縮まる」
「フルナールに追いつけるかも」
「国民にどう知らせますか?」
皆いろんな思いを声にだしていた。国を思う気持ちは一緒で私の気持ちが明るくなる。
「しかしながら陛下、これだけのことを用意するハンド―ラ国王の狙いはいかが思われますか?」
「狙いはわからんが、親書の内容は国王のサインが入っているので間違いない。裏があるように思えるが今は先読みしないで様子を見よう」
「承知いたしました」
私は王宮軍隊長アロルドとルカとセントアイでの戦闘訓練に向けて打ち合わせをしていた。精鋭を何人行かせるか?魔法使い部隊ウィードも同じことで守備部隊は残しておくが、手の内をあまり明かしたくない。アロルドと二人苦戦していた。各部隊の小隊長たちは純粋に喜んでいた。強くなれるのが嬉しいようだが、ハンド―ラの訓練は厳しいと噂があるので少しだけ緊張もしているようだ。
宰相にも相談して今検証中のこと以外はハンド―ラに伝えていく方針に決まった。ハンド―ラの国王には一緒の戦闘訓練で何か狙いがあるだろうと宰相は読んでいる。準備に追われているともう明日の朝には出発だ。ルカ、もう寝るぞ!もう変わらなくてはいけない。私もルカもボールドも!このタイミングで・・・
翌朝は予定より早く起きることとなった。ルカに先を越されたのだ。わずか一分ではあるが。
「アンドレア。俺のアンドレアへの同級生と親友も今日で終わりにしないか?これまで通り俺はお前を親友と思っている。一緒に公務をさせてもらっている。給金も十分にもらっている。だが、お前は国王に俺は臣下になるのだ!はっきりしよう」
寝起きに厳しい意見だが・・・私の親友はお前だけだよ・・・
「寝起きの一杯の水を飲もう。一緒に。ルカの気持ちはいつもわかっている。つもりだ」
私もルカも一杯の寝起きの水を飲んで眼がさめた。ルカは今日の出発前にはこの話をしたかったのだろう。心も腹も決めて行こうか!
「ルカ、これまでも現在もこれからも私の親友はルカだけだと信じてほしい。だが、近い日に私は国王を継ぐことになる。ルカは宰相かボールドを担う大臣になることは間違いないと信じている。ただ私からポジションの推薦はしない。わかってくれ。私の口添えが必要なルカではない」
「アンドレア。こう呼べる日はもうすぐ終わりだと思っている。ああ、言葉使いも直さないといけませんね。・・・変な感じだ(^^)/」
「半人前が一人前の大人になる日の直前の儀式かもね。今日だけ?今日まではタメ口で行こう!!!」
「腑抜けのアンドレア!!!女子から言われていたぞ!!優しいだけじゃ国も家族も守れないのだぞ・・・分かっていんのか!お前のファンの女子からの応援の言葉だ!!!」
「私にファンっていたの?」
「だから、女子たちから腑抜けのアンドレアって言われているのだよ!お前は優しいだけじゃないだろう。誰にも気を使える。いつでも誰かの役に立つように行動している。それって女子だけではなく老若男女にも人気がでることって思えないか?だからファンはいるのだよ。気がつかないのは天然でお前らしいけど」
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