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ケイトとラウラ
しおりを挟む「アーロ殿下。今なんとおっしゃいましたか?」
「ケイトとラウラは姉妹です。本人に確認は取りますが、我が国の調査では間違いないです。魔法のスペックの高さが群を抜いているのも同じです」
「確かにあれだけのスキルを持つ女性が年も近くいるのが奇跡に近いと思いましたが、姉妹なら腑に落ちます」
「訓練が終わりましたらケイトとラウラ殿をお呼びして四人でお話ししたいと思います。わかっていることをすべてお伝えします」
「承知いたしました。ラウラには私から話ししておきます」
殿下二人が戻るとラウラとケイトのまわりに人だかりができていた。「私もペアカミで移動させて!」「俺も移動してみたい!頼むラウラ!」アーロ殿下と私とで場を鎮める。
「みんな聞いてくれ!ペアカミの魔法は人を移動して入れ替える魔法だ。ただし、中途半端な情報を元に唱えると違う場所に移動する。ここが恐ろしいポイントだ。過去の例を挙げると人質役が戻ってきて入れ替わる役が隣町に行ってしまったことがある。唱える瞬間になぜか雑念が入り隣町の情報が入ってしまったのだ。この失敗から原因を掴みその後はライセンス制にしたのだ。ラウラ殿はケイトが合格のライセンスを発行したと理解してくれ」
おおおおお!!!同時に拍手が沸き起こった!!
「ケイト。防御の魔法=マルディの実践を頼む。今日はそれで終わりにしよう」
「かしこまりました。殿下。それでは説明いたします」
防御の魔法=マルディは魔法の消費が多いために模擬演習では三人の兵士に模擬用の矢が十本飛んでくる想定で行われた。三人の兵士が砦で守りを固めている。その頭上に突然十本の矢が飛んできた。近くの魔法使いはその矢の進む先に向けて呪文を唱える。
「マルディ!」
紫の雲のような物が突然現れ十本の矢の前に広がる。矢は紫の雲のような物体に絡まり空中で停止した。おあああああ!!!なんでどうして?兵は口々に騒ぐ。その注目の矢と雲のようなものが魔法使いのもとにゆっくりと移動してきたので兵が集まる。魔法使いの元に届いた瞬間に雲のようなものは消えて矢だけが残った。
ケイトから説明がはじまる。
「防御の魔法=マルディは魔法で矢を通さずに絡みつく雲のようなものを作りだし矢を止めます。飛び道具には最適な防御です。相手の矢を減らせるメリットもあります。回収して味方の矢にしてしまうこともできます。デメリットは守る人数分の魔力を消費しますので魔力が多い人物しか使えません。それと伏兵などから守ることもできるのはないかと思いますが、攻撃の質量・重さに耐えられる厚さが必要となりますので矢とか投石等の飛び道具までが限界です」
「それならば、マルディを複数の魔法使いで同時に唱えれば厚い雲は作れますか?」
「いい質問をありがとうございます。確かに検証では三人で三枚の雲を作ることで伏兵を止めることはできました。でも三人で作った雲で武装した兵士を三人止めるのがやっとなのです。伏兵などの防御での対応となるとその兵と同じ数の魔力が多い魔法使いを配置する必要があるので現実的ではないのです」
「説明ありがとうございます。難しいことがわかりました」
「訓練後のダウンに入ってくれ。ボールドのみんな、我が国では訓練後に明日への訓練と緊急的な要請も考えて身体を整える筋トレとストレッチのダウンを取り入れている、物は試しと考えて真似してくれ」
おっす!!
はい!
アーロ殿下についていってしまっているな。こいつら(^^♪
兵たちは休憩に入った。夕食待ちの幸せな時間だ。アーロ殿下とケイト殿とラウラと私が集まりケイトとラウラ姉妹の人生を変えるかもしれない会合だ。緊張は気にしていないつもりだが・・・ついてきた。アーロ殿下からこの会合の重みが伝わる言葉で緊張が増す。
「今日の合同訓練お疲れ様でした。俺で気がついたことを確認して話したいからアンドレア殿下も入って頂いてこの場を設けた。つまり有り得ないほどのことが分かったからあつまってもらったのだ」ケイトとラウラが頷く。
「ケイトは御父上との二人暮らしだね」
「はい」
「ラウラ殿は御母上との二人暮らしだね」
「はい」
「ケイトの母上は小さいころに亡くなっていると聞いている」
「私が三歳のときに流行り病と父上から聞いています」
「ラウラ殿の父上は小さいころに戦死と聞いている」
「その通りでございます。屈指の戦士だった父上は国を守るために最前線で体を張って戦い戦死したと聞いていて私の誇りです」
「みんな、ありがとう。でもそれがある事情のために違ったと知ったらどう思う?」
・・・・・・・
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