ボールド国年代記 史上初3D作戦誕生で世界は平和になる?

虎徹周磨

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強くなりたいがために

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ある事情とはケイトの父親の軍人たる理由だった。その頃のボールドは、弱かった。今でこそハンド―ラ・フルナール・ボールドの三か国でこのエリアは治まっているが、その頃はハンド―ラが一強の時代であった。フルナールも婚姻戦略を持ってして進めてはいるが国力の増強には程遠い頃である。


恵まれた体格に丈夫な胃腸に肝臓を持つケイトの父親は腕力にも優れ剣でも弓でも騎馬でもボールドでは右にでるものはいなかった。酒を飲んでも強く翌日に二日酔いをすることもなく誰にも一目置かれる存在だった。最年少で小隊長を任せられより一層鍛え上げた筋肉は子供から見ても強く憧れる兵士になっていた。だが、もっと強くなりたいと思う願望が押さえられずに予想外の行動にでる。


早くに結婚して長女が生まれて幸せいっぱいのころに決断してしまった。強い軍人になるためにハンド―ラに行くと言うのだ。妻は当然反対した。しかも妻のお腹には次の子を授かっていた。火種は飛び火し両家の親をも巻き込んでの騒ぎに発展していった。つまりのところ誰も賛成しなかったわけで、その結果は長女を連れての逃走劇となってしまった。金銀も財産もすべて放棄したうえで反対できない肉親を連れての亡命となった。両家は相談して王宮軍に戦死となるように金銀を積んで懇願した。結果、父親は名誉ある戦士、長女は誘拐により行方不明とボールドの記録に残されることとなる。



「ハンド―ラの情報収集ではこのような事が判明している。はっきり言おう。この父親はケイトとラウラの実の父だ。ラウラの母親は生きているのだ。ケイトの母親だ。ケイトとラウラは二歳違いの姉妹だ」
「本当?」
「ほんと?」
姉妹がつぶやく・・・



「ハンド―ラの情報収集能力を信じてもらえるなら本当だ」
「アーロ殿下、ボールドからも調査は入れますが、なぜこのように教えてくださるのか?疑問に思います。極秘裏に進めたほうがハンド―ラとしてもメリットがあるはず」
「アンドレア殿下の質問はその通りです。まだ時期尚早なのです。ご容赦を」
「ラウラ、私はアーロ殿下からの情報は信じる。もちろんボールドとしても調査は入れる。結果は分かり次第知らせるが、今は姉との再開を祝いたい!」
「殿下ありがとうございます」



宿に戻りルカとワインを楽しむ。だが、話題は公務のことばかり。ルカに公務の話題ばかりでつまらないかもねと振ってみると、あっけらかんと笑顔で返された。”皇太子でしょ?もうすぐ国王。自分の思うことが正しいと突き進んで!それが正解だ!”同級生として親友として今は皇太子の右腕として命令口調で言えるのは今が最後だから、もういちど言おうか?慌てて右手を上げて左右に振る。一言一句聞き逃してはいない。ルカは私の財産だとはじめて認識する。



「ラウラとケイトの姉妹が分かったところでアーロ殿下にメリットはあるか?」
「正直今の段階では何もないでしょうね。でも、目に見えるメリットではないとしたらどうでしょうか?」
「どういうことだ」
「ケイトが二十三歳でラウラが二十一歳、つまり二十年前のこともハンド―ラは調査して正確な情報を掴むことができると証明されますよね。国としての機能のPRもありますね」
「強いとこは認めなければならない。自分らが弱いとこも認めなければならない。辛いが現実だな」
「その通りでございます」


それからもワインは進み、話題も尽きない。ボールドを考え、どうすればいいのか思案はつきない。ルカも同じベクトルにいるようで話題を変えようともボールドではどうするかだ。このままでは夜が開けてしまうかも・・・顔を洗いに出かけて少し時間を稼いでみた。部屋に戻るとルカはうつ伏せで寝ている。声をかけると反応はした。お互いのベッドに入るまでは覚えているが、あとは月にでも聞いてみるか。


明日は残りの三つの魔法が解禁される。


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