44 / 81
ハンド―ラ国の五年前の決断
しおりを挟む
食堂では母上と姉たちが出迎えてくれた。ルカの母親と妹も招待されていた。できる話とできない話があるので会話も多少手間取ったが陛下が上手くカバーしてくれた。国家機密の話は話題にできないからな。私の姉どもは私の結婚相手のフルナールのアンナ王女の情報を次から次へと教えてくれた。ルカの妹はまだ無邪気で王宮での食事に感激しルカにべったりとくっついてお兄ちゃんの話に聞き入っている。ルカの母親はテーブルマナーに手間取った感じはするが、給仕のものがサポートするので問題なく楽しんでいる。
食事後に改めて陛下にお礼を伝えると食事会を考えたのは母上だった。昨日の夜分に早馬が到着したので母上が父上に確認して、すぐに宰相にルカの家に朝一で伝えるように伝えたのだと聞いた。母上にお礼に行くと”女は待ってばかりでしょ。こんなことでもしないとみんなに会えないからね”と笑顔で答えられた。男は考えが及ばないか。
日が暮れるまでにはセントアイに戻りたいので二時過ぎには出発の予定だ。私は家族とも挨拶を済ませたのでいいのだが、ルカは妹に手を焼いていた。お兄ちゃんから離れないのだ。母親がなだめているのだが、”もう少しいいでしょお兄ちゃん!”で離れない。離れてくれない。もう少しで出発したいのだが・・・姉たちにすがるか。
姉たちはお菓子をいっぱい持って現れた。お姉ちゃんたちと王宮を散歩しよう。お菓子もたくさんあげるからね。お兄ちゃんはお仕事で隣の国までいくから頑張ってしてあげて。上手いもんだな姉たちは。ルカは解放されくっつき虫の妹は姉たちにくっついてどこかに行ってしまった。ルカの母親はしきりに頭を下げていたが、夕方には自宅に送らせるのでもう引き上げてもらって大丈夫と説明して帰っていただいた。ルカからは”ありがとうございます。助かりました”とお礼をもらった。気にしなくていい。
ルカ、セントアイに戻ろう!五年以内に国の存亡をかけた戦いが待っている。
日暮れ前にはセントアイに戻ることができた。アーロ殿下に挨拶にいく。父上と宰相に伝えて、父上からハンド―ラ国王への親書が届く旨を説明した。フルナールも巻き込んで三国で戦ってはどうかの案にアーロ殿下は賛成した。陛下と宰相はどう判断されるかだ。
「アンドレア殿下、別ですが現在検証中の魔法があります。完成するまで公開はできないのですが、どのようなものかだけでも参考意見をもらいたくてお話しします。二つありまして一つが地中に潜る魔法です。あらかじめ決めた場所に潜って敵兵の動きを察知する魔法です。空中にとどまって偵察するピーサレフがもしも見つけられてしまった場合の代替え案です。もう一つはハンド―ラの大魔法使いマクシミリアンのみが可能だった召喚獣の魔法です。マクシミリアンは三つの召喚獣を操ることができたのですが、誰も引き継ぐことができなかった。」
「ピーサレフの代替え案はいいと思います。できればピーサレフと並行して使えることができればピーサレフがより一層バレにくくなりますね。召喚獣は本当にできた魔法使いがいらっしゃったのですね。子供の頃に聞いた空想の世界の話だと思っていました」
「召喚獣は正直私も信じられていないのは本当です。しかしながら国としての公式な記録に載っているので本当なのです。魔法使いの精鋭部隊がわずかな資料をもとに再現を試みています」
「ボールドからも魔法使いの精鋭と魔術に詳しいものを集めます」
「よろしくお願いいたします」
訓練場に戻ると我が兵士たちから声がかかる。嬉しいのは最終日にはハンド―ラとの模擬戦を実施して勝ってみせると皆が私に宣言する。ではこちらも最終日に合わせ北の超大国との決戦について説明する準備をしておこう。今晩はここで一緒に夕食にする。
夕食のあとにアロルド王宮軍隊長とラウラウィード小隊長を呼んでルカと四人で打ち合わせをする。ワインと果実水とつまみとフルーツなど旬の美味しい物を贅沢に手配した。それだけの用意をするだけの話があるのだ。
「一旦王宮に戻り陛下と宰相に報告を申し上げた。内容は昨日アーロ殿下からお聞きした内容だ。五年前に北の超大国から親書が届いたのです。内容は一方的でハンド―ラの東半分を金銭と銀山一つで渡せとのことでした。南に進出するためです」
すかさずアロルド隊長から声があがる。
「それでは次に来るのが我が国ではありませんか?」
「そうです。ハンド―ラのサイラス三世陛下も悩んでおられました。陛下自信も明け渡すつもりは先代に立てる顔がないのでできるわけがないと、それとハンド―ラをピンチに追い込み自分らだけがもらうものもらって知らない顔もできるわけがない。陛下の決断は十年で東地区を明け渡すと回答した」
「それでは我がボールドは!」
「最後まで聞いてほしい。含みのあっての十年だ。明け渡すまでに十年かかると時間を稼いでおいてそれまでに新しい戦術や技術を開発すると決めて必死に陛下は努力をされていたわけだ。記憶に新しいハンド―ラの反乱軍とボールドへの侵入をハンド―ラは必死に止めて国王が謝罪までした。それで国家機密魔法を五つボールドに提供した。これが何を意味するか?」
アロルド隊長がゆっくりと手を挙げた。
食事後に改めて陛下にお礼を伝えると食事会を考えたのは母上だった。昨日の夜分に早馬が到着したので母上が父上に確認して、すぐに宰相にルカの家に朝一で伝えるように伝えたのだと聞いた。母上にお礼に行くと”女は待ってばかりでしょ。こんなことでもしないとみんなに会えないからね”と笑顔で答えられた。男は考えが及ばないか。
日が暮れるまでにはセントアイに戻りたいので二時過ぎには出発の予定だ。私は家族とも挨拶を済ませたのでいいのだが、ルカは妹に手を焼いていた。お兄ちゃんから離れないのだ。母親がなだめているのだが、”もう少しいいでしょお兄ちゃん!”で離れない。離れてくれない。もう少しで出発したいのだが・・・姉たちにすがるか。
姉たちはお菓子をいっぱい持って現れた。お姉ちゃんたちと王宮を散歩しよう。お菓子もたくさんあげるからね。お兄ちゃんはお仕事で隣の国までいくから頑張ってしてあげて。上手いもんだな姉たちは。ルカは解放されくっつき虫の妹は姉たちにくっついてどこかに行ってしまった。ルカの母親はしきりに頭を下げていたが、夕方には自宅に送らせるのでもう引き上げてもらって大丈夫と説明して帰っていただいた。ルカからは”ありがとうございます。助かりました”とお礼をもらった。気にしなくていい。
ルカ、セントアイに戻ろう!五年以内に国の存亡をかけた戦いが待っている。
日暮れ前にはセントアイに戻ることができた。アーロ殿下に挨拶にいく。父上と宰相に伝えて、父上からハンド―ラ国王への親書が届く旨を説明した。フルナールも巻き込んで三国で戦ってはどうかの案にアーロ殿下は賛成した。陛下と宰相はどう判断されるかだ。
「アンドレア殿下、別ですが現在検証中の魔法があります。完成するまで公開はできないのですが、どのようなものかだけでも参考意見をもらいたくてお話しします。二つありまして一つが地中に潜る魔法です。あらかじめ決めた場所に潜って敵兵の動きを察知する魔法です。空中にとどまって偵察するピーサレフがもしも見つけられてしまった場合の代替え案です。もう一つはハンド―ラの大魔法使いマクシミリアンのみが可能だった召喚獣の魔法です。マクシミリアンは三つの召喚獣を操ることができたのですが、誰も引き継ぐことができなかった。」
「ピーサレフの代替え案はいいと思います。できればピーサレフと並行して使えることができればピーサレフがより一層バレにくくなりますね。召喚獣は本当にできた魔法使いがいらっしゃったのですね。子供の頃に聞いた空想の世界の話だと思っていました」
「召喚獣は正直私も信じられていないのは本当です。しかしながら国としての公式な記録に載っているので本当なのです。魔法使いの精鋭部隊がわずかな資料をもとに再現を試みています」
「ボールドからも魔法使いの精鋭と魔術に詳しいものを集めます」
「よろしくお願いいたします」
訓練場に戻ると我が兵士たちから声がかかる。嬉しいのは最終日にはハンド―ラとの模擬戦を実施して勝ってみせると皆が私に宣言する。ではこちらも最終日に合わせ北の超大国との決戦について説明する準備をしておこう。今晩はここで一緒に夕食にする。
夕食のあとにアロルド王宮軍隊長とラウラウィード小隊長を呼んでルカと四人で打ち合わせをする。ワインと果実水とつまみとフルーツなど旬の美味しい物を贅沢に手配した。それだけの用意をするだけの話があるのだ。
「一旦王宮に戻り陛下と宰相に報告を申し上げた。内容は昨日アーロ殿下からお聞きした内容だ。五年前に北の超大国から親書が届いたのです。内容は一方的でハンド―ラの東半分を金銭と銀山一つで渡せとのことでした。南に進出するためです」
すかさずアロルド隊長から声があがる。
「それでは次に来るのが我が国ではありませんか?」
「そうです。ハンド―ラのサイラス三世陛下も悩んでおられました。陛下自信も明け渡すつもりは先代に立てる顔がないのでできるわけがないと、それとハンド―ラをピンチに追い込み自分らだけがもらうものもらって知らない顔もできるわけがない。陛下の決断は十年で東地区を明け渡すと回答した」
「それでは我がボールドは!」
「最後まで聞いてほしい。含みのあっての十年だ。明け渡すまでに十年かかると時間を稼いでおいてそれまでに新しい戦術や技術を開発すると決めて必死に陛下は努力をされていたわけだ。記憶に新しいハンド―ラの反乱軍とボールドへの侵入をハンド―ラは必死に止めて国王が謝罪までした。それで国家機密魔法を五つボールドに提供した。これが何を意味するか?」
アロルド隊長がゆっくりと手を挙げた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる