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裁き
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オーガスト。チャドに暗示をかけられた魔法使いだ。チャドはひねくれた人物だが悪く見積もってもオーガストはチャドより上の実力を持っていたのだろう。でなければチャドに狙われたりしない。だからこそ自分の評価の黄色(七段階の下から二つ目)ではなくて一番下の赤にさせたがったと推測される。チャドは実力より思想の偏りにより自分一番主義を持っていたから黄色になった理由はその辺だと思われる。
オーガストが目を覚ました。かなり頭が痛いようだ。王宮医に診察を頼む。暗示の影響は与えた人物が解除すればすぐに影響は引いていくそうだ。チャドの裁きを受けてから出直すことを王宮医に伝え移動する。
チャドへの陛下からの裁きがあると聞き俺とリッキー隊長とケイト小隊長も謁見の間に移動する。国王陛下と王妃が入場する。
「今回のことは重きことと受け止める。以前の魔法石での件でチャド自身も罪は受けた。父親からの訴えもあり前回の事件は公式にはないことにして終わらせた。しかしながらチャド自身は優秀な魔法使いに暗示をかけて魔法石との契約を最低の赤にさせることで優越を感じる自分勝手な振舞いである。よってチャドは石切り場での終身の強制労働とする。父親は石切り場での半年の強制労働、妻は王宮での半年の住み込みの労働を課す」
「はっ!」
「妻に確認する。子供はおるのか?」
「はい。十二歳の長男に九歳の長女に七歳の二男がいます」
「では住み込みの間は王宮で預かろう。王妃よ?頼めるか?」
「もちろんですわ。子は国の宝ですもの。三人も預けてもらえるのですか?嬉しいわ。後で子供の特徴を教えてくださいましね」
「はい!あ、ありがとうございます」
「チャド。父親も妻も働かせるが子供のことは心配するな。二人が望んだことを叶えただけだ。子供は王宮内で育て勉強させる。よいな?」
「はい。ありがとうございます」
「一つ頼めるか?優秀な魔法使いが減るのは国として残念なことだ。チャド!石切り場で働きながら空いた時間で魔法の研究をしろ。お前の心が国の方向性と合えば魔法は戻ってくる」
「本当ですか?」
「本当だ、信じろ。お前が暗示をかけたオーガストだが目を覚ましている。暗示の解除を頼むぞ」
「承知いたしました。陛下いろいろとありがとうございます」
裁きの後に陛下の執務室を訪ねる。陛下は戻っていらっしゃった。
「陛下。先ほどのお裁き見事でございました。チャドは改心して戻ってくると思います。立ち会わせて頂いてありがとうございます」
「アーロ。お前は十分に働いてこのわしを支えている。だが王宮で純粋培養に育てたわけではない。わかるかこの意味を?」
「陛下。半分わかってはいますが、くちに……したくないことば……ではないでしょうか?」
「そうだ!はっきりと言え!」
「はい。チャドは多分自分を取り戻せないでしょう。魔法使いに戻れる可能性は百に一つかと。」
「それでいい。残酷だが現実と理想を常に持ち合わせろ。チャドには理想を持たせ家族の協力がわかるように裁きをだした。そこまで用意した理由はチャドの魔法の才能だ。あいつはどこかで意味不明の思想に捕らわれなければケイトを指導する魔法部隊隊長になっていたはずだ。それがなにかで躓いて魔法石の診断でまさかの黄色。それで逆上して魔法石の反撃で右手骨折した、おまけにプラスしてそれまでの魔法は全て没収。それでも戻れる才能をチャドは持っている」
一日予定より遅れてしまったが、明日セントアイに戻ることとなった。オーガストは三日程度療養させて陛下が自ら魔法石との契約をさせるとおっしゃっていたので頼んできた。紫になりそうだ。
セントアイに戻り宰相に詳細を報告する。ボールドとフルナールの宰相も魔法石でのはじめての色に驚きながら身を乗り出して聞いていた。過去のチャドの魔法石が黄色に光った事件を話しすると腑に落ちたようで考え込まれていた。
ケイトのお見合いがはじまった。とはいえお昼休みで時間制限を設けた。一人二十分が制限時間だ。自分を売り込むなら何かできることはあるだろう。今日は二人で明日も二人の四人で終了になる。ケイトからの報告を楽しみにする。
今日のところのケイトの二人への反応はまずまずであった。明日の結果も楽しみに待とう。
訓練に戻るとアンドレア殿下が召喚獣の魔法の訓練をしていた。もうそこまで進んでいるのか?まだ発動できる段階にはないが、呪文の意味は記憶している。皇太子でもそこまで前線に立つのかと思う反面、俺にはできないと阻止する俺がいる。アンドレア殿下は皇太子の安全な枠に治まるつもりがないのだ。皇太子が召喚獣の強力な魔法でミスや妨害により失敗すれば皇太子の立場さえ無くなってしまうかもしれない。想定される危険を冒してでも進んで行く理由は何だろうか?今日の集まりで尋ねてみよう。
夕食後にいつもの六人が集まった。俺の疑問はアンドレア殿下への質問を今すぐにしたいのだが、二人になれる機会を伺うか。ルカは巻きこんでもいいから先に頼んでおくか。でもな、やっぱり二人きりのサシがいいよな。俺ってこんなに悩んでいる性格か?何が起きているのか?
ノア殿下が話題を持ち出しみんなでいろいろ言ってつまんねえ話だな~~で笑いが起きるのがこの集まりでくだらない世間話に民の問題も上がり、こうしたほうがいいじゃないのと教育のことが話題になり、ルーシアや南の大国の話になり潜り込んで間者として儲けたほうがいいじゃないのとつまらない冗談が止まらないのがこの集まりだが、今日は今一つ作り笑顔がいつもよりも不自然であることは隠しきれない。俺でもこんなに追い込まれるの!と初めての経験なのだろう。
それでも機会はやってきた。アンドレア殿下が一人でバルコニーにむかう。ルカも来ないなら今すぐに……飲みすぎたか……
レスターに手を貸してもらってやっと立ち上がる。動こうとするが……バルコニーが遥か先に思える。やっぱり手を貸してくれるのはレスターだ。
「殿下、バルコニーまで行きましょう」
「うむ!」
オーガストが目を覚ました。かなり頭が痛いようだ。王宮医に診察を頼む。暗示の影響は与えた人物が解除すればすぐに影響は引いていくそうだ。チャドの裁きを受けてから出直すことを王宮医に伝え移動する。
チャドへの陛下からの裁きがあると聞き俺とリッキー隊長とケイト小隊長も謁見の間に移動する。国王陛下と王妃が入場する。
「今回のことは重きことと受け止める。以前の魔法石での件でチャド自身も罪は受けた。父親からの訴えもあり前回の事件は公式にはないことにして終わらせた。しかしながらチャド自身は優秀な魔法使いに暗示をかけて魔法石との契約を最低の赤にさせることで優越を感じる自分勝手な振舞いである。よってチャドは石切り場での終身の強制労働とする。父親は石切り場での半年の強制労働、妻は王宮での半年の住み込みの労働を課す」
「はっ!」
「妻に確認する。子供はおるのか?」
「はい。十二歳の長男に九歳の長女に七歳の二男がいます」
「では住み込みの間は王宮で預かろう。王妃よ?頼めるか?」
「もちろんですわ。子は国の宝ですもの。三人も預けてもらえるのですか?嬉しいわ。後で子供の特徴を教えてくださいましね」
「はい!あ、ありがとうございます」
「チャド。父親も妻も働かせるが子供のことは心配するな。二人が望んだことを叶えただけだ。子供は王宮内で育て勉強させる。よいな?」
「はい。ありがとうございます」
「一つ頼めるか?優秀な魔法使いが減るのは国として残念なことだ。チャド!石切り場で働きながら空いた時間で魔法の研究をしろ。お前の心が国の方向性と合えば魔法は戻ってくる」
「本当ですか?」
「本当だ、信じろ。お前が暗示をかけたオーガストだが目を覚ましている。暗示の解除を頼むぞ」
「承知いたしました。陛下いろいろとありがとうございます」
裁きの後に陛下の執務室を訪ねる。陛下は戻っていらっしゃった。
「陛下。先ほどのお裁き見事でございました。チャドは改心して戻ってくると思います。立ち会わせて頂いてありがとうございます」
「アーロ。お前は十分に働いてこのわしを支えている。だが王宮で純粋培養に育てたわけではない。わかるかこの意味を?」
「陛下。半分わかってはいますが、くちに……したくないことば……ではないでしょうか?」
「そうだ!はっきりと言え!」
「はい。チャドは多分自分を取り戻せないでしょう。魔法使いに戻れる可能性は百に一つかと。」
「それでいい。残酷だが現実と理想を常に持ち合わせろ。チャドには理想を持たせ家族の協力がわかるように裁きをだした。そこまで用意した理由はチャドの魔法の才能だ。あいつはどこかで意味不明の思想に捕らわれなければケイトを指導する魔法部隊隊長になっていたはずだ。それがなにかで躓いて魔法石の診断でまさかの黄色。それで逆上して魔法石の反撃で右手骨折した、おまけにプラスしてそれまでの魔法は全て没収。それでも戻れる才能をチャドは持っている」
一日予定より遅れてしまったが、明日セントアイに戻ることとなった。オーガストは三日程度療養させて陛下が自ら魔法石との契約をさせるとおっしゃっていたので頼んできた。紫になりそうだ。
セントアイに戻り宰相に詳細を報告する。ボールドとフルナールの宰相も魔法石でのはじめての色に驚きながら身を乗り出して聞いていた。過去のチャドの魔法石が黄色に光った事件を話しすると腑に落ちたようで考え込まれていた。
ケイトのお見合いがはじまった。とはいえお昼休みで時間制限を設けた。一人二十分が制限時間だ。自分を売り込むなら何かできることはあるだろう。今日は二人で明日も二人の四人で終了になる。ケイトからの報告を楽しみにする。
今日のところのケイトの二人への反応はまずまずであった。明日の結果も楽しみに待とう。
訓練に戻るとアンドレア殿下が召喚獣の魔法の訓練をしていた。もうそこまで進んでいるのか?まだ発動できる段階にはないが、呪文の意味は記憶している。皇太子でもそこまで前線に立つのかと思う反面、俺にはできないと阻止する俺がいる。アンドレア殿下は皇太子の安全な枠に治まるつもりがないのだ。皇太子が召喚獣の強力な魔法でミスや妨害により失敗すれば皇太子の立場さえ無くなってしまうかもしれない。想定される危険を冒してでも進んで行く理由は何だろうか?今日の集まりで尋ねてみよう。
夕食後にいつもの六人が集まった。俺の疑問はアンドレア殿下への質問を今すぐにしたいのだが、二人になれる機会を伺うか。ルカは巻きこんでもいいから先に頼んでおくか。でもな、やっぱり二人きりのサシがいいよな。俺ってこんなに悩んでいる性格か?何が起きているのか?
ノア殿下が話題を持ち出しみんなでいろいろ言ってつまんねえ話だな~~で笑いが起きるのがこの集まりでくだらない世間話に民の問題も上がり、こうしたほうがいいじゃないのと教育のことが話題になり、ルーシアや南の大国の話になり潜り込んで間者として儲けたほうがいいじゃないのとつまらない冗談が止まらないのがこの集まりだが、今日は今一つ作り笑顔がいつもよりも不自然であることは隠しきれない。俺でもこんなに追い込まれるの!と初めての経験なのだろう。
それでも機会はやってきた。アンドレア殿下が一人でバルコニーにむかう。ルカも来ないなら今すぐに……飲みすぎたか……
レスターに手を貸してもらってやっと立ち上がる。動こうとするが……バルコニーが遥か先に思える。やっぱり手を貸してくれるのはレスターだ。
「殿下、バルコニーまで行きましょう」
「うむ!」
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