ボールド国年代記史上初3D作戦誕生で世界は平和になる？

虎徹周磨

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揺さぶり

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ハンド―ラ国の中央を流れるハンズ―川の上流のルーシア国内のとある町に五百人の男が集められこれからの任務を聞いている。ハンズ―川のほとりには筏が係留しており武器も簡単な鎧なども用意されている。

傭兵頭ミロンがとある国からの依頼で明日の夜明けに筏でハンド―ラ国の首都バンスの近くの川から上陸してバンスに攻撃を仕掛ける。ミロンの手配でハンド―ラ国内では上陸地点に向けて商人に扮した交易隊が南へ向かっていた。

その頃サイラス三世からの早馬がセントアイに到着して宰相に呼ばれてアーロ殿下は緊張の面持ちで移動していた。部屋に到着すると手紙を渡された。ルーシアからの駐在の件で建物の着工が二年後になりその工事にはルーシアの人間が入り建てることが記されていた。これであと五年の時間の猶予が二年になったわけだ。三年の工期は長いと思うがそれだけの建物を建築するからとなっているはずだ。それでルーシアの人間がバンスに常にいるわけで、どのような情報もルーシアに報告されるだろう。

陛下からの指示には宰相とアーロ殿下が読み終えた時点で速やかにボールドとフルナールに共有することが書いてある。
「宰相殿、アンドレア殿下とノア殿下とレスター・ルカ・マチアスを連れてきて大丈夫でしょうか？」
「そうですね。宰相お二人もお呼びします」
皇太子と宰相と付き人の各三人の九名が揃いルーシアからの親書の内容を共有する。誰もが声がでない。それはそうだろう。五年間ある猶予期間が突然二年間に減ったわけだ。余裕がなくなり誰しもイラつくのは理解できる。

「しかしながらルーシアもこちらの情報のすべてを掴んではいませんね。掴んでいれば強硬にでてくるでしょう。現状でこの三か国の情報を掴んでいるのであればハンド―ラ国王に約束を違反している！力づくでハンド―ラの東地区は切り取るとでてくるでしょう。それができていないのでルーシアは情報を掴み切れておりませんと判断して致し方ないでしょう。ルーシアの行動の予測は私とルカとで分析した結果です。私とルカならこのように行動します」

しばらくの沈黙のあとハンド―ラの宰相アーサー殿が口を開く。
「確かにアンドレア殿下のおっしゃる通りと私も思います。情報を掴み切れていないと仮定すると何か違う手を売ってくるとは思いませんか？私なら情報を掴むために動きます。宰相の立場からすると陛下に進言してお許しを頂いてからになりますが」
「アーサー殿ありがとうございます。ではより一層警備を強化して行ったほうがいいと思います。いかがでしょうか？」
満場一致の確認がとれたので警護の段階を一つ上げることにする。
(ハンド―ラの首都バンスに明日の朝に傭兵の一行が現れることの報告をウィードの精鋭から受けているが今はだんまりだ。なんでも教える必要性はないし、そこまでおおっぴろげにする段階でもない。まあ、明日の上陸はウィードに待機させているから上陸次第に偶然を装って報告する手筈ではある)

アーロ殿下にお願いしてこの場を解散してもらい、いつものメンバーでの集まりとなる。しかしながら、アーロ殿下とノア殿下の態度に変化が現れた。相談事を私に持ってくるようになったのだ。何がおきたのかルカも意味不明です解析不可能と診断された。二人の殿下の相談事は結婚のことに国の問題に王族ならではのしきたりなど多種多様で私ならこうしますとしか答えることができないのだが、それで納得する二人だった。

ルカにも同じ事がおきた。マチアスとレスターがルカを中心として行動するようになったのだ。リーダーを決めたわけではないのだがレスターもマチアスもとにかく最初の聞くのはルカでそれから自国の皇太子の順番が定番に変った。その中で”付き人”の名称から”皇太子補佐”の名称はどうかと提案があった。二人の殿下に相談すると名称は私も含め気にしていなかったのだが、当の本人は気にしていたのだ。確かに国としての重要会議に参加しているのに”付き人”ではと、こちらの配慮が足りなかったか。

アーロ殿下の部屋で六人が朝を迎えて朝の挨拶を終えて部屋に戻る。部屋の前にウィードの兵士が待っていた。
「今朝始まりました」
「了解、ご苦労」
「はっ！戻ります」
「ルカ。アーロ殿下に報告を」
「御意」

十分後にはアーロ殿下と王宮軍リッキー隊長にwunitケイト小隊長が精鋭部隊を連れて馬上の人となり北西に消えていった。wunitの数名は空から向かう。同時に首都バンスからも守備隊を残し王宮軍がミロンたちの上陸地点の東へと向かった。

三十分後にはバンスからの王宮軍がハンズ―川の上陸地点の手前で左右に展開し迎え撃つ準備は整った。偵察部隊が相手の動向を探りに行く。相手はまだ筏で川を下ってくる連中がいるくらいで戦いの準備はできていない。王宮軍の副隊長が報告を受けて一気に仕掛けようかと思案していると朝の空色の保護色のwunitが三名降りてきた。姿を魔法使いに戻して手紙を渡す。

アーロ殿下とリッキー隊長からの短いメモだ。
ミロン達傭兵部隊への指示が書いてある。

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