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国王の演説
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陛下の執務室の扉をノックする。
「アーロです。お時間よろしいですか?」
「四百人の捕虜をどうするかを今考えているのでな、それ以外は後にしてくれ」
「その捕虜の話です。私ではなくてレスターの話を聞いていただけませんか?」
「了解だ、説明を頼むレスター」
「はい。ありがとうございます。捕虜四百人はこのまま夜を迎えると夜中に脱走を始めます。ハンド―ラ国内に散らばると大変なので陛下と殿下のお二人で捕虜にハンド―ラの王宮軍に志願するものはいないかと捕虜全員の前で演説をしてはいかがでしょうか?」
「確かにそうだな」
「志願するものには家族を呼び寄せることができます。国に帰りたいものには捕虜交換ではなくて国境まで兵士が送ります」
「国内では犯罪が起きないように、だな」
「おっしゃる通りでございます。国に帰る人間にハンド―ラのことを良い国と喋ってもらいたいので国境で一週間分の食料と僅かでいいですのでハットの硬貨を渡してはいかがでしょうか?」
「確かにな。少しでもハンド―ラからもらえば誰だって噂にするな。だれにならった?」
「正直に申し上げると誰にも習っていないのです。かすかな記憶ですが、どこかの文献で読んだ話をいくつか合わせてこのような筋書きにしてみました」
「俺は納得いった。アーロはどうだ!」
「自分も理解はしましたが、噂でハンド―ラが得になるのかはわかりません」
「レスターの予想通りになる。わしとレスターを信じろ」
陛下から命令が下された。捕虜四百人に話しがある故、早急に一箇所に集めるようにと。リッキー隊長は即座に王宮軍の訓練場に集めるように指示をする。建物の周囲は王宮軍で固めることで猫の子一匹逃げだすことは不可能にできる場所だからだ。
三十分で用意はできた。陛下は隣の王宮から確認されているはずで、もうすぐお越しになるであろうと思われる。やはり陛下のお付きの方が前から歩いてくる。
「陛下が準備できたなら教えて欲しいとのこと。リッキー隊長いかがですか?」
「つい先ほど揃ったばかりでございます。いつでもお越しいただいて大丈夫であります」
「畏まりました。五分ほどで御着きになりますのでお迎えくださいませ」
「承知いたしました。よろしくお願いいたします」
五分待つ前に陛下は護衛二人と共にいらっしゃった。
「リッキー、ケイト。四百人の捕虜をハンド―ラに忠誠を誓わす良い案が手に入っての。試す故、心して聞くように」
「御意」
四百人余りの傭兵の捕虜を前に国王陛下と皇太子殿下が堂々と歩み出る。陛下から国王の尊厳と強い人間の目に見えない威厳が伝わっていく。捕虜が静まり返る。
「今朝ハンド―ラに攻め入ってきた諸君!事前に行動は把握できていた。それ故に諸君らの被害は九十人捕虜四百十人となりここにいる訳だ。ハンド―ラの兵士は怪我が有っても名誉の戦死は誰もいなかった」
「ただ、指示役も口を開かないためにハンド―ラとしては全員殺しても何も問題はない。なにせ国境を超えて侵入してきた上に何も情報をくれないから解決策が考えられないのだ。指示役を攻めても仕方ないが指示役は当分こちらの監視下に置かせてもらう。そこでだ、わしからの話を聞いてくれ。君たちは傭兵と思われる。腕に自信がありその腕で生きて来たわけだ」
傭兵部隊を左右に見渡しながら演説を続ける。
「ハンド―ラの王宮軍に来ないか?入隊試験は受けてもらうが受かれば正式に採用する。家族が国外にいるなら家族も呼び寄せてくれ。王宮軍で面倒はみる。しかし、どうしても国に帰りたい人もいるだろう。無理に引き止めはしない。国境まで兵士が見送り一週間分の食料と少しだがハンド―ラの貨幣のハットで餞別を持たせる。考えてもらえんか?時間はあまり用意できないが明日の朝の八時までに返事をくれ。返事がない人は当分牢屋で過ごしてもらう。夕飯と夜食も用意するから考えてくれ。良い返事を待っている!以上だ!!」
「はい!」
「ありがとうございます!!」
「陛下についていきます!!!」
陛下について凄いなと正直に思う。知らない国外の人間の国王とはいえどもそんな人間の話を聞いて崖っぷちの人間が今後の行き先を決めろって言われて一晩で考えられるか?って真面目に思っている。しかし、傭兵軍の反応には驚く。陛下への称賛が半数以上は間違いないと思われる。なぜそんなことができる?話は僅か五分程度なのだが。
翌朝を待たずに傭兵軍からの返事は続々と王宮軍に届いた。
「アーロです。お時間よろしいですか?」
「四百人の捕虜をどうするかを今考えているのでな、それ以外は後にしてくれ」
「その捕虜の話です。私ではなくてレスターの話を聞いていただけませんか?」
「了解だ、説明を頼むレスター」
「はい。ありがとうございます。捕虜四百人はこのまま夜を迎えると夜中に脱走を始めます。ハンド―ラ国内に散らばると大変なので陛下と殿下のお二人で捕虜にハンド―ラの王宮軍に志願するものはいないかと捕虜全員の前で演説をしてはいかがでしょうか?」
「確かにそうだな」
「志願するものには家族を呼び寄せることができます。国に帰りたいものには捕虜交換ではなくて国境まで兵士が送ります」
「国内では犯罪が起きないように、だな」
「おっしゃる通りでございます。国に帰る人間にハンド―ラのことを良い国と喋ってもらいたいので国境で一週間分の食料と僅かでいいですのでハットの硬貨を渡してはいかがでしょうか?」
「確かにな。少しでもハンド―ラからもらえば誰だって噂にするな。だれにならった?」
「正直に申し上げると誰にも習っていないのです。かすかな記憶ですが、どこかの文献で読んだ話をいくつか合わせてこのような筋書きにしてみました」
「俺は納得いった。アーロはどうだ!」
「自分も理解はしましたが、噂でハンド―ラが得になるのかはわかりません」
「レスターの予想通りになる。わしとレスターを信じろ」
陛下から命令が下された。捕虜四百人に話しがある故、早急に一箇所に集めるようにと。リッキー隊長は即座に王宮軍の訓練場に集めるように指示をする。建物の周囲は王宮軍で固めることで猫の子一匹逃げだすことは不可能にできる場所だからだ。
三十分で用意はできた。陛下は隣の王宮から確認されているはずで、もうすぐお越しになるであろうと思われる。やはり陛下のお付きの方が前から歩いてくる。
「陛下が準備できたなら教えて欲しいとのこと。リッキー隊長いかがですか?」
「つい先ほど揃ったばかりでございます。いつでもお越しいただいて大丈夫であります」
「畏まりました。五分ほどで御着きになりますのでお迎えくださいませ」
「承知いたしました。よろしくお願いいたします」
五分待つ前に陛下は護衛二人と共にいらっしゃった。
「リッキー、ケイト。四百人の捕虜をハンド―ラに忠誠を誓わす良い案が手に入っての。試す故、心して聞くように」
「御意」
四百人余りの傭兵の捕虜を前に国王陛下と皇太子殿下が堂々と歩み出る。陛下から国王の尊厳と強い人間の目に見えない威厳が伝わっていく。捕虜が静まり返る。
「今朝ハンド―ラに攻め入ってきた諸君!事前に行動は把握できていた。それ故に諸君らの被害は九十人捕虜四百十人となりここにいる訳だ。ハンド―ラの兵士は怪我が有っても名誉の戦死は誰もいなかった」
「ただ、指示役も口を開かないためにハンド―ラとしては全員殺しても何も問題はない。なにせ国境を超えて侵入してきた上に何も情報をくれないから解決策が考えられないのだ。指示役を攻めても仕方ないが指示役は当分こちらの監視下に置かせてもらう。そこでだ、わしからの話を聞いてくれ。君たちは傭兵と思われる。腕に自信がありその腕で生きて来たわけだ」
傭兵部隊を左右に見渡しながら演説を続ける。
「ハンド―ラの王宮軍に来ないか?入隊試験は受けてもらうが受かれば正式に採用する。家族が国外にいるなら家族も呼び寄せてくれ。王宮軍で面倒はみる。しかし、どうしても国に帰りたい人もいるだろう。無理に引き止めはしない。国境まで兵士が見送り一週間分の食料と少しだがハンド―ラの貨幣のハットで餞別を持たせる。考えてもらえんか?時間はあまり用意できないが明日の朝の八時までに返事をくれ。返事がない人は当分牢屋で過ごしてもらう。夕飯と夜食も用意するから考えてくれ。良い返事を待っている!以上だ!!」
「はい!」
「ありがとうございます!!」
「陛下についていきます!!!」
陛下について凄いなと正直に思う。知らない国外の人間の国王とはいえどもそんな人間の話を聞いて崖っぷちの人間が今後の行き先を決めろって言われて一晩で考えられるか?って真面目に思っている。しかし、傭兵軍の反応には驚く。陛下への称賛が半数以上は間違いないと思われる。なぜそんなことができる?話は僅か五分程度なのだが。
翌朝を待たずに傭兵軍からの返事は続々と王宮軍に届いた。
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