ボールド国年代記 史上初3D作戦誕生で世界は平和になる?

虎徹周磨

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凱旋

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再試験対象の十二人の特別訓練が始まった。試験の完了と結果の公開から時をおかない感覚ではあるが。十二人の特製に合わせて剣なら剣での特殊訓練、攻撃魔法なら攻撃魔法での特殊訓練、弓なら弓の特殊訓練のような感じで組み合わせていく。もとより合格させるための訓練であり、受験者が辞退しなければ合格させるための仕組みだ。



俺は帰国希望の二十七人の準備に忙殺されていた。係が聞き出した情報よりもさらに多くの情報を聞き出す必要がある。今回は特に厳しく、聞き出すように指示が出ている。一人に二~三時間かかることは当然でこの人数でよかったなと話す始末だ。



帰国者は今後の二~三週間で順次お見送りをするつもりだ。それまでに何か尻尾を捕まえてやろうと考えている次第だ。



合格者は順次手続きを開始して様々な情報を聞き出す。出身地・家族・過去の職業など合格者が話すことは何でも記録に残す。すると南の人間がほとんどだとわかった。ハンド―ラ国よりもフルナール国・ボールド国よりも南の国で今現在では人の行き来するのは商人以外いないと聞いている。大半が家族を呼び寄せるつもりだ。



しばらくは王宮軍の宿舎で過ごさせて訓練に入る。驚いたことに元傭兵は自分の得意分野では第一線で働けるぐらいの優秀さだ。苦手なのは座学だ。座らせて講習をさせるとすぐに寝てしまうものが続出した。しかし忠誠を誓った王宮軍の兵士なのだから慣れさせるしかない。



今しばらくは基礎訓練に明け暮れてもらい、優秀な人材をセントアイの合同訓練に移動するように手配して俺とレスターとリッキー隊長とケイト小隊長と一緒に移動してきた兵士と共にセントアイに戻ることになる。



ハンド―ラ王宮軍の一部が抜けたセントアイの合同訓練場では召喚獣の練習部隊がボールドのノマキの東に野営を開始していた。ここには私とルカとノア殿下とマチアスが移動して召喚獣の魔法を存分に練習していた。天候が変わりやすいと有名な場所だけに雨も多く雨の日は四人で今後のことを語り合っていた。



アーロ殿下とレスターとリッキー隊長とケイト小隊長らがセントアイに戻ることと一緒に移動した兵士が戻ることの連絡がセントアイとノマキの訓練場に届いた。無事の鎮圧とハンド―ラ軍には一人も戦死者で出なかったことに加えて四百人弱がハンド―ラ軍に入隊すると聞き驚きを隠せなかった。こちらに到着した夜はお祝いをしよう。



私とノア殿下の召喚獣の魔法は苦戦していた。毎日呪文を唱えて呪文の意味を一字一句理解していけば一週間で発動できるはずなのだが、二人とも召喚できない。間違った召喚するよりはいいのだが、なぜかわからない。他の魔法は問題なくできるのだが。



何遍やってもできないのでノア殿下とため息をつきながら一つ考えたことがあった。一日召喚獣の魔法のことを忘れよう。セントアイに一旦戻りアーロ殿下とレスターをお迎えすることにした。この訓練場から離れてみるのもいいのかもしれない。



セントアイに戻ってみると兵士が大いに盛り上がっていた。戻って見えたのだなアーロ殿下。



「アーロ殿下!無事のお帰りと大層な戦果!おめでとうございます!」
「アンドレア殿下!やっと帰ってこられたよ。疲れた」
「土産話を楽しみにしています。兵士たちにまず戦果の報告された後に聞かせてください」
「わかった」


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