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傷治果剣導高校編・2(終)
157話 天盾の意味 後編
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157話 天盾の意味 後編
……なんてことがあってさあ…。どうだよレス
………アイツがそんなことを………
おい春途!本当なんだな?
え?ああ、そうだ。こんな大事なことで嘘つかねえよ。
……許せねえな。そういうことなら力になる!……なんて言いたいところだが、柚葉のスタイルを見たことすらねえんだ。
え?一緒の組織にいるのに?
ああ。アイツは天盾の誰とも立会したがらないからな。いつもえるなの後ろに隠れていたし、今思えばそれこそ皮を被ってたんだなアイツは。
そのことなんだけど、柚葉はこうも言ってた。
「そもそもぼくは最強の座なんて欲しくない。」
そんな強いならなぜ、最強になりたくないなんて言うんだ?
確かにそうだな。その口振りはなんかこう、
最強に興味がないじゃなく、
最強になることを避けてるみたいだな。
それだ…けどなんで……
やっぱ元々強さになんざ
興味がねえってことじゃねえのか?
うん…俺もそう考えたんだ。けど
そうすると実力を隠す意味がないんじゃ?って。
だよなー……。つうか
なんで俺の寮室来てんだ!
いや、1人だと落ち着かなくて。だめか?
嫌だろ普通!せめて一言くれや!
仕方ないだろ?
俺もこんなことになるとは思わなかったし!
あーわかったわかった!そこの寝床使えよ!
いいのか?サンキュ
あでもそこ、女子寝てたやつだからなー?
結城薫子っておっぱい大きなおっとり系の寝床だったんだよ。あいつはどこにでもチョコレートを持ち込んでてな…?食べ過ぎってくらい食べてるのに、栄養は胸にしかいかないの、おかしくね?
なんでそんなん言うんだよ!寝づらいっての!つかんなの知らん!
だろうな。
……ははっ、まああれだよ。
いつものおまえに戻ったならそれでいいんだ。
おまえはおまえのままでいけよ?
相手のことなんざ考えるな!
ああだこうだって考えるとよ、剣が曇るんだ。
おまえは他と比べて曇りが薄い…それが強みだ。
それは死守しろ!そんで死んでも守れ!いいな?
それ一緒じゃねえか…
細かいことはいいんだよ。
少しでもらしくやれ、それだけだ。んじゃ俺は寝る!
おう。おやすみ
(俺ってそんなに剣に出るタイプなのか?レスの方が敏感なのか?まあどっちでもいいか。明日は柚葉と立会……勝つなんて言えないけど、全力でぶつかるとは言えるから。)
当日
へえ。逃げずによく来たねえ。キミじゃぼくに敵わない…それくらいは無能であっても理解できるだろう?
そうでもないさ。ところで、本当にえるなのこと、好きじゃないんだな?
昨日も言ったじゃないか。
あんなブス、どこがいいんだい?あんなのを好きになるほど、ぼくは落ちぶれていないよ。
そうか。ならなぜ、えるなに接触した?
権力なら他でもいいだろ。なのにえるなを選んだ。
…何か理由があるんじゃないのか?
たまたまだよ。
本当は?
………そんなに気になるなら
ぼくに両膝つかせてみなよ。もう始めていい?
そうだな。
ああそれと、キミは諦めが悪い。それくらいは頭に入れてあるから10試合だ。その間にぼくの両膝を地面につかせられたら、キミの勝ちにしてあげる。ああ勿論、訊かれたことは全部答えてあげる。どう?少しはやる気が出たかい?
やる気はもとより充分だ…!
春途は静かに封獣の太刀を抜く
おお~それだよそれ。なかなかいい剣だよね。
どんなすごい鍛冶屋へ依頼したんだい?
普通の女子つったら信じるか?
ぶふっ、なんの冗談だよ!あははははは!!!やめてくれよ…!あはは!
…はぁ。抜かないのか?
ああ失礼。けどこのままでいいかな。
始まってからいつでも抜けるし。
そうかよ!てぇい!!!
春途は柚葉へ斬りかかる
ああ―言い忘れていたよ。ぼくは地面に足なんかつけないから。
そういうと柚葉の背に大翼が生え、宙に浮かんだ。
な!!そんなのアリかよ!?
アリなんだよ…少なくとも、
ぼくのような上の存在には、ね。
さあ…剣を抜かせてもらうとしよう。まずはそうだな…罪剣アバカルトシオン、そして罰剣テルミルドにしよう。
二刀流!?
そうさ。ぼくの魔導カードの効果でね。刀剣枠を統合しているのさ。ズルなんて…言ってもいいよぉぉ!!
てぇぇぇぇい!!!やっ!
うあっ!!?……!?
アバカルトシオンで右膝を、テルミルドで左肘を斬りつけた柚葉は、すぐさま宙に浮かび反撃を拒んだ。
残念だったねえ。悔しかったら翼をへし折りに来てみなよ。…ああ、無理だったね。
コイツ……!
なあ、降りて来いよ!立会にならないじゃないか!
はあ?ぼくがいつ、キミと立会するって言った?
ひょっとしてキミの記憶容量4GBなのかい?
今の機械はそんな貧相なもの持たないよ?
なんだよそれ!!
(ならやっぱ
降りて来た時にやる…それしかないか……。)
来い!2度と斬られないからな!
ふふっ、言うねえ。たああっ!!
(同じだ…!なら―――)
同じ?そんな訳ないじゃないか。
はいストップ。で、こう!
ジャキ!ズズッ!
春途はアバカルトシオンで右太ももを、テルミルドで額をわざと浅く斬りつけられた。
あははっ、甘いよ!そんな動きじゃぼくを捉えることすら………あ?なんだよそれ、放せよ!
柚葉が再度飛び上がる際に春途は柚葉の右足を掴んでいた。
へへっ、甘いのはそっちも同じだ。それ!
うがっ!?があああああああ!!!!?
春途は足を掴んだまま周り始めた。強く引っ張られた柚葉は地面に引きずられながら悲鳴をあげた。
(よし!これなら……)
はははっ…な訳!ふっ!
柚葉はアバカルトシオンを春途の右胸に突き立てる。
これで、ぼくの1勝だね。
そうみたいだな。
(驚いた…掴んだ手を利用するなんて)
そう
柚葉はわざと身体を地面に強く当てて弾ませ、春途の手をロープのように使い、右胸へ届かせたのだ。
それから2戦目、3戦目、4、5、6戦目と柚葉の勝ち星ばかりが増えていく。
くぅ…!
(結局あれ以降も詰めるまではいけてないな……)
どうだい?力の差が…いいや、存在の差が、だね。
生憎と、諦めの悪いだけは一流なんでな。
何も考えられないのと同じだよそれは。
(おかしい…こんなに、ぼ、ぼくの力を見せてもまだ向かってくる……なんて!!!)
なんだ?この声……柚葉、なにか言ったか?
は?な、なんでもないよ!まだやるっていうなら、今度は心臓を一突きにしてあげるよ!
おう来い!できるものならな!!!
こんのぉぉぉぉ!!!
アバカルトシオンとテルミルドを大きく広げ、鋭く突撃する。
(おかしい…おかしいおかしいおかしいおかしいおかしい!なんで!なんでコイツは諦めない!?)
!
まただ。なら
来い!リーゼ!!
(妾の手番はいつかと、心待ちにしておったぞ。ヤツを葬る、それでよいな?)
ああ!やってくれ!
消えろおお!!
(甘いわ小僧よ!)
柚葉の突進をしっかり受け止めたリーゼロッテに、柚葉は笑みを浮かべた。
なら君から消すね!
(カラミティネクロ)
(なんじゃその力は…!)
(主よ気をつけよ。この力は…妾で…え……)
リーゼロッテの姿は塵すら残さず消え去った。
リーゼ!!!
ほら見たか!ぼくの魔導カード「カラミティネクロ」の効果。それは立会相手の魔導カードを消し去る効果さ!これで守ってくれるヤツはいなくなった、キミは終わりだ!!
(魔導カードひとつ消したって…なにも……かわらない…!)
(ぼくは…強いひとと一緒じゃなきゃ生きていけない!どうしよう……ぼくは…)
それはどうかな?
(ああ…なんだ。コイツは俺よりガキじゃねえか…)
なあ柚葉、おまえは誰かの陰に隠れないと
生きていけないとか思っちゃいないか?
そ、そんなこと!
(ぼく…なんで……ぼくの方が強い!なのになんで!)
あー…確かにおまえの方が強いな、俺より。けど、おまえの話聞いてるとなんかな、基盤がグラついてるみたいな感じがするんだよ。
そんな話してないよ!!
ぼくの方が強い!ぼくは最強なんだ!!!
最強、ねえ。
なあ柚葉、最強がどうって昨日言ってたよな?
そんな話!
「そもそもぼくは最強の座なんて欲しくない。」
それは…!
言ってただろ。
なのに今は自分は最強?どっちかにしろよ。
これは最強になりたくはないってことじゃないのか?それだけの力があってもなお、最強にはなりたくない。なにか理由があるんだろ?それこそさっき言った基盤がグラついてるってのと通ずる何か、みたいな?
やめろ…やめろやめろやめろやめてくれ!
来いギド!ぼくの未来を観せろ!!
(ふむ。貴様の未来は……剣を交えぬままの敗北だな。どう足掻いても変えられぬ運命のようだ。リザインを勧めるが?)
認めない。ぼくはまだ負けてない。ならまだ!
(ま、せいぜい遊んでもらえ。手は貸さないからな)
(負ける?このぼくが?だったらいっそぼくが
春途に肖るのも………あぁ…ぼく、どこで間違えちゃったんだろ……。)
まさか俺、ライバル増やしたか?なんてな。
ぼくはまだ…春途、キミには負けたくない!
そうかよ!けど俺だって、他人を弄ぶような
やつに負ける訳にはいかない!
(どうする?ぼくが春途に勝るところ……
飛んでも捉えられる…なら)
七変化の時間だ…
(七変化の化身)
瞬間、大翼が消え去った。
どうしたんだよ柚葉。羽、要らないのか?
ああ。春途と向き合うにはアレは不向きだからね。
そうか。ようやく向き合ってくれるんだな。
そうでもしないと、キミ諦めないでしょ?
ははっ、違いない。じゃ、始めるぞ!
それからはさっきまでの立会とは違う、本来の空気で剣を交え、魔導カードが飛び交ういい立会をした。
っはあ…はあっ……は、るとぉ!!!
はあっ…はあっ…!ゆずはぁぁぁ!!
柚葉の二刀と春途の封獣の太刀が交錯する。
ジジジジジジ……!
押さえ込んだ!これなら!!
甘いな!!でぇぇい!
春途は封獣の太刀を強打、強引に距離を作る
あっ!まだぁ!!
その距離を殺しに掛かる柚葉、しかし
それを待ってた…ここだあ!!!ソォォォイ!!
なんと春途は柚葉に向けて封獣の太刀を投擲したのだ!当然、柚葉はそれを外す
が、それこそが春途の狙いであった。
なんか久しぶりだな、ユーアマイン!!
首からさげていた短剣を引きちぎり顕現させる。
そして―――
柚葉…もう終わりだぁぁ!!!
投擲を外し、突撃してきた柚葉に向かってユーアマインを構える。そこから二刀を抜ける軌道を画き柚葉の左脇腹を斬り裂く。
があああああ!!!!
へっ、今回は俺の勝ちだ。
春途の勝利だ。
く……うぅぅぅ…!!ぼくが…ぼくが負けた…?
うああああああああああ!!!
柚葉、喚く前にやらなきゃいけないことがあるんじゃないか?
やらなきゃ…いけないこ…と?
…
………ああ、そうだね。
空気で悟ったのか、へたり込む柚葉の前にえるなが駆け寄る。
…ごめん…なさい。
ごめんなさい!ぼく、強いひとと一緒じゃないと生きていけなくて……それで………うぅぅぅ!
心の内をさらけ出した柚葉に、
しゃがんで目線を逢わせたえるな。
…知ってたわよ。そのくらい
え…?
思いもよらぬ言葉に目を丸くする柚葉。
だから、知ってたって言ってるの。そもそも初対面でいきなり告白されたんだし、変だなって思うわよ。あと柚葉、あなた感情がオモテに出るタイプみたいね。筒抜けよ?
まあでも、天盾作るって意気込んでた時のあの目も……偽物だったのかしらね。だとしたら少しだけ悲しいわ。
そ、それは!!
あの…えっと、ぼ、ぼく……
バカね、怒ってなんかないわ!
それよりもその傷、放置とか言わないわよね?
ほら春途も!
う、うん!
ならよろしい!うふふっ、
染みると思うけど我慢しなさいよ?
そう言ったえるなは笑いながら、泣いていた。
……なんてことがあってさあ…。どうだよレス
………アイツがそんなことを………
おい春途!本当なんだな?
え?ああ、そうだ。こんな大事なことで嘘つかねえよ。
……許せねえな。そういうことなら力になる!……なんて言いたいところだが、柚葉のスタイルを見たことすらねえんだ。
え?一緒の組織にいるのに?
ああ。アイツは天盾の誰とも立会したがらないからな。いつもえるなの後ろに隠れていたし、今思えばそれこそ皮を被ってたんだなアイツは。
そのことなんだけど、柚葉はこうも言ってた。
「そもそもぼくは最強の座なんて欲しくない。」
そんな強いならなぜ、最強になりたくないなんて言うんだ?
確かにそうだな。その口振りはなんかこう、
最強に興味がないじゃなく、
最強になることを避けてるみたいだな。
それだ…けどなんで……
やっぱ元々強さになんざ
興味がねえってことじゃねえのか?
うん…俺もそう考えたんだ。けど
そうすると実力を隠す意味がないんじゃ?って。
だよなー……。つうか
なんで俺の寮室来てんだ!
いや、1人だと落ち着かなくて。だめか?
嫌だろ普通!せめて一言くれや!
仕方ないだろ?
俺もこんなことになるとは思わなかったし!
あーわかったわかった!そこの寝床使えよ!
いいのか?サンキュ
あでもそこ、女子寝てたやつだからなー?
結城薫子っておっぱい大きなおっとり系の寝床だったんだよ。あいつはどこにでもチョコレートを持ち込んでてな…?食べ過ぎってくらい食べてるのに、栄養は胸にしかいかないの、おかしくね?
なんでそんなん言うんだよ!寝づらいっての!つかんなの知らん!
だろうな。
……ははっ、まああれだよ。
いつものおまえに戻ったならそれでいいんだ。
おまえはおまえのままでいけよ?
相手のことなんざ考えるな!
ああだこうだって考えるとよ、剣が曇るんだ。
おまえは他と比べて曇りが薄い…それが強みだ。
それは死守しろ!そんで死んでも守れ!いいな?
それ一緒じゃねえか…
細かいことはいいんだよ。
少しでもらしくやれ、それだけだ。んじゃ俺は寝る!
おう。おやすみ
(俺ってそんなに剣に出るタイプなのか?レスの方が敏感なのか?まあどっちでもいいか。明日は柚葉と立会……勝つなんて言えないけど、全力でぶつかるとは言えるから。)
当日
へえ。逃げずによく来たねえ。キミじゃぼくに敵わない…それくらいは無能であっても理解できるだろう?
そうでもないさ。ところで、本当にえるなのこと、好きじゃないんだな?
昨日も言ったじゃないか。
あんなブス、どこがいいんだい?あんなのを好きになるほど、ぼくは落ちぶれていないよ。
そうか。ならなぜ、えるなに接触した?
権力なら他でもいいだろ。なのにえるなを選んだ。
…何か理由があるんじゃないのか?
たまたまだよ。
本当は?
………そんなに気になるなら
ぼくに両膝つかせてみなよ。もう始めていい?
そうだな。
ああそれと、キミは諦めが悪い。それくらいは頭に入れてあるから10試合だ。その間にぼくの両膝を地面につかせられたら、キミの勝ちにしてあげる。ああ勿論、訊かれたことは全部答えてあげる。どう?少しはやる気が出たかい?
やる気はもとより充分だ…!
春途は静かに封獣の太刀を抜く
おお~それだよそれ。なかなかいい剣だよね。
どんなすごい鍛冶屋へ依頼したんだい?
普通の女子つったら信じるか?
ぶふっ、なんの冗談だよ!あははははは!!!やめてくれよ…!あはは!
…はぁ。抜かないのか?
ああ失礼。けどこのままでいいかな。
始まってからいつでも抜けるし。
そうかよ!てぇい!!!
春途は柚葉へ斬りかかる
ああ―言い忘れていたよ。ぼくは地面に足なんかつけないから。
そういうと柚葉の背に大翼が生え、宙に浮かんだ。
な!!そんなのアリかよ!?
アリなんだよ…少なくとも、
ぼくのような上の存在には、ね。
さあ…剣を抜かせてもらうとしよう。まずはそうだな…罪剣アバカルトシオン、そして罰剣テルミルドにしよう。
二刀流!?
そうさ。ぼくの魔導カードの効果でね。刀剣枠を統合しているのさ。ズルなんて…言ってもいいよぉぉ!!
てぇぇぇぇい!!!やっ!
うあっ!!?……!?
アバカルトシオンで右膝を、テルミルドで左肘を斬りつけた柚葉は、すぐさま宙に浮かび反撃を拒んだ。
残念だったねえ。悔しかったら翼をへし折りに来てみなよ。…ああ、無理だったね。
コイツ……!
なあ、降りて来いよ!立会にならないじゃないか!
はあ?ぼくがいつ、キミと立会するって言った?
ひょっとしてキミの記憶容量4GBなのかい?
今の機械はそんな貧相なもの持たないよ?
なんだよそれ!!
(ならやっぱ
降りて来た時にやる…それしかないか……。)
来い!2度と斬られないからな!
ふふっ、言うねえ。たああっ!!
(同じだ…!なら―――)
同じ?そんな訳ないじゃないか。
はいストップ。で、こう!
ジャキ!ズズッ!
春途はアバカルトシオンで右太ももを、テルミルドで額をわざと浅く斬りつけられた。
あははっ、甘いよ!そんな動きじゃぼくを捉えることすら………あ?なんだよそれ、放せよ!
柚葉が再度飛び上がる際に春途は柚葉の右足を掴んでいた。
へへっ、甘いのはそっちも同じだ。それ!
うがっ!?があああああああ!!!!?
春途は足を掴んだまま周り始めた。強く引っ張られた柚葉は地面に引きずられながら悲鳴をあげた。
(よし!これなら……)
はははっ…な訳!ふっ!
柚葉はアバカルトシオンを春途の右胸に突き立てる。
これで、ぼくの1勝だね。
そうみたいだな。
(驚いた…掴んだ手を利用するなんて)
そう
柚葉はわざと身体を地面に強く当てて弾ませ、春途の手をロープのように使い、右胸へ届かせたのだ。
それから2戦目、3戦目、4、5、6戦目と柚葉の勝ち星ばかりが増えていく。
くぅ…!
(結局あれ以降も詰めるまではいけてないな……)
どうだい?力の差が…いいや、存在の差が、だね。
生憎と、諦めの悪いだけは一流なんでな。
何も考えられないのと同じだよそれは。
(おかしい…こんなに、ぼ、ぼくの力を見せてもまだ向かってくる……なんて!!!)
なんだ?この声……柚葉、なにか言ったか?
は?な、なんでもないよ!まだやるっていうなら、今度は心臓を一突きにしてあげるよ!
おう来い!できるものならな!!!
こんのぉぉぉぉ!!!
アバカルトシオンとテルミルドを大きく広げ、鋭く突撃する。
(おかしい…おかしいおかしいおかしいおかしいおかしい!なんで!なんでコイツは諦めない!?)
!
まただ。なら
来い!リーゼ!!
(妾の手番はいつかと、心待ちにしておったぞ。ヤツを葬る、それでよいな?)
ああ!やってくれ!
消えろおお!!
(甘いわ小僧よ!)
柚葉の突進をしっかり受け止めたリーゼロッテに、柚葉は笑みを浮かべた。
なら君から消すね!
(カラミティネクロ)
(なんじゃその力は…!)
(主よ気をつけよ。この力は…妾で…え……)
リーゼロッテの姿は塵すら残さず消え去った。
リーゼ!!!
ほら見たか!ぼくの魔導カード「カラミティネクロ」の効果。それは立会相手の魔導カードを消し去る効果さ!これで守ってくれるヤツはいなくなった、キミは終わりだ!!
(魔導カードひとつ消したって…なにも……かわらない…!)
(ぼくは…強いひとと一緒じゃなきゃ生きていけない!どうしよう……ぼくは…)
それはどうかな?
(ああ…なんだ。コイツは俺よりガキじゃねえか…)
なあ柚葉、おまえは誰かの陰に隠れないと
生きていけないとか思っちゃいないか?
そ、そんなこと!
(ぼく…なんで……ぼくの方が強い!なのになんで!)
あー…確かにおまえの方が強いな、俺より。けど、おまえの話聞いてるとなんかな、基盤がグラついてるみたいな感じがするんだよ。
そんな話してないよ!!
ぼくの方が強い!ぼくは最強なんだ!!!
最強、ねえ。
なあ柚葉、最強がどうって昨日言ってたよな?
そんな話!
「そもそもぼくは最強の座なんて欲しくない。」
それは…!
言ってただろ。
なのに今は自分は最強?どっちかにしろよ。
これは最強になりたくはないってことじゃないのか?それだけの力があってもなお、最強にはなりたくない。なにか理由があるんだろ?それこそさっき言った基盤がグラついてるってのと通ずる何か、みたいな?
やめろ…やめろやめろやめろやめてくれ!
来いギド!ぼくの未来を観せろ!!
(ふむ。貴様の未来は……剣を交えぬままの敗北だな。どう足掻いても変えられぬ運命のようだ。リザインを勧めるが?)
認めない。ぼくはまだ負けてない。ならまだ!
(ま、せいぜい遊んでもらえ。手は貸さないからな)
(負ける?このぼくが?だったらいっそぼくが
春途に肖るのも………あぁ…ぼく、どこで間違えちゃったんだろ……。)
まさか俺、ライバル増やしたか?なんてな。
ぼくはまだ…春途、キミには負けたくない!
そうかよ!けど俺だって、他人を弄ぶような
やつに負ける訳にはいかない!
(どうする?ぼくが春途に勝るところ……
飛んでも捉えられる…なら)
七変化の時間だ…
(七変化の化身)
瞬間、大翼が消え去った。
どうしたんだよ柚葉。羽、要らないのか?
ああ。春途と向き合うにはアレは不向きだからね。
そうか。ようやく向き合ってくれるんだな。
そうでもしないと、キミ諦めないでしょ?
ははっ、違いない。じゃ、始めるぞ!
それからはさっきまでの立会とは違う、本来の空気で剣を交え、魔導カードが飛び交ういい立会をした。
っはあ…はあっ……は、るとぉ!!!
はあっ…はあっ…!ゆずはぁぁぁ!!
柚葉の二刀と春途の封獣の太刀が交錯する。
ジジジジジジ……!
押さえ込んだ!これなら!!
甘いな!!でぇぇい!
春途は封獣の太刀を強打、強引に距離を作る
あっ!まだぁ!!
その距離を殺しに掛かる柚葉、しかし
それを待ってた…ここだあ!!!ソォォォイ!!
なんと春途は柚葉に向けて封獣の太刀を投擲したのだ!当然、柚葉はそれを外す
が、それこそが春途の狙いであった。
なんか久しぶりだな、ユーアマイン!!
首からさげていた短剣を引きちぎり顕現させる。
そして―――
柚葉…もう終わりだぁぁ!!!
投擲を外し、突撃してきた柚葉に向かってユーアマインを構える。そこから二刀を抜ける軌道を画き柚葉の左脇腹を斬り裂く。
があああああ!!!!
へっ、今回は俺の勝ちだ。
春途の勝利だ。
く……うぅぅぅ…!!ぼくが…ぼくが負けた…?
うああああああああああ!!!
柚葉、喚く前にやらなきゃいけないことがあるんじゃないか?
やらなきゃ…いけないこ…と?
…
………ああ、そうだね。
空気で悟ったのか、へたり込む柚葉の前にえるなが駆け寄る。
…ごめん…なさい。
ごめんなさい!ぼく、強いひとと一緒じゃないと生きていけなくて……それで………うぅぅぅ!
心の内をさらけ出した柚葉に、
しゃがんで目線を逢わせたえるな。
…知ってたわよ。そのくらい
え…?
思いもよらぬ言葉に目を丸くする柚葉。
だから、知ってたって言ってるの。そもそも初対面でいきなり告白されたんだし、変だなって思うわよ。あと柚葉、あなた感情がオモテに出るタイプみたいね。筒抜けよ?
まあでも、天盾作るって意気込んでた時のあの目も……偽物だったのかしらね。だとしたら少しだけ悲しいわ。
そ、それは!!
あの…えっと、ぼ、ぼく……
バカね、怒ってなんかないわ!
それよりもその傷、放置とか言わないわよね?
ほら春途も!
う、うん!
ならよろしい!うふふっ、
染みると思うけど我慢しなさいよ?
そう言ったえるなは笑いながら、泣いていた。
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