剣導部

九重死処/shiori

文字の大きさ
上 下
22 / 48
春途の春

28話 押しかけ娘はワガママっ娘!?

しおりを挟む
28―――押しかけ娘はワガママっ娘!?

公開立会も終わり、普段の部活動をする体力はないので、そのまま帰宅することにした。

ふう。ウェアから着替えたし、帰るか。

部室を出て昇降口へ向かう。外履きへ履き替えいつも通り歩き出した。1時間もなく家についた時、違和感が。

「春途さん!来ちゃいました♡」

はあ?え、どういうこと??

「あらまあ。ハルちゃんに3人目の
お嫁さん候補なんてねえ…嬉しいことだけど。」

違いますよ、お母さん!春途さんは
唯我のなんです♡なので他の2人?とかは知りません

「あらあら、そうなの?ハルちゃん」

い、いやいやいやいやいや。違うって何か勘違いしてないか?

してませんよ~、春途さん♡第一、
春途さんから仰ったのですよ?

なんて?

「いつでも来いよ!俺の下にキラッ」

言ってねえ

そもそも刀剣の使い方を教えるために来たのになんですか、その態度は!まるで招かれざる
なんとかじゃないですかー!


あ、そういえばそうだったな。わるい。
じゃあその、お願いしていいか?刀剣のこと
けど家には刀剣振れるところなんてないぞ?

それには考えがありますので!

ええ!ええ!!勿論です!!!
なのでお部屋と寝床をお借りしても?

え?どういうこと??

刀剣の使い方を教えるのでお泊りしますって
言いましたよ?耳悪いのですー?

いや悪かねえよ!悪か!
俺はいいけど母さんがなんという、か―――

✨キラキラキラキラキラキラキラ✨✨

問題ない。部屋は俺の部屋の隣だ。よろしくな。

よろしくお願いします!春途さん!
唯我、張り切ってお教えします!
けどそれは明日からでお願いしても?

別にいいよ。明日、教えてくれよ。


ひょんなことから始まった押しかけ娘との同居生活。唯我は何か感じが違って礼儀正しい娘になってた。これはきっと、この間話してくれた事に関係があって、踏み込んだ結果、多少の信頼を得たと思っておこう。
しおりを挟む

処理中です...