出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~

夏芽空

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【5話】アクアと仲良くなる

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「今回も全問正解よ!」
「わーい!」

 アクアが確認テストで全問正解するたびに、エレナは頭を撫でた。
 
 頭を撫でると、アクアはそれはもう嬉しそうに笑う。
 本当にかわいらしい。
 
 だからエレナはその顔が見たくて、何度も頭を撫でまくっていた。
 
 
 そういうコミュニケーションを取っていたことで、夕方になる頃にはアクアとすっかり仲良しに。
 怖がられて怯えられていた最初の頃が、今ではもう嘘みたいだ。
 
「エレナ様。アクア様。夕食の準備が整いました。食堂までお越しください」
 
 書斎に入ってきたイザベルが声をかけてくれた。

 その声に、二人は元気に返事。
 一緒になって書斎を出た。
 

 食堂へ向かうエレナとアクアは、通路を歩いている。
 手を繋ぎ合っていて、雰囲気は和気あいあいとしていた。
 
「あんなに楽しい令嬢教育は初めてでした! 明日も楽しみです!」
 
 エレナを見上げるアクアは、純粋でまっすぐな笑顔をしている。
 明るい太陽のようだった。

(あぁ……かわいい)

 眩しい笑顔に、エレナはキュン。
 今日一日だけで、何回こうなったのかわからない。
 
 アクアはかわいすぎる。
 これからもこんな子の令嬢教育ができるなんて最高だ。
 

 二人は食堂へ入る。
 横長の食卓テーブルの真ん中にエレナが腰を下ろすと、アクアがその右隣に座った。
 
「私いつもは端の席で食べているのですが、今日は一緒に食べてもいいですか?」

 アクアが上目づかいで見つめてくる。
 
「もちろんよ!」
 
(アクアと隣同士で食事できるなんて夢みたいだわ!)
 
 エレナは大興奮。
 ぶんぶん首を振って頷いた。
 
「というか今日だけじゃなくて、これからは三食ずっと一緒に食べましょ!」
「いいんですか! やったー!」

 アクアは両手を挙げて大喜びする。
 
 その隣で、エレナはうっとりしていた。
 
(毎日三食こんなにかわいい子と一緒……最高だわ)

 幸せ気分を味わっていると、バタン。
 食堂の両扉が開いた。
 
 扉の向こうから入ってきたのは、赤色の髪をした美少女。
 
 背中まで伸びた赤色の髪に、夕焼けを思わせる鮮やかなオレンジの瞳をしている。
 顔立ちはアクアとそっくりだ。超絶かわいい。
 
 彼女がアクアの双子の姉――フレイだろう。
 
 しかしその表情は、笑顔のアクアとは正反対。
 口をへの字に曲げていて、すこぶる不機嫌だった。
 
 席を立ったエレナは、フレイの方へ体を向けた。
 
「フレイ。明日の令嬢教育はあなたも――」
「お断りよ」

 言葉の途中でバッサリと切られてしまう。
 その言い方は、有無を言わさないような感じだった。
 
「今日のごはんは部屋で食べるわ。持ってきてちょうだい」

 壁際に立っているメイドへそう伝えると、フレイは食堂から出ていってしまった。
 
 
 夜の八時。
 
 エレナはフレイの部屋の前に立っていた。
 明日の令嬢教育に参加してくれるよう、声をかけに来ていた。

「話をしたいの。ドアを開けてくれないかな?」

 声をかけてから、ノックする。

 でも、返事はない。
 もう何回か声かけとノックを繰り返しているが、まったくの無反応だった。
 
(この感じだと、今日はダメそうね)

 あまりやりすぎても、しつこいと思われて逆効果だろう。
 諦めたエレナは部屋の前から去った。
 
 
 私室に戻ってきたエレナは、ベッドの縁に腰を掛ける。
 
「どうしたらフレイとも仲良くなれるのかしら」

 そんなことを考えていると、コンコンと小さなノックの音が聞こえたきた。
 
「アクアです。お話があるのですが、入ってもよろしいでしょうか?」
「いいわよ」
「失礼します」

 部屋に入ってきたアクアは、ペコリとお辞儀。
 エレナのすぐ隣に、ちょこんと腰を下ろした。
 
「さっきはお姉ちゃんがごめんさい。でも、怒らないであげてほしいんです」

 アクアがエレナを見上げる。
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